ベネッセのICT学習支援「ミライシード」、“オクリンクプラス”が「Canva」と連携――新しい学びの形がスタート
2025年9月4日、株式会社ベネッセコーポレーションは、日本全国の小中学校で導入が広がるICT学習支援ソフト「ミライシード」に搭載されている協働学習アプリ「オクリンクプラス」と、世界中で利用されているオンライングラフィックデザインソフト「Canva」との連携機能をリリースしました。この発表は教育業界にとって大きな話題となっています。子どもたちの学びがより表現豊かに、そして協働的に進化し始めています。
ミライシードとオクリンクプラスとは?
「ミライシード」は、ベネッセが開発した小中学校向けのICT学習支援ソフトで、全国の約35%・1万200校以上で導入され、約360万人の児童生徒が日常的に活用しています。なかでも「オクリンクプラス」は、プレゼンテーションや共同編集、フィードバック、相互評価まで、子どもたちが協働的に学び、考え合える機能が充実しているのが特徴です。
これまで多くの学校現場で、「他のデザインツールと連携できたら、より創意工夫を引き出せるのに」という声が上がっていました。
Canva連携の概要 ― 何ができるようになったの?
新たに実装された連携機能により、「Canva」で作成したスライドやデザイン成果物をオクリンクプラス内でシームレスに共有・活用できるようになりました。
従来はそれぞれで単独運用されていたツールがボタン一つでつながることで、以下のようなメリットが生まれます。
- スムーズな連携:オクリンクプラスのメニューバーに「Canva」ボタンが新設され、再ログインや煩雑なファイル管理をしなくても、そのままCanvaで作成したスライドを「カード」として授業で使うことができます
- 豊かな表現:Canvaの豊富なテンプレートや写真・イラスト素材を活用し、従来以上にビジュアル豊かなプレゼンテーションやレポートを作成できます
- 協働学習の深化:児童生徒同士、また教員と児童生徒間で、Canva成果物を「カード」として送り合い、コメントやフィードバックを交換できるため、チーム活動や相互評価がより活発になります
- 一元管理と評価:作成した成果物は全てミライシード内で保存・一元管理でき、教員は提出物の確認や評価作業を効率的に行うことが可能です
授業現場で起こる変化
この連携により、学校現場では次のような実践が期待されます。
- 例えば調べ学習や探究的な授業で、調査結果をCanvaでグラフィカルにまとめ、協働編集からプレゼン発表までオクリンクプラス内で完結できます
- QRコードや共有リンクを使う必要がないため、デジタル操作に慣れていない子どもたちでも戸惑うことなく成果物を提出・共有できます
- プレゼン作成時のアイデア広げや、デザインの工夫に自然と挑戦する児童生徒が増えてきています
- 教員による個別フィードバックや、グループ相互評価が簡単になり、「伝える力」「チームで取り組む力」双方の成長につなげられます
期待される教育的効果と今後
従来の板書中心・紙資料配布型から、ICTを活用した「協働的な深い学び」へのシフトが進むなか、今回の連携は学校現場の多様なニーズに応える大きな一歩です。Canvaに備わる直感的な操作や多彩な創作機能は、子どもたちの表現力や創造性を伸ばす武器となります。
また、教員もICT活用のハードルが下がり、「評価・管理・フィードバック」までワンストップで行えるようになることで、授業準備や事後指導にも余裕が生まれることが期待されます。
現場の声や今後のサポート
すでに現場教員からは、「Canvaとミライシードがつながったことで、生徒の作品の幅も評価方法も格段に広がった」「手間なく成果物のやり取りとコメントができて助かる」「創る楽しさと伝える自信、どちらも伸ばせる良い連携」といった好意的な声が寄せられています。
今後はベネッセによるウェブセミナーや活用事例紹介を通じて、さらなる現場支援が強化される予定です。
導入・利用の流れ
- ミライシード導入校は、「オクリンクプラス」の設定画面でCanva連携を有効化
- メニューに表示された「Canva」ボタンから、再ログインや個別認証なくスムーズにCanva作品をオクリンクプラスに追加
- 追加したスライドやデザインはカード形式で利用・共有・保存が可能
- 成果物はミライシード内で提出・管理、教員はまとめて確認・評価
導入にあたっては、自治体ごとのICT環境や個人情報保護方針などに応じて、設定やサポート体制のカスタマイズも可能となっています。
まとめ―学びが変わる、広がる、その先へ
2025年度の連携リリースを機に、日本の小中学校におけるICT教育はさらなる発展期を迎えます。ミライシードとオクリンクプラス、そしてCanvaの組み合わせにより、「主体的・協働的・多様な表現力」を育む新しい学びの形が始まっています。ベネッセは、今後も現場の声を取り入れながら、教育現場の進化を支えるさまざまな支援を展開していきます。