2025年8月18日、ドル円相場が再び147円台半ばへ上昇―実需の買いや株高が影響
はじめに
2025年8月18日、為替市場では1ドル=147円台半ばまで円安・ドル高が進み、改めて投資家や企業の間で高い注目を集めています。直近では機関投資家や企業からの実需のドル買いが目立ち、加えて株式市場の好調さもあいまって、円がやや値下がりしている状況です。本日は、この日の為替相場の動きを詳細に分析し、日本経済への影響や今後の見通しについても分かりやすくお伝えします。
為替相場の推移とポイント
8月18日午後5時時点の東京外国為替市場では、ドル円の為替レートが147.45-47円付近で推移しました。この水準は、前営業日から若干の円安となっています。日付ごとの為替レートは下表の通りです。
- 2025年8月12日:148.71円
- 2025年8月13日:148.09円
- 2025年8月14日:146.94円
- 2025年8月15日:147.91円
- 2025年8月18日:147.75円
この一週間で円高に振れる日もあったものの、全体としてはドル・円相場は147円台半ばを軸に高止まりしています。8月18日のニューヨーク市場でもドル円は一時147.61円を付けるなど、小幅ながらも上昇しています。
円安・ドル高の背景
今回の為替変動の大きな背景には、実需のドル買いが挙げられます。日本の大手企業では、8月が多くの決算時期となるため、海外取引先への支払いなどでドルへの需要が高まる傾向があります。これにより、国内の為替市場でも円売り・ドル買いが活発化しました。
また、「株高」の影響も無視できません。日経平均株価など日本株が上昇基調を維持したこともあり、国内外の投資家によるリスク選好の動きが強まりました。その一環で、外国為替市場でもドルが買われやすい地合いとなりました。
海外経済と為替相場の関連
アメリカでは経済指標発表が為替相場に大きな影響を与える局面が続いています。直近で発表された米コア小売売上高は堅調を示唆しましたが、一方でミシガン大学の消費者態度指数は予想に反して低下するなど、経済見通しが交錯しています。
アメリカの政策金利を左右するFRB(連邦準備制度理事会)の動向や、主要経済指標の発表タイミングとなる週末のパウエル議長の講演内容への関心が高まっていることも、ドルの強さを下支えする要因となっています。
テクニカル面からみたドル円の相場観
市場関係者の間では、「147円台半ば」という水準が短期的な節目と見られています。もし146円を明確に割り込むような動きが出れば、4月・6月の安値を結ぶサポートラインを下抜けし、さらなる円高の流れに進む可能性が指摘されています。
一方で、逆に148.20円を終値で超える場合は、テクニカル的にもう一段のドル高(円安)余地が生まれるとみられています。ただし、149円台や150円台には依然として壁も多く、一本調子の上昇は限定的との声もあります。
本日の市場動向のまとめ
- 日本株の上昇と実需のドル買いにより、円が若干値下がりし、ドル円は147円台半ばで取引。
- 米国経済指標はまちまちだが、FRB政策への注目もあり、ドルの底堅さが意識された。
- テクニカル面では146円が下値抵抗、148.20円が上値抵抗とされ、市場参加者はこのレンジ内で神経質な値動きを見せた。
- 日銀発表のスポットレート(午後5時)は147.45-47円。
- 今週末の米金融当局者の発言や経済指標に引き続き注目。
企業や生活への影響
為替レートの変動は日本経済やわたしたちの生活にも大きく関わっています。輸出企業は円安によって海外での競争力が増し、業績向上の追い風となります。一方で、輸入や留学、海外旅行などではコスト増となるため、家計にはやや逆風となります。
食品や日用品の一部でも、原材料を輸入しているものについては価格上昇のリスクが高まります。特にエネルギー価格や穀物の市況が不安定な現在、身近な消費財の値上がりもまだ警戒が必要です。
今後の注目ポイント
- 米国経済指標・FRB金融政策に関する発表や会見に引き続き注目。特に週末のFRB議長講演は市場関係者が強く意識しています。
- 146円割れ、あるいは148.20円の上抜けなど、今後の相場変動におけるテクニカル節目に要注意。
- 日本の経済指標や株価動向・主要企業の動きも円相場に影響をもたらすため、日々のニュースにも目を向けておくことが大切です。
わかりやすい用語解説
- スポットレート:その時点での現物取引レートです。例えば147.45-47円とは「1ドルを買うのに必要な日本円の額が147.45円から147.47円」という意味です。
- 実需のドル買い:企業が貿易や決済などの実際の取引(=実需)によりドルを購入すること。その結果、為替相場に影響を与えます。
- テクニカル分析・サポートライン:チャート分析の際に、価格が下がりづらい(下支えされる)と考えられる価格水準のことです。近年はAIを取り入れた分析も増えています。
終わりに
今後も為替相場は、米経済指標や中央銀行の政策、そして国内外の政治・経済動向を受けて日々変動します。個人や企業にとって為替リスク管理がいっそう重要性を増す中、冷静な情報収集と慎重な対応が求められています。