ナスダック100と米国株の最新動向解説 -AIバブル崩壊の影と主力株への期待

はじめに

2025年11月19日、米国株式市場は様々な動きが注目されています。ナスダック100やNYダウといった主要指数の変動、AIバブル崩壊の予兆がささやかれるテック株の下落傾向、そして個別銘柄の最新動向にも関心が集まっています。本記事では、ここ数日の市場動向を丁寧に振り返りながら、投資家の皆さまにもわかりやすく現状を解説していきます。

NYダウの動き

2025年11月19日のニューヨーク株式市場では、NYダウ工業株30種平均(ダウ平均)が反発し、前日比47ドル高の46,138ドルで取引を終えました。ダウはここ最近小幅な値動きが続いていましたが、この日は主力株の一角への買いが相場を支える形となりました。特に、投資家の間では半導体大手エヌビディアの決算発表が控えており、その内容を見極めたいという動きから全体的には慎重な売買姿勢が目立ちました。

  • NYダウは47ドル高の小幅反発
  • 主力株の一角、特に半導体株や金融セクターが支え
  • エヌビディアの決算発表への期待・警戒感

ナスダック100の動向

今回、特に多くの注目を集めているのがナスダック100の動向です。ナスダック100は米国を代表するテクノロジー企業や成長企業100社で構成されており、アップル、マイクロソフト、アルファベット(Google)、アマゾン、エヌビディアなど巨大IT企業が多く含まれています。この指数は世界的にもグロース(成長)株投資の代表的存在です。

2025年11月18日(前場)、ナスダック100は24,503.10ポイントで取引を終え、前日比で296.82ポイントの下落(-1.20%)となりました。10月末以降、ナスダック100は軟調な推移が続いており、特にAI関連を中心とした米国テック株の調整色が色濃くなっています。19日(現地時間)の取引開始直後も方向感に欠ける展開となりましたが、その後徐々に買いが入り、短期的な反発を示す局面も見られました。

  • 11月18日終値は24,503.10ポイント(前日比-1.20%)
  • 下落局面が継続するも、下値支持帯(24,000ポイント台半ば)で踏みとどまる
  • テック銘柄の多くが軟調。AIバブルの過熱感と割高感警戒も背景に

主要銘柄の状況

ナスダック100に採用されている個別株の動向も、全体の値動きを左右しています。

  • 上昇した主な銘柄 :ネットフリックス(NFLX)、アムジェン(AMGN)、ペプシコ(PEP)、インテュイット(INTU)、ショッピファイ(SHOP)などが小幅に上昇。日用品やバイオ、ソフト系が底堅い動き。
  • 下落した主な銘柄:マーベル・テクノロジー(MRVL)が-5.72%、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)、マイクロン・テクノロジー(MU)が-5.56%など、半導体・AI分野の大型株に売りが強まっています。
  • 全体傾向:構成銘柄の約60%が下落する「リスクオフ」傾向が強まりました。

最近の価格推移と投資信託の値動き

投資信託やETF(上場投資信託)を通じてナスダック100に投資している方にとっても、ここ数週間の価格推移は大きな関心事でしょう。インデックスファンドNASDAQ100やブル型投信も基準価額がジリジリと下落傾向にあります。例えば、NASDAQ100 3倍ブルの基準価額は11月13日の27,280円から19日には24,076円と、短期間で▲3,000円以上の調整となっています。

  • 投信やETFでも短期的な下落傾向
  • 各ファンドの運用成績(直近1ヶ月でプラス、ここ数日はマイナス傾向も)
  • 純資産額の増減は限定的で、長期投資家の動きは比較的安定

市場全体のセンチメントと要因

ナスダック100および米国株全体の不安定な動きの背景には、複数の要因が考えられます。

  • AIバブル崩壊への懸念:生成AIや半導体関連株が2024年から2025年前半にかけて急騰した反動で、バリュエーション(割高感)への警戒感が強まっています。特に利益が急成長しなかった企業や期待先行のAI企業に対し、失望売りが広がっています。
  • 米FRB(連邦準備制度理事会)の金融政策:米国の利下げ観測後退や高金利長期化への懸念がグロース株には逆風となっています。
  • 個別企業決算への注目:この時期の米市場は大型テック企業の決算ラッシュとなることが多く、エヌビディアなど注目企業の動向を見極めたい投資家が手控えムードを強めています。
  • 国際情勢・地政学リスク:米中関係や中東リスク、欧州経済の不安定化なども投資家心理を冷やす要素となっています。

ナスダック100のテクニカル分析ポイント

直近のチャート分析では、24,000ポイント台半ばに下値支持線が存在し、ここで売り買いが交錯しています。7日安値(11月7日安値)を意識した攻防が続き、短期的には「このラインで粘れるか」「さらに下落が進行するか」が重要な焦点です。上値は24,700ポイント台から25,000ポイント台にかけて戻り売りが意識されており、しばらくはもみ合いが続く可能性も指摘されています。

  • 24,500ポイント前後が短期的な攻防ライン
  • 24,000ポイント台半ばが主要な下値支持線
  • 短期的なリバウンド(反発)期待もあり、材料次第で大きく動く可能性

投資家へのメッセージと今後の注目点

米国テック株やナスダック100関連ファンドを保有している方にとって、現在の調整局面は大きな不安要素と言えます。ただし、今回のような調整は過去にも繰り返し発生しており、健全な姿とも言えます。長期的な分散投資の手法をとっている場合、過度な悲観や短期的な一喜一憂で判断を急がず、冷静に市場動向や個別銘柄のファンダメンタルズ(企業の本質的価値)を見極める視点が重要です。

  • 短期的な推移:決算や政策イベント後の値動きに注目
  • 長期的な視点:AIや半導体、クラウドなど成長テーマの持続力を見守る
  • マーケットニュースのこまめな確認がおすすめ

まとめ

2025年11月19日時点、ナスダック100はAIバブルのピークを経て調整が続く難しい局面にあります。NYダウは主力株支えで小幅反発。一方、テック株は割高感やマクロ不安、利益の頭打ち感から下押し圧力が強まっています。しかし変動は付き物であり、成長産業への信頼が揺らいだわけではありません。今後も日々のニュースや企業動向に目を配り、「冷静さ」を保ちつつ投資判断をしていきましょう。

参考元