タイミー株価に注目集まる理由とは?PTSと決算発表予定から読み解く動き
短期のお仕事マッチングサービスを展開する株式会社タイミー(証券コード:215A)の株価に、いま市場の注目が集まっています。
11日夜のPTS(私設取引システム)市場では、タイミーが「注目銘柄」として取り上げられているほか、同日に本決算発表を予定していることから、市場参加者の関心が一段と高まっている状況です。
タイミーとはどんな企業?
タイミーは、スマートフォンアプリを通じて、空いた時間に働きたい人と人手不足の企業・店舗をつなぐスキマバイトマッチングプラットフォームを運営する企業です。
飲食店、物流、イベント、販売など、人手が必要なさまざまな現場へ、短時間・即日勤務も可能な人材を送る仕組みで急成長してきました。
上場後も、ユーザー数や導入企業数の増加を背景に、売上高・利益ともに成長トレンドを続けており、成長期待が株価にも織り込まれてきた銘柄です。
直近の株価水準と値動き
タイミーの株価は、東証グロース市場に上場しており、直近では1,400円前後の水準で推移してきました。
直近の終値ベースでは、例えば以下のような価格推移が確認できます。
- 12月10日終値:1,426円(始値1,435円、高値1,445円、安値1,404円、出来高1,767,800株)
- 12月9日終値:1,424円(高値1,458円、安値1,407円、出来高2,146,400株)
- 12月8日終値:1,463円(高値1,487円、安値1,454円、出来高1,287,900株)
年初来では、年初来高値が2,502円(8月22日)、年初来安値が1,200円(4月7日)となっており、値動きの大きい成長株らしい推移をたどってきました。
11日の取引と株価動向
11日時点の取引状況をみると、タイミー株は前日終値1,426円に対して、日中の取引で安値1,374円を付けるなど、やや軟調な展開となる場面もありました。
一方で、出来高はおよそ40万株前後と、個別銘柄としては一定の売買が行われており、市場からの関心の高さがうかがえます。
また、Yahoo!ファイナンスなどでは、タイミーについて「過去5四半期で業績が改善傾向にあり、売上や利益率が持ち直している」といった分析コメントも掲載されており、決算内容を見極めたい投資家の姿勢が見て取れます。
PTS市場で「注目ポイント」とされた背景
11日の夜間取引(PTS)において、「タイミー、東北新社、リバエレテなどが注目銘柄」とするニュースが配信されています。
PTS市場とは、証券取引所が閉まった後の時間帯でも売買ができる私設取引システムのことで、決算発表や材料が出た銘柄が大きく動きやすい場です。
タイミーがPTSの注目ポイントとして取り上げられた背景には、以下のような事情があります。
- 本決算発表を同日に控えていたこと
- 短期的に株価が大きく動きやすい成長株であること
- 個人投資家からの関心が高く、取引参加者が多いこと
特に、決算発表当日やその前後は、「業績が市場予想を上回るかどうか」「来期見通しがどの程度強気か」といった点をめぐって、株価が大きく反応しやすくなります。
そのため、PTS市場でも決算内容を受けた素早い売買を狙う投資家の注文が集まりやすく、ニュースでも「注目ポイント」として名前が挙がったと考えられます。
本日の決算発表予定にタイミーが登場
同じく11日付のニュースでは、「本日の決算発表予定銘柄」としてタイミーの名前が挙げられています。
このリストには、タイミーのほか、DG(デジタルガレージ)、三井ハイテックなど、注目度の高い企業が並んでおり、マーケットにとって重要な決算ラッシュの日であることが分かります。
投資家にとって「決算発表予定日」は、株価が大きく動く可能性のある重要イベントです。タイミーの場合も、2025年10月期の本決算の数字や、次期(2026年10月期)の見通しがどの程度なのかが注目されていました。
タイミーの決算内容と業績のポイント
タイミーは、12月11日大引け後(15:30)に2025年10月期の決算を発表しました。
決算速報によると、主なポイントは次の通りです。
- 2025年10月期の連結経常利益は66.7億円(前期比70.0%増)
- 2026年10月期の連結経常利益予想は77.5億~88.4億円とレンジで開示
- 予想レンジの中央値ベースで、前期比24.4%増と見込む成長計画
- 7期連続の増収、4期連続の増益となる見通し
- 2025年10月期から単体決算から連結決算へ移行
また、直近3カ月(2025年8~10月期)の四半期業績では、売上高・利益ともに前年同期を上回っており、増収増益を維持しています。
売上営業利益率はやや低下したものの、利益水準そのものはしっかりと積み上がっている形です。
決算と株価の関係をどう見る?
今回の決算では、現時点で公表されている数字を見る限り、「増収増益の継続」および「来期も2ケタ成長予想」という、成長ストーリー自体は維持されています。
一方で、市場が事前にどの程度の成長を期待していたかによって、株価の反応は変わってきます。
- 市場予想より良い決算・強い来期見通し → 株価にはプラス要因となりやすい
- 市場予想とおおむね一致 → 決算通過で「材料出尽くし」とみなされる可能性も
- 市場予想を下回る内容 → 成長株は期待が高いぶん、株価が調整するリスクも
現在の株価は、年初来高値(2,502円)からみると大きく下げた水準にあり、すでにある程度の調整を経ています。
その分、決算内容が市場の懸念を払拭するものであれば、「業績は順調」という安心感から、改めて見直し買いが入る可能性もあります。
タイミー株を見るうえでの注目ポイント
タイミーの株価や今後の動きをチェックするうえで、個人投資家が押さえておきたいポイントを、やさしく整理してみます。
1. 成長ペースが続くかどうか
決算では、来期の経常利益が前期比2ケタ増となるレンジで示されています。
今後もこのペースで売上・利益が伸び続けるかどうかが、成長株としての評価を左右します。
- ユーザー数・企業側の導入数が順調に増えているか
- 新サービスや新分野への展開が進んでいるか
- 採用・マーケティングなどの投資と利益成長のバランス
2. 収益性の推移
直近四半期では、売上営業利益率が前年同期よりやや低下しています。
これは、成長投資や人件費などの先行コストが影響している可能性があります。
- 営業利益率や経常利益率が今後どう推移するか
- 先行投資の効果が中長期的な成長につながっているか
3. 株価水準とボラティリティ
年初来高値からの下落幅、直近の値動きや出来高を見ると、タイミーは値動きの大きい銘柄です。
短期的には、決算や外部環境のニュースによって上にも下にも大きく振れやすいため、「値動きの大きさ」を理解したうえでの売買判断が重要になります。
- 過去の高値・安値レンジ
- 1日あたりの値幅の傾向
- 出来高が増えるタイミング(決算、材料ニュースなど)
4. 他の注目銘柄との比較
今回のニュースでは、タイミーとあわせて東北新社やリバエレテ、さらに本日の決算予定としてDG(三井ハイテックなど)の名前も挙がっています。
これらの銘柄と比べて、
- 成長率(売上・利益の伸び)
- 事業の安定性・景気敏感度
- 株価バリュエーション(PER、PBRなど)
といった観点で相対的にどう位置づけられるかを考えることで、タイミー株への評価もしやすくなります。
初心者向け・やさしい見方のまとめ
タイミー株に関心を持ち始めた方に向けて、やさしくポイントを整理すると、次のようになります。
- タイミーは、アプリでスキマ時間に働きたい人と企業をマッチングするサービスを運営する成長企業
- 株価は、2025年には一時2,500円台まで上昇したものの、現在は1,400円前後まで調整している段階
- 2025年10月期決算では大幅な増収増益を達成し、来期も2ケタ成長を見込んでいる
- 7期連続増収・4期連続増益の見通しで、成長ストーリーは継続している
- 一方で、成長期待が高い株だけに、決算内容や今後の見通し次第で株価の上下が大きくなりやすい
- 11日のPTS市場で「注目銘柄」とされたのは、決算発表当日であり、夜間取引でも関心が集まりやすかったため
タイミーの株価を追いかける際は、日々の値動きだけでなく、決算資料や業績の推移を一緒に確認することで、より落ち着いて状況を判断できるようになります。
とくに、今後もユーザーや企業の利用が増え続けるのか、利益率を保ちながら成長を続けられるのか、といった点が中長期の焦点になっていくと考えられます。



