アドバンテスト、2026年3月期第2四半期決算で2度目の上方修正と最高益予想を発表
半導体テスト装置メーカーアドバンテスト(Advantest)が2025年10月28日、2026年3月期第2四半期(中間)決算を発表しました。今期だけでも2度目となる業績予想の上方修正と、自社史上過去最高益の更新見通しを公表し、マーケットだけでなく産業界からも大きな注目を浴びています。
AI時代の波に乗るアドバンテスト
アドバンテストが今、なぜこれほど業績を伸ばしているのでしょうか?その主因は、AI(人工知能)向け高性能半導体需要の世界的な高まりです。AI技術・生成AI・データセンターの拡大——こうした分野では、複雑かつ高精度な半導体が必須となり、その検査・品質保証を担うアドバンテスト製品の需要がますます高まっています。
- 2026年3月期第2四半期(中間)決算において、税引前損益2,305億円(230,517百万円)と、前年度比で大幅な増益を記録。
- これを受けて通期(2026年3月期)の税引前損益予想は3,715億円に上方修正され、従来予想(2,970億円)を大きく上回る見通しです。
- この業績は、証券アナリストの予想コンセンサスであるIFISコンセンサスも12.3%上回る水準に到達しています。
決算内容の詳細——「記録的な増収・増益」を実現
今回のアドバンテスト決算発表の最大の特徴は、売上高・利益ともに過去最高水準で推移している点です。
例えば、2026年3月期第1四半期(2025年7月末発表時点)では、売上高2,638億円(前年同期比90.1%増)、営業利益1,240億円(同295.7%増)と既に驚異的な成長を見せていました。それに続く第2四半期でも勢い衰えず、成長路線を維持。通期の売上高予想は8,350億円、営業利益3,000億円とまさに絶好調です。
- 直近12四半期で業績は一貫して改善傾向。
- 純利益率・営業利益率・ROE・ROAなど主要指標すべてが前年同期比で大幅増。
- 自己資本比率は30%を大きく上回り、財務の安定性も高水準。
- EPS(一株当たり利益)、フリーキャッシュフローも順調に増加。
株主還元も積極化、自社株買いの実施を発表
好調な業績を背景に、中間配当の実施や自社株買いも精力的に展開しています。2025年10月28日15時30分には自社株買いの実施も発表され、株主還元にも極めて前向きです。
- 自己株式の取得状況・配当政策も安定。
- 中間配当・期末配当も着実に支払われる予定。
- 株主還元姿勢が市場でも高く評価。
AI・半導体市場の世界的な好調が追い風
アドバンテストの好調は、日本国内だけでなく世界の半導体需要増がその背景にあります。2025年から2026年にかけて、
AIサーバーや高速メモリ、先端ロジックの開発が急増。そのテストや製造工程を支えるアドバンテスト製品の需要が爆発的に伸びています。
- 特に、米国・中国・台湾など主要半導体メーカー各社でAI需要が急拡大。
- データセンター新設、車載半導体、自動運転関連半導体でも高性能テスタ需要が拡大。
- 競合他社(東京エレクトロン、ディスコなど)と比較してもアドバンテストの伸びは顕著。
今後の見通しと事業戦略
現時点でアドバンテストは会社として、
「短期的な景気変動に左右されない競争力ある成長基盤構築」「AI関連投資継続」「新技術対応(テラヘルツ帯、次世代半導体)」などを積極的に展開中です。
- 多様な半導体構造・パッケージに対応した検査・測定ソリューションの深化。
- 積極的な研究開発投資とグローバル展開。
- サステナビリティ経営(脱炭素、省エネルギー対応)の推進。
2025年度第2四半期決算説明会では、これらの方向性を再確認する内容となり、投資家・市場の信頼感もさらに強まっています。
まとめ——アドバンテストはどこへ向かうのか
今回の決算発表を受けて、アドバンテストは「AI時代をリードする日本企業」のトップランナーとして再びその存在感を高めました。2度にわたる上方修正と最高益に向けた挑戦は、市場拡大の恩恵だけでなく、同社の柔軟な経営と技術開発力に裏付けられています。
株主・投資家はもちろん、半導体・AI産業に関わるすべての関係者にとって、今後のアドバンテストの動向から目が離せません。変化の激しいグローバル市場において、どのように成長を続け、イノベーションを牽引していくのか、次回以降の決算や中期経営計画のアップデートにも期待が集まります。
アドバンテストに関するよくある質問
- 決算発表のスケジュールは?
2025年度第2四半期決算発表は2025年10月28日。今後も四半期ごとに公式サイトで情報発信予定です。 - 主な事業内容は?
半導体テストシステムの開発・製造・販売。AI、車載、モバイル、IoT分野など多岐にわたる用途に強み。 - 業績上方修正はどんな時に発表される?
主にAI・半導体需要など外部環境の急変や、それに伴う旺盛な受注増が引き金。



