ディスカウントスーパー「オーケー」、関西で存在感を強める ― 大阪・今川で建設進行、神戸垂水には1号店オープン
首都圏を地盤とするディスカウントスーパー「オーケー」が、関西エリアで着実に存在感を高めています。大阪市東住吉区今川では、関電跡地を活用した新店舗の建設が進み、現地には2026年4月開業予定を知らせる従業員募集ポスターも掲示されています。一方、兵庫県神戸市では、同社の神戸1号店となる店舗が垂水エリアにオープンし、開店前から約300人が列を作るなど、関西での注目度の高さがうかがえます。また、関西5号店目として「オーケー垂水小束山店」の出店も決定し、同社の関西進出は新たな段階に入っています。
大阪市東住吉区今川の関電跡地で「オーケー今川店(仮称)」建設進む
大阪市東住吉区今川では、かつて関西電力東住吉営業所があった跡地に、新たにオーケー今川店(仮称)が建設されています。住所は大阪市東住吉区今川8-3-33で、近鉄南大阪線・今川駅から徒歩圏内の住宅街エリアに位置します。
現地の工事柵には、「オーケー今川店(仮称)」「2026年4月オープン予定」と明記されたオープニングスタッフ募集のポスターが掲示されており、開業に向けた準備が本格化していることが伝わってきます。店舗の計画概要としては、売り場面積約1,655㎡、駐車場53台、駐輪場76台、営業時間は8時30分~21時30分とされており、日常使いに適した中型クラスの店舗となる見込みです。
今川エリアはすでに競合店が多く、店舗予定地の目の前にはディスカウントストア「ジャパン針中野店」、道を1本挟んで「サンディ平野背戸口店」、さらに直線距離約300mの場所には「業務スーパー今川店」が立地しており、比較的小型のディスカウント業態が周辺を取り囲む形になっています。半径1km圏内まで広げると、「万代」「ライフ」「コノミヤ」といった地場の有力スーパーも複数存在し、新たなオーケー今川店の開業により、エリアの価格競争や品ぞろえ競争が一段と激しくなることが予想されています。
一方で、関東を中心に高い人気を誇るオーケーの進出を歓迎する声も多く、「大阪市内3店舗目の、関東で話題のスーパー」として、地元の情報サイトなどでも「ちょっとしたビッグニュース」として紹介されています。関西ではまだ店舗数が限られていることから、「やっと近所にできる」「関東で利用していたのでうれしい」といった期待感も広がっています。
関東発の人気ディスカウントスーパー「オーケー」とは
オーケーは、首都圏を中心に店舗網を拡大してきたディスカウントスーパーで、「高品質・Everyday Low Price」を掲げ、毎日が特売というスタイルで知られています。特定の「特売日」を設けず、日常的に低価格を維持することで、家計を支えるスーパーとして支持を集めています。
また、独自の「オーケークラブ会員」制度も特徴で、会員になると一部商品がさらに割引されるなど、頻繁に利用するほどお得になる仕組みが整えられています。惣菜の品ぞろえにも定評があり、「安い・惣菜が強い・ファンが多い」スーパーとして、多くの固定客を抱えています。2025年度のJCSI(日本版顧客満足度指数)調査では、スーパーマーケット業種で15年連続・顧客満足度1位を獲得するなど、その評価は非常に高い水準にあります。
関西エリアでは、2024年11月に東大阪市の「オーケー高井田店」がオープンして以来、徐々に出店が進んでおり、大阪市内では野江店(仮称)、今川店(仮称)、南津守店(仮称)と、2026年にかけて複数店舗の開業が予定されています。今回の今川店も、そうした一連の関西展開の一角を担う店舗となります。
神戸市垂水に「オーケー」神戸1号店オープン ― 開店前に300人が行列
関西での存在感を象徴する出来事として、兵庫県神戸市垂水エリアには、「オーケー」神戸1号店がオープンしました。首都圏地盤のスーパーとして知られる同社にとって、神戸市内への出店は大きな節目であり、開店当日にはオープン前から約300人が列を作ったと報じられています。これは、オーケーの知名度とブランド力、そして低価格への期待感が、関西圏の消費者にも浸透してきていることを示す出来事と言えます。
店舗が立地する垂水エリアは、住宅地としての人気が高く、ファミリー層が多い地域です。日々の食卓を支える価格・品質重視のスーパーに対するニーズが高いことも、人々が早朝から列をなして開店を待った背景にあるとみられます。惣菜や日用品を含めた幅広い品ぞろえ、そして「毎日が特売」というオーケーのスタイルは、このエリアの生活者にとって大きな魅力となりそうです。
関西5号店目は「オーケー垂水小束山店」に決定
さらに、オーケーは関西5号店目「オーケー垂水小束山店」の出店を決定しています。場所は神戸市垂水区・小束山エリアで、すでに神戸1号店を構えた垂水エリア内での追加出店となります。これにより、神戸市内でもオーケーの利用可能エリアが一気に広がることになります。
垂水小束山周辺は、大型商業施設や既存スーパーも集積する商業エリアとして発展してきた地域であり、新たなディスカウント業態の参入は、地域の買い物環境にさらなる選択肢と価格競争をもたらすと考えられます。特に、自動車利用の多い郊外型エリアであることから、広めの駐車場を備えたオーケーの店舗は、週末のまとめ買い需要などにも対応しやすいとみられます。
関西に広がる「オーケー」待望論と地域へのインパクト
もともと関東圏での人気が高いオーケーですが、関西への本格進出に伴い、「近所にも出店してほしい」という待望論が各地で聞かれるようになっています。地元情報サイトのアンケートでは、「イオンタウンあびこ駅前に何ができてほしいか」という質問に対し、「スーパーOK」という回答が寄せられるなど、関西にも熱心なオーケーファンが存在することがうかがえます。
大阪市東住吉区今川のように、すでに複数のスーパーがひしめく競争の激しいエリアであっても、オーケーの進出は地域の買い物事情を変える可能性があります。日常的な食料品・日用品の価格が下がったり、品ぞろえやサービスの質が全体として向上したりすることで、消費者にとってはメリットが大きい一方、既存のスーパーにとっては戦略の見直しを迫られる局面ともなります。
また、今川店のように関電跡地といった既存施設跡を活用した出店は、遊休地の有効活用という観点からも注目されています。地域に新たな雇用を生み出し、オープニングスタッフ募集を通じて周辺住民の働く場を提供するという点でも、一定の地域貢献が期待されています。
今後の展望 ― 大阪・神戸を軸に着実な拡大へ
現時点で、オーケーは東大阪・大阪市内・神戸市を中心に関西での出店を進めており、高井田店、野江店(仮称)、今川店(仮称)、南津守店(仮称)、そして垂水の各店舗や垂水小束山店など、短期間で店舗網が拡大しつつあります。首都圏で培った「高品質・低価格」の運営ノウハウを関西でも展開することで、同エリアのスーパーマーケット市場に新たな競争軸を持ち込む存在となりそうです。
一方で、関西には、万代・ライフ・コノミヤをはじめとする地場有力チェーンが堅固な基盤を築いており、これら既存勢力とオーケーとの価格・品ぞろえ・サービスをめぐる競争は、今後さらに激しさを増す可能性があります。消費者にとっては選択肢が増えることになり、日々の暮らしを支える「地域のスーパー」のあり方が、大阪や神戸を舞台にゆっくりと変化していくかもしれません。
大阪市東住吉今川の関電跡地で進む建設工事、神戸市垂水での1号店オープンと長蛇の列、そして関西5号店目として決まった垂水小束山店――。これらの動きは、関東発のディスカウントスーパー「オーケー」が、関西でも本格的に受け入れられ始めていることを象徴する出来事と言えるでしょう。今後も、大阪・神戸を中心にどのように店舗網を広げ、地域の買い物風景を変えていくのか、注目が集まります。



