インドの大手コワーキング企業91Springboardがムンバイとグルガオンで大規模拡張

インドの不動産企業91Springboardが、ムンバイとグルガオンで合計1ラックスクワイアフィート(約9,290平方メートル)のオフィススペースを新たにリースすることを発表しました。この拡張により、企業向けの柔軟なワークスペースへの急速な需要に対応します。

拡張の詳細について

91Springboardが新たにリースするスペースは、ムンバイとグルガオムの2つの都市に分けられます。ムンバイではヒランダニビジネスパークのライトホール(Andheri East)に約40,000スクワイアフィートのオフィススペースをリース、グルガオムではDLFワールドトレードパークに約60,000スクワイアフィートのスペースをリースすることになります。これらの新しいコワーキング施設は、来年第1四半期中には運営開始予定となっています。

今回の拡張は、91Springboardが2025年を通じて追求している積極的な成長戦略の一部です。同社は暦年2025年中にすでに50万スクワイアフィートのスペースを追加しており、本会計年度末までにさらに100万スクワイアフィートを追加する計画を立てています。

全国規模での拡大ネットワーク

91Springboardは現在、インド全国で1.64百万スクワイアフィート以上のスペースを保有し、43のコワーキングセンターを運営しています。これらの拠点は、ベンガルール、デリー、ゴア、グルガオム、ハイデラバード、ムンバイ、ノイダ、チェンナイ、プネといった主要都市に分散しており、多様なビジネスニーズに対応しています。

同社はまた、最近、6つの新しいコワーキングセンターをムンバイ、デリーNCR、プネに展開し、3,600台のデスクと17万スクワイアフィート以上のスペースを追加するという別の拡張も実施しています。この施設により、91Springboardの全国的なフットプリントは40のセンターと30,000台のデスクに拡大しており、企業や個人利用者にとって、ますます利用しやすい環境が整備されています。

柔軟なワークスペースの需要増加

この拡張は、インド全体でのコワーキングスペース需要の急速な増加を反映しています。企業はハイブリッドワークモデルの導入により、より柔軟で費用効率的なオフィス解決策を求めており、91Springboardのような企業がこの需要に応えています。

業界レポートによれば、不動産コンサルティング会社Vestianの推定では、柔軟なスペース事業者は2026年末までに1億スクワイアフィート以上を管理するようになります。これは、インド全体のオフィススペック在庫の約20%に相当する規模となります。このトレンドは、インドのオフィス市場が急速に変化していることを示唆しています。

91Springboardの戦略方針

91Springboardの最高執行責任者であるサミール・シン氏は、このような施設について「これらの新しいハブは単なるオフィススペース以上のものです。革新、協力、成長を促進するために設計された動的なエコシステムです」とコメントしています。同社は企業がインド全体でその足跡を拡大する際に、柔軟で直感的なワークスペースを提供することで、企業の成長をサポートすることに焦点を当てています。

多様なビジネスニーズに対応

91Springboardが提供する新しいスペースは、起業家からフリーランサー、中堅企業、さらには大規模企業に至るまで、幅広いユーザーに対応しています。プライベートオフィススイート、ビルトトゥスーツオフィス、管理型オフィスなど、複数のワークスペースオプションが用意されており、各企業のニーズに合わせてカスタマイズできる柔軟性が提供されています。

グルガオムとムンバイの商業的ホットスポットに位置するこれらの戦略的な場所は、成長するハイブリッドワーク労働力と、不動産戦略における敏捷性とスケーラビリティを求める企業クライアントにサービスを提供することが期待されています。

業界全体のトレンドシフト

コワーキングスペース産業は、かつてはスタートアップ中心の業界として認識されていましたが、現在ではメインストリームの職場ソリューションへと進化しています。91Springboardのような企業が提供する、コミュニティ駆動型のスペース、革新的なレイアウト、企業グレードのインフラストラクチャは、この業界の成熟度を示しています。

同社の継続的な拡張は、このセクターが起業家だけでなく、多国籍企業や中規模企業にも対応していることを明確に示しています。ハイブリッドワークの採用が増加し、企業が賃貸オフィスの柔軟性と長期コミットメントの削減を求める中、91Springboardのようなコワーキング事業者はインドの進化するオフィス環境の重要なプレーヤーとして位置づけられています。

今後の展望

91Springboardの今回の発表は、インドにおける柔軟なワークスペース業界の継続的な成長と投資の勢いを示す重要な指標となっています。企業のデジタル化推進、人材の地理的分散化、そしてコスト最適化の必要性がますます高まる中で、コワーキングスペース運営事業者はインドの不動産市場において中心的な役割を担うようになるでしょう。

参考元