人類滅亡まで「残り85秒」終末時計が過去最短を更新

人類が滅亡するまでの残り時間を象徴的に示す「終末時計」の時刻が、過去最短となる「残り85秒」に更新されました。2025年から4秒進み、核戦争や気候変動といった地球規模の脅威が急速に迫っていることを示しています。

終末時計とは何か

終末時計は、米国の学術誌『Bulletin of the Atomic Scientists(原子力科学者会報)』が1947年から発表している象徴的な時計です。人類が直面する危機がどの程度切迫しているかを、夜中12時(人類の終末)までの時間で表現しています。核戦争、気候変動、生物兵器、サイバー攻撃など、複数の脅威を総合的に評価して、毎年1月に更新されています。

2026年の更新理由:大国間の競争激化

今回の更新で指摘されている主な懸念は、ロシア、中国、アメリカなどの大国がより攻撃的、敵対的、国家主義的になっている点です。国家間の競争が加速する中で、本来は人類全体のリスク回避に欠かせない国際協力が損なわれている状況が深刻化しています。

特に注目されるのは、大国同士の緊張関係が高まり、相互不信が広がっていることです。このような状況下では、誤った判断や一方的な行動が全世界的な危機につながるリスクが格段に高まります。

過去との比較:危機の深刻さが加速

終末時計の時刻短縮は緩やかなものではありません。2025年の時点で既に「残り89秒」という過去最短に近い状態にあり、わずか1年で4秒さらに短縮されたということは、専門家たちが世界情勢の悪化を強く認識していることを意味しています。

このペースでの時計の進行は、核戦争や気候危機への対応が遅れていることを強く警告しています。各国が自国の利益を優先させ、地球規模の協調体制が機能していないという深刻な現状を反映しているのです。

核戦争と気候変動の二つの脅威

終末時計の短縮に寄与している主な要因は二つあります。一つ目は核戦争のリスクです。ロシアとウクライナの紛争や、米国と中国の対立など、核保有国同士の緊張関係が高まっています。

二つ目は気候変動です。地球温暖化による自然災害の増加や、食料・水資源の枯渇による地政学的不安定化が進行しています。これらの危機に対しては、各国が一致団結して対応する必要がありますが、現在のような自国本位の国家主義的な動きでは、有効な対策が講じられません。

自国本位主義の危険性

注目すべきは、大国が「自国本位」の政策を強化している傾向です。保護主義的な経済政策、軍事力の強化、国境の厳格化など、相互不信に基づいた行動が増加しています。このような傾向は、短期的には各国の国益を守るように見えるかもしれませんが、長期的には全人類にとって極めて危険です。

気候変動や感染症、核戦争といった脅威は、国境を越えて全世界に影響を及ぼします。一国だけの防御では対応できず、必ず国際協力が必要とされます。しかし現在、その協力体制が急速に失われつつあるのです。

私たちは何をすべきか

終末時計の更新は、単なる警告ではなく、行動への呼びかけです。政治家や指導者には国際協力の重要性の再認識が求められます。同時に、市民一人ひとりも、グローバルな視点を持ち、自国の利益だけでなく人類全体の存続を考える必要があります。

政治参加、環境問題への関心、国際理解の促進など、身近なレベルでの行動も重要です。終末時計の時刻を戻すためには、各国が対話を重ね、相互理解を深め、協調体制を再構築することが不可欠なのです。

今後の注視点

2027年の終末時計の時刻が、さらに短縮されるのか、それとも戻るのかが、世界情勢の行方を象徴することになるでしょう。それまでの間に、大国間の対話が進み、気候変動への対応が加速し、核兵器削減への動きが活性化するかどうかが鍵となります。

終末時計は、人類が直面する危機の深刻さを数字で表現した、最も重要な警告ツールです。その時刻の短縮は、私たち全員に対する真摯な警鐘なのです。

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