大学入試センター共通テスト目前 鮮明になる「私大シフト」と難関回避の受験戦略
大学入試センターが実施する大学入学共通テストが、今年も1月17日から2日間の日程で行われます。受験シーズン本番を前に、2026年度入試では「難関国立大を避けて私立大学を志望する動き」が一段とはっきりしてきました。また、東京大学や京都大学といった最難関校の志望者減少も話題となっており、入試の構図が静かに変わりつつあります。
この記事では、最新の志願者データや大手予備校の分析をもとに、2026年度入試の全体像と、「大学入試センター共通テスト」を軸にした受験生の志望動向、そして愛媛大学・松山大学など地方大学の人気学部の様子まで、やさしく解説していきます。
共通テスト志願者は約49.6万人 人数はほぼ横ばい
大学入試センターが公表したデータによると、2026年度大学入学共通テストの確定志願者数は49万6,237人で、前年より1,066人の増加となりました。全体としては、前年(49万5,171人)とほぼ同規模で、「大きな増減はない」という落ち着いた数字です。
一方で、中身を詳しく見ると変化も見えてきます。現役生の志願者数は42万311人で、前年から5,657人減少しました。18歳人口はほぼ前年並みと見込まれているにもかかわらず、共通テストを受験する現役生は減っているのが特徴です。
背景には、
- 総合型選抜・学校推薦型選抜など「年内入試」へのシフト
- 一般選抜でも、共通テストを課さず大学独自試験のみで合否を決める方式の増加
地方の志願者減少と「共通テスト離れ」
志願者総数は横ばいですが、都道府県別に見ると地方の厳しさが浮き彫りになっています。2026年度共通テストの受験地別志願者数では、5県で志願者が3,000人を割り込み、18県で5,000人を下回る状況となりました。地方国公立大学は受験者数の面で縮小が避けられないとの指摘も出ています。
また、共通テストが始まった2021年度の志願者数は53.5万人でしたが、2026年度は49.6万人と減少しており、ここ数年で「共通テスト離れ」が進行していることもわかります。これは、単に少子化の影響だけでなく、私立大学の個別試験や推薦・総合型選抜を優先する受験生が増えていることとも関係していると考えられます。
既卒生は大幅増加 難関大志望層が厚くなる可能性も
一方で、共通テストを受ける既卒生の数は増加に転じています。ある分析によると、2026年度共通テストにおける既卒者は前年比109.8%と大きく増え、人数にして6,000人以上の増加となりました。
これまで既卒生は減少傾向が続いていましたが、ここに来て増加に転じたことから、
- 前年までの入試で難関大に届かなかった層が「再チャレンジ」を選んでいる
- コロナ禍後の学習環境変化や経済状況のなかで、「浪人してでも行きたい大学」を目指す動きが一定数ある
といった構図がうかがえます。その結果、難関大学では現役生の志願者がやや減ったとしても、既卒生を含めた実質競争はむしろ厳しくなる可能性が指摘されています。
鮮明になる「私大シフト」 難関国立大を避ける動き
2026年度入試で特徴的なのは、難関国立大学を敬遠し、私立大学に志望を切り替える「私大シフト」が一層強まっている点です。大都市圏の私立大学人気は根強く、難関〜準難関クラスの私立大では、前年に続いて志願者増や高倍率が続くと見られています。
大手予備校の分析では、
- 共通テストの難化が予想されるため、受験生はやや慎重な出願になっている
- 難関国立大へのチャレンジを避け、安全圏〜やや背伸び程度の私立大へ出願をシフトする傾向がある
- 大都市圏志向が依然として強く、地方から首都圏や関西圏への「流入」が続いている
家計の不安から、授業料の安い国公立大学志向は「基本的には根強い」とされる一方で、入試方式の多様化や、共通テストへの不安・負担感が、私立大学への志願に拍車をかけているとみられます。
東大志望者92%、京大95% 最難関を避ける2026年受験生
産経新聞の模試分析によると、2026年度入試では、東京大学志望者が前年の約92%、京都大学志望者が約95%となり、いずれも前年を下回る結果が示されています(模試データに基づく分析)。
数字自体は大きな落ち込みではないものの、「最難関をあえて狙わない」受験生の慎重姿勢がにじみ出ていると報じられています。共通テストの難化や、2段階選抜の厳格化などが、チャレンジ受験をためらわせているという見方もあります。
また、難関国立大の中には、合格者を絞り込む方針を強めているところもあり、「出願したものの届かなかった」というリスクを避けるために、ワンランク下げた大学や、難関私大に軸足を移すケースが増えていると分析されています。
2026年度入試の全体傾向 「初志貫徹」だが慎重出願
旺文社や大手予備校の予測・分析を総合すると、2026年度一般選抜の大きな流れは次のように整理できます。
- 受験生数(4・6年制大学志願者)は前年より増加傾向にある
- 共通テスト志願者数はほぼ前年並みで横ばい
- 現役生は「初志貫徹」が基本だが、出願そのものはより慎重に
- 共通テストの難化予想があり、安全志向がやや強まる
- 公立大学人気は2025年度に高まった反動でやや落ち着く見込み
- 一方で国公立志向自体は「変わらない」か「やや強まる」と見る進路指導の先生も多い
共通テストをめぐる環境は、
- Web出願の導入で高校側の関与が弱まり、個々の判断での出願が増える
- 女子枠導入や推薦・総合型選抜の拡大など、多様な入口の整備
といった制度面の変化も重なり、受験生一人ひとりの戦略が、より分かれやすくなっているのも特徴です。
共通テスト当日の分析・平均点予想も 河合塾など予備校が支援
共通テスト当日は、河合塾など大手予備校が、問題の傾向や難易度、科目ごとの平均点予想をリアルタイムで公開する予定です。受験生の自己採点結果や志望校データを集約し、
- 各大学の合格可能性判定
- ボーダーラインの動き
- 出願の「押さえ」「本命」「チャレンジ」の組み立て方
共通テストの結果を受けてから出願先を決める受験生にとって、これらのデータは心強い判断材料になります。とくに今年のように、私大シフトや難関国立大回避の空気がある中で、「どこまでチャレンジするか」「どこで安全策を取るか」を見極めるうえで、予備校の分析に注目が集まりそうです。
【地域別】愛媛大学・松山大学の志望動向と人気学部
地方大学の志望動向として、愛媛県内の代表的な大学である愛媛大学と松山大学についても、河合塾が受験者データをもとに詳細な分析を行っています。
大学ごとの具体的な数字や学部別の細かな増減は分析資料に譲りますが、「地方からの流出」と「地元志向」がせめぎ合う中で、両大学ともそれぞれの特色を生かした学部が高い人気を維持していると報告されています。
一般的に、
- 国立の愛媛大学では、教育、工学、農学、医学系など、地域の産業や医療を支える実学系学部が、安定した志願者を集める傾向
- 私立の松山大学では、経済・経営・人文社会系を中心に、地元企業とのつながりや就職力を強みにした学部が支持を広げている傾向
などが指摘されています。
少子化と大都市圏への流出が進むなか、地方大学にとっては、
- 地元高校生にどうアピールするか
- 他地域からの受験生をどれだけ呼び込めるか
が重要な課題となっています。共通テスト志願者数の県別データで地方の減少が目立つだけに、愛媛大学や松山大学のように「地域とともにある大学」の動向は、今後の地域社会にも大きな影響を与えそうです。
受験生に求められる「情報の見極め」と「自分軸」
2026年度入試をめぐる大学入試センター共通テストの状況を見てみると、
- 志願者総数はほぼ横ばい
- 現役生はやや共通テスト離れ
- 私大シフトと難関国立大回避が鮮明
- 一方で既卒生は増加し、難関層の競争は依然として厳しい
という、複雑な構図が浮かび上がります。
こうしたなかで受験生にとって大切なのは、
- 予備校や大学入試センターが公表する数字や分析を「鵜呑み」にせず、自分の学力や志望、将来像と照らし合わせて考えること
- 共通テストの点数だけに一喜一憂せず、個別試験や年内入試など、自分に合ったルートを冷静に見極めること
です。
大学入試センター共通テストは、たしかに大きな節目ですが、受験はまだその途中段階にすぎません。情報が多い時代だからこそ、自分なりの「軸」を持ちながら、最後まで粘り強く取り組んでいくことが、合格へのいちばんの近道になるはずです。



