2025年最新版:MEI(Microempreendedor Individual)徹底ガイド – 新ルール・注意点と今後をやさしく解説
MEI(Microempreendedor Individual / 個人零細起業家)は、ブラジル独自の小規模起業家向け制度です。2025年現在、約1,570万ものCNPJ(法人番号)がMEIとして登録され、これにより多くの自営業者や小規模ビジネスが合法的な事業活動と社会保障制度の恩恵を受けています。本記事では、2025年に注目すべきMEIの新ルール、義務、そして限度額超過時の対応などを、分かりやすくまとめました。MEIとしてスムーズに事業を続けるために大切なポイントを丁寧に解説します。
MEIとは?ブラジル独自の小規模事業制度
MEIは、2008年に制定された個人起業家のための特別カテゴリーです。個人事業主や小規模ビジネスが合法的にビジネスを行い、社会保障(INSS)や簡易税制、事務負担の軽減などを活用できるように設計されています。
- 年間売上( faturamento )は最大81,000レアル(約240万円)まで
- 従業員は最大1名まで雇用可能
- 他会社の出資者・役員でないことが条件
- 毎月の統合税(DAS)を支払い、社会保障・税金・地方税も一括納付
このようにMEIは、零細事業の健全な育成と社会的保護を両立させる仕組みです。屋台、理容、配達、職人、IT、デザイン、販売など幅広い職種が対象で、起業の初期ステップとして活用されています。
2025年、MEIに適用される主な新ルール・変更点
- 毎月のDAS支払額の改定
- 売上上限(81,000レアル)が維持、内容に注意
- 電子請求書(NF-e・NFC-e)の記載項目義務が強化
- 税コード(CRT)明記のルール追加
- 未納や限度額超過時の対応手順の明文化
- 申告とデータ更新義務の注意喚起
2025年は大幅な制度改定こそないものの、法令遵守や納税義務の強化、請求書の新記載ルールの義務化等、運営の上で注意が必要な点が増えました。
2025年版:MEIの毎月支払い額(DAS)と計算方法
- INSS(社会保障):75.90レアル(最低賃金1,518レアルの5%)
- サービス分のISS:5レアル(該当者のみ)
- 物品流通分のICMS:1レアル(該当者のみ)
- トラック運転者MEI:INSSは182.16レアル(最低賃金の12%)
全体で最低75.90レアル~最大約81.90レアルが標準額となります。
取り扱い商品やサービスによって、ICMSやISSが加算されます。
今年からの請求書発行・制度上の義務(特に要注意ポイント)
2025年4月からは、電子請求書(NF-eやNFC-e)には「CRTコード4」=MEI用の税区分を必ず明記しなければなりません。これを怠ると税務署・自治体からペナルティを受ける可能性があります。電子請求書を利用している人は、対応ソフトやサービスのアップデート対応も必須です。
- 自社の納税区分=「Simples Nacional – Microempreendedor Individual – MEI」(コード4)を入力
- 手動発行や一部ソフト利用者は特に要確認
MEIの売上上限(81,000レアル)を超えた場合はどうなる?
MEIの年間売上上限は81,000レアルです。この上限を超えると自動的に「ME(小規模企業)」へ移行対象となり、煩雑な追加手続きや追徴課税、過去の再計算が必要となるリスクがあります。
「一度だけ若干超過」の場合と「大幅超過」では対応が異なるので、以下の点に要注意です。
- 20%以内の超過:翌年から「Simples Nacional(簡易税制)」のME(小企業)へ自動切替。ただし超過分に追加納税義務が発生。
- 20%以上の超過:即時ME(小企業)へ強制移行。遡って超過分や、過去の定められた全税率で再課税処理されます。
- 移行時は追加の会計・税務処理、登録変更、社会保障種別の変更も必須。
意図せず超えそうな場合は、年末前にしっかり売上計画を立てて調整しましょう。売上管理を怠ると、罰金・追加税・制度からの除外など深刻な事態を招くため、いつ・いくらまで稼げるかを常に把握しておきましょう。
2025年に必要な主な手続き・届出(カレンダーもチェック!)
- 毎月のDAS(統合徴収税)支払い:忘れず継続的に。
- DASN-SIMEI(年間所得申告):毎年1月〜5月に前年分を必ずオンライン提出。
- 事業内容の変更・住所変更届:内容に変更がある場合速やかに登録内容を更新。
- 納税状況や義務超過時には税務署・自治体からの通知・罰則が発生。
- 滞納や不履行が続いた場合、CNPJ(法人番号)の無効化・除名措置を受けることも。
2025年も大きなカレンダーの変更はありませんが、月末のDAS納付や春先の年間申告など、期日を守ることが何より大切です。
2025年 大注目:重要コミュニケーション・注意喚起事項
2025年10月11日付けでブラジル当局からMEIに直接関連する重要アナウンスが発表されました。特に
- 納付額算定方法やDAS明細の自動調整
- 電子請求書の新フォーマット完全義務化
- Webシステムの税率・控除額自動更新
これにより、MEIとしての納付や申告がよりシステム化され、手動計算ミスや届出遅れの発生防止が進みました。けれども、「すべて自動だから」と油断せず、DAS生成画面やシステム通知をこまめに確認することが重要です。
よくある疑問と答え(FAQ) – 2025年版MEI
- Q:今年から新しくMEIになりたい。手続きは?
公式サイトからオンライン登録が可能。
必要事項入力後、CNPJ発番・納税登録が完了すれば即事業開始OKです。 - Q:今何をすればいいの?
事業開始時はMEI登録、毎月のDAS納付、毎年の所得申告。加えて、売上上限・納税義務・電子請求書の新ルールを確認しましょう。
- Q:資格喪失や制度変更時は?
売上超過や要件不適合時は、期日までに申請・異動手続きを。遅れるとペナルティや過去の遡及課税が発生します。
- Q:DASはどうやって払う?
専用オンライン(PGMEI)やATM、インターネットバンキングで支払い可能。今後はアプリ経由の支払いも拡張予定。
2025年MEIのまとめ – 失敗しないためのコツ
- 制度・義務・改定点を必ず公式情報で定期確認
- 日々の売上・支出管理の徹底で年度末の「上限超え」を防ぐ
- DAS支払・年間申告など、期日は手帳等ですぐ分かるようにする
- 疑問やトラブル発生時は公式ポータルやSebrae(支援機関)に相談
- 社会保障や融資・財務管理もMEI特典として最大限活用を
MEIは、誰でも「最小限の手間と納税で、小さなビジネスを大きな安心・制度的バックアップのもと合法的に行える」仕組みです。2025年もルールの正確な把握と誤りない運用が重要です。これからMEIを始めたい方はもちろん、既存のMEI登録者も、制度の最新情報と変更に引き続きご注意ください。