2025年7月24日 日本株市況レポート
日経平均が史上最高値に迫る展開
2025年7月24日、東京株式市場は終日堅調な値動きとなりました。注目の日経平均株価は41,826円(終値)と、過去最高値(アジア通貨危機直前の1989年の円高株安前最高値)に肉薄する展開となっています。このまま上昇トレンドが続けば、史上最高値を超える可能性も現実味を帯びてきています。
全体的なマーケット気分としては、米国株高と日本企業の好業績期待がプラスに働いています。特に情報通信株や電機株が買われ、投資家のリスク選好姿勢が強まっているのが特徴です。
主力株よりも材料株が好調
7月25日の株式相場に向けて、市場関係者の間では「主力株(メガバンクや大手自動車など)よりも、個別の材料に反応する銘柄(材料株)に勝機あり」との声が聞かれます。確かに市況が拡大する局面では、大手優良株がけん引する傾向も見られますが、今回は日経平均最高値更新期待や個別の業界ニュースに反応した銘柄が活発に売買されています。
たとえば、AI関連やデータセンター向け需要が急増している電機株(三菱電機、日立製作所など)が注目を集め、積極的に買われている状況です。電力需要の拡大や省エネ投資が進む中、変電機器関連株にも大きな関心が集まっていることが背景にあります。
ソフトバンクグループ(SBG)の株価動向
このような市場環境の中で、ソフトバンクグループ(9984)の株価も上値を追う展開が続いています。7月24日の取引では、始値12,150円、高値12,410円、安値12,095円、終値は12,150円と前日比+170円(+1.40%)と堅調な値動きとなりました。
アナリストによる評価も高く、現時点(7月25日付)で「買い」推奨が主流となっています。プロの証券アナリスト17人のうち、強気買い10人、買い2人、中立5人。平均目標株価は10,876円と、現値(12,150円)を下回る水準ですが、長期的な成長期待から「買い」判断が目立っています。
SBGの業績面では、2025年3月期決算が大きく改善したのが追い風です。売上高が前年比7.2%増の7兆2,438億円、税引前利益は1兆7,047億円、親会社所有者に帰属する純利益は1兆1,533億円と黒字転換を果たしました。主要な投資先(スタートアップやテクノロジー系上場企業)の株価上昇が、同グループの業績回復に大きく寄与しています。
自己資本比率も大幅改善、投資戦略の見直しも進行中
ソフトバンクグループの自己資本比率は25.7%にまで改善し、財務体質の強化が進んでいる点も評価されています。過度なリスクを避けつつ、成長テーマへの投資を継続する姿勢が、株主や市場参加者から支持されています。
今後の見通しとしては、AIや半導体、再生可能エネルギーといった成長分野への積極的な投資が続くと考えられます。また、グループ傘下の通信事業やフィンテック事業の安定成長も期待されており、当面は上昇トレンドが続くとの見方が多勢を占めています。
データセンター需要拡大と電力インフラ関連株の注目高まる
今回の株式相場で特徴的なのは、AI社会の進展に伴うデータセンター需要急増への期待です。三菱電機や日立製作所などの電機株は、変電機器や省エネ機器の需要拡大を背景に、機関投資家や個人投資家双方から積極的な買いが入っています。
電力インフラ関連株は、これまで地味な存在でしたが、デジタル化の進展やグリーン経済への転換が大きな追い風となっています。今後も半導体やAI関連投資の拡大とともに、電力インフラ関連銘柄が注目され続ける可能性が高いでしょう。
今後の投資戦略 ~主力株より材料株、個別成長株が鍵~
今後も日経平均が史上最高値突破を目指す展開が予想される中、「主力株よりも材料株で勝機をつかむ」という市場セオリーが再確認されています。市場全体の上昇トレンドが続くかどうかは米国株や為替動向にも左右されますが、個別の材料や業績予想に敏感に反応する銘柄が引き続き活発に取り引きされる見通しです。
投資家の皆さんは、日経平均の動きだけにとらわれず、各業界・企業ごとの成長性や収益力、市場の大きな流れ(グリーン投資やAI・データ革命など)にも注目しながら、ポートフォリオの見直しを進めることをおすすめします。
まとめ
2025年7月24日の日本株式市場では、日経平均が史上最高値に迫る展開となり、投資家心理は上向きです。主力株よりも材料株が目立つ動きとなり、AIやデータセンター需要の拡大を背景に電力インフラ関連株が大きく買われています。
ソフトバンクグループ(9984)は、投資の好調と通信・テック事業の安定成長が評価され、株価が堅調な値動きを続けています。業績回復と財務体質の強化が進む同社は、今後も成長期待の高い銘柄として投資家の注目を集めそうです。
今後も市況の拡大や個別成長株の動きに注視し、バランスの良い投資を心掛けたいところです。