楽天銀行、基幹システムの可観測性向上に成功

楽天銀行は、銀行業務の心臓部ともいえる基幹システムの安定稼働を支えるため、オブザーバビリティ(可観測性)プラットフォームであるNew Relicを2022年から導入し、その効果が高まっていることを2025年7月に公表しました。

基幹システムの可観測性とは、システムの稼働状況や異常、パフォーマンスの問題点などをリアルタイムかつ詳細に把握できる状態を意味し、障害の早期発見や迅速な対処を可能にします。New Relicは、業界で高いシェアを持ち、アプリケーションやインフラ、ユーザー体験など多角的に観測する機能を備えています。

楽天銀行がNew Relicを選んだ理由と導入背景

  • 楽天銀行は、ユーザー口座数が2025年5月時点で1,700万口座を突破し、過去5年間で約2倍の成長を遂げています。
  • 預金残高も11兆円を超え、膨大なトランザクションを支えるシステムの安定性がさらに求められています。
  • 以前の基幹システムから、コンテナプラットフォームである「Red Hat OpenShift」上に新たなシステム基盤を構築。これに伴い、New Relicによる詳細な観測で、より確実なサービス安定化を実現しました。
  • New Relicは使い勝手の良さと高いセキュリティ要件のクリアが採用の決め手となりました。

New Relic導入後の効果と現場の体制

New Relicの導入により、開発・基盤・運用の各担当者が観測データを共有し、システムのトラブル発生時には協力して原因の特定と対処を行える体制が整備されました。

これにより、銀行の重要インフラとして「止められない基幹システム」の稼働率と可用性の向上に成功しています。楽天銀行はこの成功をもって、より充実したオンライン金融サービスを安定して提供できる基盤を確立しています。

BIPROGYもツルハホールディングスにNew Relicを提供し稼働開始

同じく2025年7月、IT企業のBIPROGYは、ドラッグストア大手のツルハホールディングスに対して、クラウド型オブザーバビリティプラットフォーム「New Relic」を提供し、運用を始めたことが発表されました。

今回の事例は、流通・小売業界におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)推進の一環とみられ、New Relicの適用範囲が金融業界だけでなく多様な業種に拡大していることを示しています。

楽天銀行の動向と相場分析:「ボリュームアップで、相場陽転のシグナル」

楽天銀行の株価や市場動向に関連して、金融専門のアドバイザー集団「ウエルスアドバイザー」が公開した分析記事「サイコロで読む」では、最近の楽天銀行の出来高増加(ボリュームアップ)が相場の陽転シグナルと読み解けるとの見解が示されました。

この分析は、株式取引における出来高の増加が投資家の買意欲の強まりや相場の好転を示すことが多いというテクニカル指標に基づいています。楽天銀行の成長戦略や基幹システム強化の発表などが背景にあり、投資家の注目度が高まっていると言えます。

楽天銀行、今後の展望と企業価値向上への貢献

楽天銀行はデジタル銀行として、ますます拡大を続ける楽天経済圏の重要な一角を担っています。口座数や預金残高の増加に伴い、基幹システムの品質維持は不可欠です。New Relicの導入はその基盤強化の成功例となっており、他業界におけるNew Relicの採用例と併せて示されることで、オブザーバビリティプラットフォームの有効性が広く認知されつつあります。

今後も楽天銀行は安定したサービス提供を通じて、安心して利用できるデジタル金融サービスを追求していくでしょう。

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