参政党・神谷宗幣代表がスパイ防止法案の提出に意欲

2025年7月22日、参政党の神谷宗幣代表は東京都内での記者会見において、今秋の臨時国会で「スパイ防止法案」の提出を目指して準備を進めていることを明らかにしました。

この法案は、参政党が参議院選挙の公約として掲げてきた「日本版スパイ防止法」の制定を具体化するものです。神谷代表は同法案について「日本に無かった法整備を行うことで情報セキュリティを強化し、経済安全保障や情報漏洩対策を図る」と説明しています。

スパイ防止法案の背景と狙い

日本では過去に1985年に自民党が「国家秘密法案(スパイ防止法案)」を提出しましたが、国家秘密の範囲が曖昧で報道の自由や国民の知る権利を脅かす恐れがあるとして1986年に廃案となっています。

今回の参政党の法案は、そうした過去の問題点に注意を払いながらも、外国勢力による日本の安全保障侵害や情報漏えいを防ぐ実効性のある体制づくりを目指すものです。神谷代表は「日本のセキュリティーレベルは他国に比べて遅れている」と指摘し、同盟国との情報共有強化にもつながる重要な施策と位置づけています。

公務員の思想調査発言も波紋に

同会見で神谷代表は、「極端な思想を持つ公務員を洗い出して辞めさせる」との趣旨の発言も行いました。これは、国家機密管理の観点から、中立でない思想や活動が情報漏洩リスクにつながるため、適切な人事管理を行うべきとの考えによるものです。

この発言は報道の自由や人権の視点から懸念の声もあるものの、防衛上のセキュリティ強化を支持する層からは一定の理解も得ています。

コロナ対策法案も同時に準備中

神谷代表は、「今準備しているものはコロナ対策とスパイ防止法の二つ」と述べ、新型コロナウイルス対策についても法的整備を進める意欲を示しました。具体的には、ワクチン接種推進策の見直しを含む法案提出を検討しているとのことです。

参政党の政治目標と今後の展望

参政党は7月20日に行われた参議院選挙で14議席を獲得し、法案提出に必要な単独提出ライン(11議席以上)を初めて超えました。神谷代表は次の衆議院選挙に向けて「40議席を目指す」と高い目標を掲げています。

議席拡大によって、同党は日本の安全保障政策の方向性に大きな影響力を持つことを目指しており、今回のスパイ防止法案もその象徴的な取り組みとなる見込みです。

まとめ

  • 参政党の神谷宗幣代表が秋の臨時国会に「スパイ防止法案」の提出を準備中。
  • 過去の国家秘密法案の問題を踏まえつつ、情報漏洩防止と国の安全保障強化が目的。
  • 公務員の思想調査に関する発言は議論を呼んでいる。
  • コロナ対策法案の提出も同時に検討中。
  • 参政党は参議院14議席を獲得し、次回衆院選で40議席獲得を目指す。

日本の情報安全保障の強化を目指す参政党の動きは今後の国会審議の重要な焦点となりそうです。

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