親子パンダが走る特急「くろしお」ラッピング列車が引退へ 今月末で運行終了
和歌山方面への旅行や通勤・通学の足として親しまれてきたJR西日本の特急「くろしお」。その中でもひときわ人気を集めてきたラッピング列車、親子パンダのデザインで知られる「パンダくろしお『サステナブル Smile トレイン』」が、今月末ごろをもって運行を終了することになりました。
アドベンチャーワールドとのコラボレーションから生まれたこの列車は、パンダファンだけでなく、多くの鉄道ファンや観光客の心をつかんできました。この記事では、「パンダくろしお」のこれまでの歩みと、今後の運行状況について、わかりやすくご紹介します。
「パンダくろしお」とは? 特急くろしおを彩る人気ラッピング列車
「パンダくろしお」は、JR西日本が運行する特急「くろしお」(主に新大阪〜白浜・紀伊田辺・新宮間)を彩るラッピング列車です。
和歌山県白浜町のテーマパーク「アドベンチャーワールド」とのコラボレーションにより誕生し、先頭車両がまるでパンダの顔のようにデザインされていることで有名です。沿線を走る姿は大きな話題となり、沿線の子どもたちや観光客がカメラを向ける姿も日常の光景になりました。
現在、「パンダくろしお」はデザインの異なる3編成が存在し、それぞれにテーマがあります。
- パンダくろしお「Smile アドベンチャートレイン」
- パンダくろしお「Utopia Smile トレイン」
- パンダくろしお「サステナブル Smile トレイン」(親子パンダデザイン)
このうち、今回運行終了が発表されたのが、親子のパンダが描かれた「サステナブル Smile トレイン」です。
親子パンダの「サステナブル Smile トレイン」とは
「パンダくろしお『サステナブル Smile トレイン』」は、2020年7月23日に運行を開始したラッピング列車です。
和歌山県のアドベンチャーワールドとJR西日本が共同で開発し、SDGs(持続可能な開発目標)をテーマにしたデザインが特徴となっています。
車体側面には、親子のパンダをはじめ、さまざまな動物や人々が描かれ、「多様性」や「共生」、「持続可能な未来」が表現されています。パンダの親子が寄り添う姿は、「次世代へ豊かな地球をつなぐ」というメッセージも込められており、子どもから大人まで幅広い世代に愛されてきました。
当初の発表では、運行期間は「2023年冬ごろまで(予定)」とされていましたが、その後も運行が続けられ、多くの利用者に親しまれてきました。それだけに、今回の引退の知らせには、名残惜しさを感じる声も少なくありません。
2026年5月末ごろで運行終了 理由は「車両のメンテナンス」
運行終了については、アドベンチャーワールドおよびJR西日本の案内で明らかにされています。
ラッピング列車として活躍してきた「サステナブル Smile トレイン」は、車両のメンテナンスに伴い、2026年5月末ごろをもって運行を終了します。
これは、車両そのものの老朽化や検査スケジュール、運用計画などを踏まえた判断とみられます。特急「くろしお」としての役割を長年果たしてきた車両にとって、大規模なメンテナンスや運用見直しは避けて通れません。
ラッピングをはがしたうえで通常塗装の車両として使われるのか、別の形になるのかといった詳細は公表されていませんが、少なくとも現在の親子パンダデザインでの運行は、今月末で見納めとなります。
「パンダくろしお」は終わらない 2編成は引き続き運行継続
親子パンダの「サステナブル Smile トレイン」は引退しますが、「パンダくろしお」そのものがすべて終了するわけではありません。
アドベンチャーワールドとJR西日本の案内によると、
- Smile アドベンチャートレイン
- Utopia Smile トレイン
の2編成については、引き続き運行が継続されます。
つまり、今後も特急「くろしお」には、パンダ顔の先頭車両を持つラッピング列車が走り続けます。「パンダくろしおに乗りたい」と楽しみにしている子どもたちや観光客にとっては、大きな安心材料と言えるでしょう。
ただし、どの列車がどの日に走るかは、車両運用の都合によって変わります。JR西日本の公式サイト「JRおでかけネット」などで、「パンダくろしお」運行予定が随時案内されているため、乗車を検討している場合は、事前に最新情報を確認するのがおすすめです。
沿線と観光への貢献 「くろしお」とアドベンチャーワールドの関係
特急「くろしお」は、新大阪・天王寺・日根野など大阪方面と、和歌山・白浜・紀伊田辺・新宮など紀勢本線沿線を結ぶ重要な特急列車です。とくに白浜は、温泉地としての人気に加え、アドベンチャーワールドの最寄り駅としても知られています。
アドベンチャーワールドは、ジャイアントパンダの飼育・繁殖で世界的にも注目される施設であり、パンダをテーマにした「パンダくろしお」は、観光PRと地域活性化の役割を大きく担ってきました。
車内外でパンダや動物たちの世界観を表現することで、乗車そのものが「旅の一部」となり、子ども連れの家族旅行などに彩りを添えてきました。
親子パンダの「サステナブル Smile トレイン」は、そうした取り組みの中でも、「サステナブル」をキーワードに、自然や環境、未来の世代へのメッセージを乗せて走り続けてきた列車です。その役目を終えることは、一つの節目と言えるでしょう。
「今のうちに乗りたい」利用者の声と、これからの楽しみ方
運行終了が発表されてから、インターネット上では、
- 「子どもが大好きな列車なので、もう一度乗せてあげたい」
- 「写真を撮りに行きたいけれど、日程とダイヤを確認しなければ」
- 「親子パンダのラッピングが一番好きだったので寂しい」
など、さまざまな声があがっています。
今月末までの残りわずかな期間、乗車や撮影を予定する場合は、
- JR西日本の公式サイトで「パンダくろしお」の運行予定を確認する
- 運用変更の可能性もあるため、あくまで予定であることを踏まえる
- 沿線で撮影する際は、私有地や線路敷地内への立ち入りをしないなどマナーを守る
といった点に注意する必要があります。
一方で、運行が継続される2編成の「パンダくろしお」も、引き続きパンダとの旅を楽しませてくれます。親子パンダ編成とはデザインや雰囲気が異なるため、「乗り比べ」「撮り比べ」を楽しむのもおすすめです。
ラッピング列車が果たしてきた役割と、これから
ラッピング列車は、単なる移動手段にとどまらず、
- 地域や観光地の魅力をアピールする広告塔
- 乗客に特別な体験を提供する存在
- 企業や自治体がメッセージを発信する場
としての役割を担ってきました。「パンダくろしお『サステナブル Smile トレイン』」も、SDGsをテーマにしたデザインなどを通じて、乗る人に自然や地球環境、未来の世代について考えるきっかけを与えてきたと言えます。
今回、親子パンダ編成は引退しますが、パンダをテーマにした2編成は引き続き走り続けます。今後も、JR西日本とアドベンチャーワールドをはじめとする地域のパートナーが、どのような形で「くろしお」や沿線の魅力を発信していくのか、注目が集まりそうです。
まとめ:親子パンダ編成は引退、でも「くろしお」のパンダの物語は続く
今回のニュースのポイントをあらためて整理すると、次の通りです。
- 親子パンダデザインの「パンダくろしお『サステナブル Smile トレイン』」は、2026年5月末ごろに運行終了
- 運行終了の理由は「車両のメンテナンスに伴うもの」とされています
- Smile アドベンチャートレインとUtopia Smile トレインの2編成は、引き続き運行が継続されます
- 特急「くろしお」とアドベンチャーワールドのコラボは、今後も続きます
親子パンダの「サステナブル Smile トレイン」は、デビューから約6年にわたって、多くの人々に笑顔と旅の思い出を届けてきました。
乗った人にとっては、パンダの顔をした先頭車両を見上げたときのワクワクした気持ちや、車窓から見えた海と山の風景、車内で過ごした時間が、一生の記憶として残ることでしょう。
今月末で一区切りを迎える親子パンダ編成の活躍を振り返りながら、これからも走り続ける「パンダくろしお」とともに、和歌山や紀伊半島への旅を楽しんでみてはいかがでしょうか。




