「走る工芸品」が都電に登場 水戸岡鋭治デザインの新車両&貸切ツアーが話題に

東京のまちをゆっくりと走る「都電荒川線(東京さくらトラム)」に、いま大きな注目が集まっています。
きっかけは、鉄道デザインの第一人者・水戸岡鋭治(みとおか えいじ)さんが手がけた新しいデザインの車両が登場したこと、そしてその車両にじっくり触れられる特別な貸切ツアーやテレビ番組の放送です。

山吹色の車体に唐草模様、木のぬくもりあふれる車内——。
「これが本当に都電?」と驚きの声も上がる、この“走る工芸品”のような車両は、普段から都電を利用する人だけでなく、鉄道ファンやデザインに関心のある人たちの話題を集めています。

水戸岡鋭治とは? 数々の名列車を生み出した鉄道デザイナー

水戸岡鋭治さんは、JR九州の「ななつ星 in 九州」や、特急「ゆふいんの森」など、数多くの人気列車を手がけてきたデザイナーです。
車両の外観だけでなく、座席や照明、床や天井の素材に至るまでトータルにデザインするスタイルで知られ、鉄道の世界に「乗ることそのものが楽しい時間」という価値観を広めてきました。

今回話題になっている都電荒川線の車両も、そうした水戸岡さんの思想が色濃く表れた一台です。
「ただの移動手段」ではなく、「乗っている時間そのものが心地よく、思い出になる空間」を目指してデザインされています。

山吹色×唐草模様の都電 「これ本当に都電?」と言いたくなる外観

東京都交通局は、都電荒川線で30年以上活躍してきた8500形車両のリニューアルを進めており、その一編成を水戸岡鋭治さんがデザインしました。
ニュースや番組などで公開されたこの車両は、まず外観からして目を引きます。

  • 車体カラー:一昔前の都電を思わせる山吹色をベースに採用
  • 模様:日本的な雰囲気の唐草模様をあしらい、レトロさと上品さを両立
  • 全体の印象:どこか懐かしいのに、現代的で洗練されたデザイン

まさに「伝統とモダンの融合」といえる外観で、街中を走っているだけで景色の一部として絵になるような雰囲気があります。
沿線でふとこの車両を見かけた人は、思わず写真を撮りたくなるかもしれません。

車内は“走る工芸品” 木のぬくもりあふれるあたたかな空間

「これが都電…!? まるで『走る工芸品』」と言われる理由は、車内に足を踏み入れるとさらに納得できます。
リニューアルされた車内は、従来の通勤用車両のイメージを大きく変えるものになっています。

  • 木材を多用した内装:床、壁、腰掛け部分などに木の素材を取り入れ、ぬくもりを演出
  • 落ち着いた色合いの座席:派手さを抑えた色使いで、ゆったりとくつろげる印象
  • 細部の意匠:手すりや仕切り部分にもこだわりを感じさせるデザイン

一般的な路面電車というと、「必要なものがコンパクトに収まった実用本位の車両」というイメージが強いかもしれませんが、この水戸岡デザインの8500形は、それを良い意味で裏切ってくれます。
まさに、小さなギャラリーやカフェのような感覚で乗れる、「走る工芸品」と呼びたくなる空間です。

BS日テレ「友近・礼二の妄想トレイン」で貸切乗車SPが放送

こうした新デザインの都電が広く注目されるきっかけとなったのが、BS日テレの人気番組「友近・礼二の妄想トレイン」です。
2026年5月12日(火)放送回(#209)では、「水戸岡鋭治×伊藤壮吾 水戸岡デザイン都電車両 貸切乗車SP」と題し、この車両にスポットを当てた企画が放送されました。

番組には、ゲストとしてデザイナー本人の水戸岡鋭治さんと、鉄道への深い愛情で知られる俳優・伊藤壮吾さんが出演。
水戸岡さんがデザインした都電車両を、番組ならではの貸切という形でじっくり紹介しました。

実際に車内を歩きながら、細部のこだわりに触れたり、デザインに込められた思いやコンセプトに耳を傾けたりと、視聴者にとっても「乗ってみたい!」という気持ちを高める内容となっています。
番組は見逃し配信サービスTVerなどでも配信され、放送後もSNSを中心に話題が広がっています。

「乗客の目にはどう映る?」——走る日常の中の非日常

ニュースでは、「これが都電…!? まるで『走る工芸品』の特別車両がデビュー “水戸岡デザイン”乗客にはどう映る?」という切り口で、この車両に乗った人たちの反応にも注目しています。

普段から都電を利用している人にとっては、いつもの通勤・買い物ルートの中に突然現れた特別な空間。
木の香りや柔らかな照明、山吹色の外観は、日常の移動時間を少しだけ「特別な時間」に変えてくれます。

  • 沿線に住む人にとっては「自分たちの街を走る誇れる電車」に
  • 観光客にとっては「東京の新たな見どころのひとつ」に
  • 鉄道ファンにとっては「写真に収めたい貴重な一編成」に

都電荒川線は、下町情緒のある街並みや公園、商店街などを結ぶ路線として知られていますが、水戸岡デザインの車両は、その沿線の魅力をさらに引き立てる存在として期待されています。

1日限定40名 東京都交通局×はとバスの貸切ツアーも開催

さらに、この特別な車両を存分に楽しめる企画として、東京都交通局とはとバスのコラボツアーも発表されています。
ツアー名は「東京都交通局×はとバス コラボ企画 8500形水戸岡氏デザイン号貸切乗車と荒川車庫見学」です。

ツアーの開催概要

  • 開催日:2026年5月30日(土)※雨天決行(荒天中止)
  • 募集人数:午前・午後それぞれ20名、合計40名(先着順)
  • 出発場所:東京駅丸の内南口
  • 料金:大人・子ども同額25,000円(税込)
    ※小学生未満は参加不可

午前と午後の2回に分けて実施されるツアーとなっており、各回とも少人数限定のプレミアムな内容です。
予約は、はとバスの専用サイトから受け付けられています。

ツアーで体験できる主な内容

このツアーの大きな魅力は、ふだんの利用ではなかなか味わえない体験が盛り込まれている点です。

  • 荒川電車営業所(荒川車庫)の見学
    普段は立ち入ることができない車庫内を見学し、車両の整備の様子や設備を間近で見ることができます。
  • トラバーサー見学
    車両を横方向に移動させる設備「トラバーサー」の動きや仕組みを見られる貴重な機会です。
  • 運転席での記念撮影会
    都電の運転席に座って記念撮影ができ、鉄道ファンはもちろん、乗り物好きの子どもにとっても思い出に残る体験になります。
  • 8500形水戸岡デザイン号への貸切乗車
    話題の水戸岡デザイン車両に貸切で乗車し、車内の隅々までじっくり堪能できます。
  • 大塚駅前の折返し線に乗車したまま体験
    通常の営業運転では乗ることができない大塚駅前の折返し線を、車内に乗ったまま体験できる、鉄道ファン垂涎のポイントです。

これらの内容からも分かるとおり、このツアーは単に「特別列車に乗る」だけではなく、都電荒川線の裏側や、車両がどのように支えられているのかを知ることができる、学びと体験がセットになったプログラムになっています。

予約開始は4月15日 先着順のプレミアム企画

はとバスが発表したプレスリリースによると、このコラボツアーの予約開始日時は2026年4月15日(水)14時からとなっています。
各回20名・合計40名という限られた枠での募集となるため、すでに多くの鉄道ファンやデザインファンが注目している企画です。

また、15歳以上18歳未満の参加者が一人で参加する場合には、保護者の同意書が必要となるなど、安全面や参加条件も明確に定められています。

なぜ水戸岡デザインの都電がこれほど注目されるのか

今回の一連の話題は、単に「新しいデザインの車両が出た」というだけではなく、いくつかの要素が重なって関心を集めています。

  • 長年親しまれてきた都電という“舞台”
    都電荒川線は、東京でも貴重な路面電車として、地域に根ざした存在です。その舞台に水戸岡デザインが加わったこと自体が特別感を生んでいます。
  • テレビ番組での丁寧な紹介
    「友近・礼二の妄想トレイン」による貸切乗車SPで、車両の魅力が分かりやすく伝えられたことが、一般の視聴者にも興味を広げました。
  • 実際に体験できる貸切ツアー
    東京都交通局とはとバスによるコラボツアーで、「見て終わり」ではなく、「自分も乗りに行ける」体験として楽しめる点も大きいと言えます。

こうした流れの中で、「デザインされた公共交通」がもたらす価値について、あらためて考える人も増えています。
移動時間は、私たちの日常の中で大きな割合を占める時間です。その時間が少しでも心地よく、楽しくなるような工夫は、暮らしの質の向上にもつながります。

日常を彩る“走る工芸品”としての都電へ

水戸岡鋭治さんが手がけた8500形のリニューアル車両は、「特別な観光列車」ではなく、あくまで都民の日常の足である都電荒川線の一編成です。
だからこそ、何気ない日常の風景の中に、ふと現れる「走る工芸品」のような車両が、乗る人の気持ちをふわっと軽くしてくれるのかもしれません。

番組での貸切乗車や、はとバスとのコラボツアーをきっかけに、「実際に乗ってみたい」「沿線を歩いてみたい」と感じる人も増えていくでしょう。
今後、この水戸岡デザインの都電が、東京の新たな名物として、多くの人に親しまれていきそうです。

参考元