インテル株が急騰、アップルとの半導体製造協議で新たな局面へ

米国の大手半導体メーカーインテルの株価が5月8日、急速な上昇トレンドを続けています。本日の取引では4.52%の上昇を記録し、現在の株価は99.62ドルを超える水準で推移しています。3月末の44.13ドルから比較すると、わずか約6週間で株価はおよそ115%の急騰を遂行しており、市場関係者から大きな注目を集めています。

アップルとの協議が株価上昇の主要因

今回の株価上昇を牽引しているのは、アップルとインテルが米国内でのチップ製造について暫定合意に向けて協議を進めているという報道です。複数のニュースソースから伝えられた情報によると、アップルはサムスンとともにインテルと初期段階の協議を行っており、主要デバイス用プロセッサを米国内で製造する可能性を探っているとのことです。

この動きは、アップルが長年依存してきた台湾積体電路製造(TSMC)への製造依存からの脱却を模索する戦略の一環と見られています。地政学的リスクの高まりや供給チェーンの多様化を求める国際的な圧力の中で、米国内での半導体製造能力の確保が各大手テック企業にとって重要な課題となっているのです。

好調な決算と事業の復調が背景に

インテルの株価上昇には、好調な経営実績も大きく寄与しています。2026年第1四半期の決算は市場予想を上回る好成績を記録しました。売上高は135.77億ドル(前年比7.2%増)となり、特にデータセンター・ビジネスが前年同期比22%の成長を達成しています。

営業損失は31.36億ドルと赤字は継続しているものの、のれん減損を除けば営業利益は約8億ドルに達しており、実質的な黒字転換を果たしています。生成AI向けのサーバー用CPUが好調で、高価格製品が売れている傾向が鮮明です。推論分野におけるCPUの地位向上も報告されており、アナリストからは今後の急速な業績回復の可能性が指摘されています。

6四半期連続の予想超過達成

強気派の投資家たちが注目しているのは、インテルが6四半期連続で市場予想を上回る実績を達成したという点です。この一貫性のある好実績は、単なる一時的な回復ではなく、構造的な経営改善が進行中であることを示唆しています。

アナリストの目標株価も引き上げられており、中位目標は約217ドル、年率内部利益率(IRR)は約18%年と見積もられています。これは現在の株価水準からさらに100%を超える上昇余地があることを示唆しており、機関投資家の関心も高まっています。

AI分野での提携強化も材料に

インテルの今後の展望を支えるもう一つの要因が、AI分野での提携の深化です。AIチップ開発企業のSambaNovaとの提携拡大について、インテルは規制当局の最終承認を最近取得しました。この動きは、高度なAIワークロードとシステム開発におけるインテルの能力と存在感を大幅に強化するものと期待されています。

生成AIの急速な普及に伴い、AIチップに対する需要は急増しています。インテルがこの成長市場でのプレゼンスを強化できれば、今後の売上拡大に大きな弾みがつくと見込まれています。

テクノロジーセクター全体での位置づけ

本日のテクノロジー機器セクターは2.70%の上昇を記録しており、インテルはこのセクター平均を大きく上回る4.52%の上昇を達成しています。同セクター内のマイクロン・テクノロジーが9.36%上昇、SanDisk Corporationが7.95%上昇するなど、半導体関連銘柄全体に強気相場の雰囲気が漂っています。

市場の慎重な見方も存在

一方で、市場には慎重な見方も残存しています。アナリストのストリート・ターゲットは約78ドルと現在の株価より低い水準に設定されており、すでに株価が過度に上昇した可能性を指摘する声も聞かれます。今後の株価動向は、アップルとの協議の進展状況、今後の四半期決算の継続的な好調さ、そして競合他社との競争力維持などが重要な判断材料となるでしょう。

投資家にとっての示唆

インテルの事例は、構造的な経営改革と市場環境の変化が重なった時、企業価値が急速に再評価される可能性を示しています。AI革命、国内回帰化、供給チェーン多様化という三つの大きなトレンドが、このテック大手に新たな成長機会をもたらそうとしているのです。

今後のインテルの動向は、単なる一企業の経営状況を超えて、グローバル半導体産業全体の構造変化を映し出す重要なバロメーターとなるでしょう。

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