後期高齢者医療保険料が過去最高に 2026年度から月7,989円へ引き上げ

厚生労働省は、75歳以上が加入する後期高齢者医療制度の保険料を2026年度から大幅に引き上げることを決定しました。全国平均で月額7,989円となる見込みで、前年度の7,411円から578円(7.8%)の増加となります。

保険料引き上げの詳細

2026年度から2027年度にかけての保険料改定では、複数の項目で引き上げが行われます。

  • 均等割額(年額):50,389円から56,083円へ引き上げ(月額では4,199円から4,673円)
  • 所得割率:10.21%から10.17%に若干低下
  • 平均保険料額(年額):88,940円から95,875円へ引き上げ
  • 年間保険料上限:80万円から85万円に引き上げ

均等割額の増加は特に大きく、前年度比で約5,700円の年間上昇となっています。これは加入者全員が支払う基本部分の引き上げであり、全ての被保険者に影響を与えます。

高所得者への負担集中

一方、年間保険料の上限額が80万円から85万円に引き上げられるのは、年金と給与の合計で年収1,150万円以上の高所得者が対象となります。対象者は加入者全体の約1.2%程度とみられており、所得に応じた負担が強化される形になっています。

厚生労働省は、少子高齢化に伴う医療費の増加の中で、所得の高い75歳以上の保険料を増やすことで、中低所得の被保険者の負担を相対的に抑える方針を示しています。

制度開始以来の上昇傾向

後期高齢者医療制度は2008年度に開始されましたが、当時の年間保険料上限額は50万円でした。その後、医療費の増加に伴い定期的に引き上げられ、2018年度には80万円となり、今回さらに85万円へと引き上げられることになります。

今回の引き上げ幅は過去最大となっており、特に均等割額の増加率の大きさが特徴です。

生活への影響が懸念

1人当たりの平均保険料の負担は、軽減措置などを考慮しても年間で2,500円から1万円以上増えることになる見通しです。年金が主な収入源となっている高齢者にとって、この保険料引き上げは生活に直結する重大な問題となります。

厚生労働省は、高齢者医療を巡り制度を支える現役世代の保険料上昇の抑制を目的に、医療機関での窓口負担も含めて支払い能力を重視した見直しを進めています。今後、その他の負担軽減措置の導入についても検討が進む可能性があります。

子ども分保険料も新設

2026年度から、後期高齢者医療制度に子ども分保険料が新たに加わります。全国平均で月額194円となる見込みで、年額2,333円となります。

  • 均等割額(年額):1,351円(月額112円)
  • 所得割率:0.25%

この新たな負担項目も、高齢者世帯の家計に加わることになります。

制度の課題と今後の方向性

今回の大幅な保険料引き上げは、日本の高齢化の深刻さを物語っています。全国的に75歳以上の人口は増加傾向にある一方で、これらの高齢者を支える現役世代の数は相対的に減少しています。

厚生労働省は、医療費の増加と人口構造の変化に対応するため、制度全体の改革を進めています。所得に応じた負担の公平化、医療費の適正化、そして現役世代の負担抑制が、今後の高齢者医療制度の重要なテーマとなっていくでしょう。

保険料の引き上げに加えて、高齢者が受ける医療サービスの質や内容についても、今後の議論の焦点となることが予想されます。

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