映画『大長編 タローマン 万博大爆発』がついにテレビ初放送!タローマン旋風、再び
1970年代風の特撮ヒーロー番組として話題を呼んだ「TAROMAN 岡本太郎式特撮活劇」から生まれた劇場映画『大長編 タローマン 万博大爆発』が、ついにテレビで初めて放送されます。放送日時は3月8日(日)午前1時20分からで、NHK BSにてオンエアされる予定です。深夜の放送ではありますが、劇場で見逃してしまったファンにとっては待望の機会となりそうです。
「なんだこれは!」がスクリーンからテレビへ ― 映画版タローマンとは?
『大長編 タローマン 万博大爆発』は、2022年にNHK Eテレで放送された短編特撮シリーズ「TAROMAN 岡本太郎式特撮活劇」を映画化した作品です。オリジナルは1話わずか5分の深夜番組としてスタートし、「1970年代に放送された特撮ヒーロー番組」という体裁のもと、芸術家・岡本太郎の言葉と作品をモチーフに制作され、大きな話題を呼びました。
独特のビジュアルと、「なんだこれは!」と叫びたくなるような岡本太郎イズムあふれる世界観は、放送のたびにSNSのトレンド入りを果たし、続編制作や関連書籍、イベントなどへと広がっていきました。その熱気がスケールアップし、2025年8月22日に劇場用長編映画として公開されたのが『大長編 タローマン 万博大爆発』です。
映画版は、5分×複数話だった物語を105分の大長編に再構成した作品で、「でたらめ度」がさらに増した、まさに“べらぼう”な映画体験として評判を集めました。
物語の舞台は1970年と2025年 ― 2つの万博がつなぐ「でたらめな未来」
映画の舞台は、1970年の大阪万博と、そこから想像された未来の2025年「昭和100年」の日本です。物語の中心にあるのは、夢と希望に満ちた「未来の世界」としての万博、そしてそこに突如襲いかかる「でたらめ」な脅威です。
時は1970年。日本中が万博の開催に沸き返っていたそのとき、2025年の未来から万博を消滅させるためにやってきた恐ろしい奇獣が会場を襲撃します。万博を守るためには、その奇獣に匹敵する「でたらめな力」が必要。しかし、2025年の未来世界は秩序と常識で固められており、でたらめな力はほとんど絶滅しかけていたのです。
そこで地球防衛軍であるCBG(シービージー)は、万博を救うべく、タローマンと共に未来へ向かうことを決意します。1970年と2025年という二つの時代をまたぎながら、タローマンは夢と希望にあふれた“あの頃の未来”の世界で戦うことになります。
ここで描かれる2025年は、あくまで1970年代の人々が想像した「未来像」としての2025年です。だからこそ、現実の2025年を知る私たちにとっては、どこか懐かしく、そしてどこかおかしみのある「レトロフューチャー」の世界が広がっています。
岡本太郎×特撮 ― 日本を代表する芸術とエンタメの融合
タローマンシリーズ、そして本作『大長編 タローマン 万博大爆発』の大きな特徴は、岡本太郎の思想と作品を全面的に取り入れている点です。岡本太郎は、「太陽の塔」をはじめ、戦後日本を代表する前衛芸術家として知られています。大阪万博のシンボルである太陽の塔も、彼の代表作のひとつです。
映画には、太陽の塔をはじめとした岡本作品をモチーフにしたキャラクターやモチーフが多数登場します。公式情報では、出演者としてタローマン、太陽の塔、地底の太陽、水差し男爵などの名前が挙げられており、まさに岡本太郎の世界観がスクリーン狭しと暴れ回る構成になっています。
オリジナルシリーズ「TAROMAN 岡本太郎式特撮活劇」は、第49回放送文化基金賞のエンターテインメント部門で優秀賞を受賞し、脚本・演出を務めた藤井亮氏も脚本・演出賞を受賞するなど、高い評価を得ています。その藤井亮氏が、映画版でも監督・脚本を担当し、特撮ファンだけでなくアートファンからも注目を集める作品となりました。
深夜に炸裂する「でたらめ」 ― NHK BSでの放送概要
今回テレビ初放送となるのは、NHK BSでの映画版『大長編 タローマン 万博大爆発』です。番組情報によると、放送は3月8日(日)午前1時20分から3時5分まで、上映時間は約1時間45分となっています。
「なんだ、これは!」というキャッチコピーで知られる本作は、「TAROMAN 岡本太郎式特撮活劇」がさらに“でたらめ度アップ”して映画化された作品として紹介されています。深夜の放送ながら、独特のテンションとビジュアル、そして万博と未来をめぐる奇妙で刺激的な物語は、夜更かししてでも体験したくなる内容です。
また、劇場公開から一定期間を経てのテレビ初放送ということもあり、映画館での熱狂がどのようにお茶の間へ届くのかにも注目が集まります。映画のBlu-ray・DVDは2026年3月27日に発売予定とされており、劇場・配信・パッケージに続いて、テレビ放送という新たな入口が開かれたことで、タローマンの世界に触れる人はさらに増えていきそうです。
サカナクション・山口一郎も出演 ― 音楽ファンにも嬉しいキャスティング
今回のテレビ放送で特に話題になっているポイントのひとつが、サカナクションの山口一郎さんが出演していることです。番組情報では出演者として山口一郎、岡村渉の名前がクレジットされており、ミュージシャンとして多彩な活動を続ける山口さんが、どのような形でタローマンの世界に関わるのか、ファンの期待が高まっています。
サカナクションは、これまでも音楽と映像表現を組み合わせた作品づくりで知られてきましたが、岡本太郎の世界観をベースにした特撮映画との組み合わせは、まさに“ジャンル横断”的な出会いと言えるでしょう。山口さんの出演が、音楽ファンをタローマンの世界へと誘うきっかけにもなりそうです。
劇場公開からテレビへ ― タローマン人気の広がり
『大長編 タローマン 万博大爆発』は、2025年夏に全国ロードショー公開され、特撮ファンはもちろん、アートやデザイン、サブカルチャーに関心のある層からも支持を集めました。公開当時から、「昭和100年の世界へようこそ!」というコピーとともに、予告編やビジュアルが注目を浴び、太陽の塔など岡本太郎作品が“でたらめに銀幕で大あばれ”する様子が話題となりました。
その後も、各地での上映イベントや企画上映が行われ、2026年初頭まで劇場での上映が続いた映画館もありました。さらに、Blu-ray・DVDの発売情報や関連イベントなどが発表されるなど、タローマンを取り巻く動きは継続的に続いています。
今回のNHK BSでのテレビ初放送は、こうした流れの中で、多くの視聴者が自宅で気軽にタローマンの世界に触れられる、大きな節目と言えるでしょう。劇場で既に鑑賞した人にとっても、テレビ画面で改めて細かなディテールを味わい直す良い機会になりそうです。
タローマンが投げかける「なんだこれは!」という問い
タローマンシリーズの魅力は、単に奇抜なビジュアルや設定だけではありません。岡本太郎の言葉や作品をモチーフとしていることからも分かるように、本作には、「常識」や「正しさ」とされているものを疑い、「なんだこれは!」と驚きながら世界を見つめ直す視点が込められています。
作中で語られる「でたらめな力」は、単なる破壊的なパワーではなく、枠に収まらない創造性や、予測不可能な発想の象徴としても受け取ることができます。未来の世界から「でたらめさ」が失われつつあるという設定は、私たちが生きる現代社会へのささやかな皮肉やメッセージとしても響いてきます。
もちろん、難しく考えなくても、この映画は純粋な特撮エンターテインメントとして楽しむことができます。奇獣のデザイン、ミニチュア特撮、ユーモラスな演出など、昭和の特撮番組を思わせるテイストを現代の感覚でアップデートした表現は、子どもから大人まで笑いながらワクワクできる内容です。
これからタローマンを見る人へ ― 視聴のポイント
- 「1970年代の特撮番組を“今つくったら”こうなる」という視点で見ると、細かなパロディやオマージュがより楽しめます。
- 大阪万博や太陽の塔など、実在の歴史・芸術とどうリンクしているかを意識すると、物語の背景がより立体的に感じられます。
- 「でたらめ」な要素を笑いつつ、その裏にあるメッセージを考えてみると、鑑賞後に誰かと語り合いたくなる作品です。
- サカナクション山口一郎さんの出演シーンにも注目し、どのように物語に関わっているのかを探しながら見るのも一つの楽しみ方です。
深夜の放送とはいえ、録画してじっくり楽しむのもおすすめです。特撮表現やセット、美術、セリフの一つひとつに仕込まれた遊び心は、一度見ただけでは気づけない部分も多く、何度も見返したくなる「クセになる」作品となっています。
タローマンと万博、そして私たちの「未来」
1970年の大阪万博は、日本にとって「未来」を象徴する大きなイベントでした。そこから想像された2025年の「昭和100年」は、現実の私たちが生きる時代とは少し違うかもしれませんが、そのギャップこそがタローマンの面白さでもあります。
『大長編 タローマン 万博大爆発』は、万博という「未来のショーウィンドウ」を舞台にしながら、過去と未来、芸術と特撮、常識とでたらめをぐるぐると混ぜ合わせて見せてくれます。その混沌としたエネルギーは、どこか岡本太郎の言葉「芸術は爆発だ」を連想させます。
テレビ初放送というこの機会に、タローマンが巻き起こす「万博大爆発」を、自宅のテレビで体験してみてはいかがでしょうか。画面の前で思わず「なんだこれは!」とつぶやいてしまったら、すでにあなたもタローマンの世界の住人なのかもしれません。



