JAL株価が続落、増配発表も市場の期待を下回る──27年3月期の業績見通しが重石に
日本航空(JAL、証券コード9201)が3月2日の取引終了後に2026年3月期の業績・配当予想を修正発表したことを受けて、株価が続落している。26年3月期は上方修正で増収増益を確実にしたものの、27年3月期の利益予想が市場の想定を下回ったことが売り圧力となっているようだ。
26年3月期は好調、4期連続の増配を達成
日本航空が発表した26年3月期(2024年4月~2026年3月)の業績予想は、売上高が従来の見通しから230億円増額され2兆円(前期比8.5%増)、最終利益が80億円増額されて1230億円(同14.9%増)となった。直近の収入好調と営業費用の状況を反映した上方修正である。
好調な業績を背景に、配当面でも朗報がもたらされた。期末配当予想が4円増額されて50円に見直され、中間配当46円と合わせて年間配当は1株あたり96円となる。前期(2025年3月期)の配当が86円だったため、前期比で10円の増配となり、2023年3月期の復配以来、4期連続の増配を達成することになった。
26年3月2日時点の株価は3038円であり、この配当予想に基づくと配当利回りは3.16%と計算される。東証プライムの平均配当利回りが1.95%(2026年2月時点)であることを考えると、JALの配当利回りは相対的に高い水準といえる。
市場が注視するのは27年3月期──利益減少見通しが売りを誘発
しかし、市場が最も懸念しているのは、26年3月期の好調さとは対照的な27年3月期(2026年4月~2028年3月)の業績見通しである。同社が公表した来期の売上高予想は2兆950億円、最終利益は1100億円と、26年3月期の予想に対して最終減益を見込んでいる。
特に注目されるのは、27年3月期の利益が26年3月期予想の1230億円から1100億円へと約130億円(約10.6%)の減少が見込まれている点である。この利益減少幅が市場の想定を超えたことが、株価売却につながったと考えられる。
同社は27年3月期について、単価上昇や国内・国際旅客収入の増加を想定する一方で、営業費用面ではベースアップといった人材面での投資の影響を大きく見込んでいる。つまり、収入面での伸びが期待できても、人件費などのコスト増加が利益を圧迫する構図が浮かび上がっている。
配当維持の方針は評価も、長期目標への道のりは課題
興味深いことに、日本航空は27年3月期の年間配当を26年3月期の96円のまま維持する方針を表明している。この配当維持の姿勢は、株主への配慮を示す面もあるが、同時に利益減少局面での配当維持という慎重な経営判断でもある。
同社は長期的な経営ビジョンとして、30年度のEBIT(財務・法人所得税前利益)を3000億円、35年度に3500億円以上を目標に掲げている。26年3月期のEBIT見通しが2050億円であることを考えると、5年で約1000億円の営業利益増加を目指す野心的な計画である。
株価の反応と今後の注目点
株価は26年3月2日の終値3038円から、翌3日には前日比マイナス5.89%(190円下落)となり、その後も下落が続いている。配当増額という好材料が発表されながらも、先行きの利益減少見通しが重石となっている格好だ。
ただし、同社の第3四半期決算(26年3月期)では売上収益1兆5137億円(前年同期比9.2%増)、EBIT1791億円(同24.2%増)と大幅な増収増益を記録しており、足元の業績の堅調さは確かである。国際旅客需要の回復が続いていることが、この好調さを支えている。
投資家の関心は、今後の決算発表で27年3月期の業績見通しがどのように推移するか、そして人件費などのコスト増加がどこまで利益を圧迫するのかという点に集まるだろう。航空業界の構造的な課題と、JALの経営戦略がどう向き合うのかが、株価の方向性を大きく左右する要因になりそうだ。



