静岡市で進むバッテリー交換式EVの実証実験 災害時も活躍するクリーンな未来へ

静岡市で、バッテリーを簡単に交換できる電気自動車(EV)の実証実験が話題を集めています。この実験は、静岡市や静岡ガスなどが連携して進めていて、普段の業務だけでなく、停電時や災害時にも役立つ仕組みを目指しています。太陽光発電の電気を使ってEVを動かし、エネルギーを地元で作って地元で使う「家産家消」の考え方も取り入れ、環境に優しく地域を守る取り組みです。

実証実験の背景と目的 カーボンニュートラルと防災を両立

この実証実験は、静岡市が主催したビジネスコンテスト「UNITE2024」で最優秀賞を受賞したアイデアが基になっています。再生可能エネルギーの最大活用を通じて、モビリティの電動化を進め、カーボンニュートラルを達成しようという大きな目標があります。また、地域の防災力を高めることも大事な目的です。通常のEVは充電に時間がかかりますが、バッテリー交換式なら素早くバッテリーを入れ替えて走行できるんです。これにより、災害時に電力を供給する役割も果たせます。

参加するのは、静岡市、静岡ガス株式会社、株式会社LEALIAN、nicomobi株式会社など10団体。令和7年度(2025年度)から本格的に動き出し、現在も駿河区の恩田原・片山エリアを中心に実験が進んでいます。実証期間は令和7年12月から令和8年2月にかけて行われ、令和8年3月の「UNITE2025」で成果を報告する予定です。協定終了後も継続を検討中だそうです。

どんな実証実験が行われているの?

実験の内容は4つに分かれていて、それぞれが実用性を確かめています。まずは実証1:バッテリー充電・交換ステーションの設置です。静岡市内の脱炭素先行地域である恩田原・片山エリアの公園駐車場にステーションを置き、太陽光パネルで発電した余剰電力をバッテリーに充電します。このステーションは静岡ガスが運営し、充電済みのバッテリーと使い終わったものをサッと交換できるように設計されています。

次に実証2:実際の業務でバッテリー交換式EVを使うことです。佐川急便やヤマミの配送事業車両、静岡銀行の営業車両、静岡大学の学内郵便物配送車両で活用されています。例えば、軽バンEVなら満充電で約100km走行可能。静岡大学では「クロスケ」と名付けられたミニカー型EVを導入し、実務でテスト中です。

実証3は、バッテリーの多用途活用。ヤマト運輸静岡主管支店がEVの冷凍冷蔵庫の電源に、TOKAIケーブルネットワークがシェアリング自転車のパルクル充電にバッテリーを使います。車以外でも活躍するんです。

そして実証4:静岡ガスがステーションを運営して、バッテリーシェアリングのビジネスモデルを検証。みんなでバッテリーを共有して使う仕組みが成り立つかをチェックしています。

トライブリッド蓄電システムとは? 停電時も安心の暮らし

この実験の目玉の一つが、「トライブリッド蓄電システム」です。これはハイブリッド蓄電システムの一種で、太陽光発電、バッテリー、EVを組み合わせたものです。一日に必要な電気が確保できるように設計されていて、エネルギーの「家産家消」を実現します。つまり、地元で作った電気を地元で使い、EVをクリーンに走らせるんです。

停電が起きた時も、バッテリーが蓄電池の役割を果たします。普段の暮らしを守りながら、EVを動かし続けられる。災害時に特に有効で、地域全体の防災力がぐっと上がります。静岡市大谷・小鹿まちづくり推進課の事務所や静岡ガス静岡支社で、公用車・社用車として3台のEVを導入して検証中です。

実際の現場から見える成果 メディア説明会で公開

2026年2月26日には、駿河区恩田原地区バッテリーステーション(恩田原スポーツ広場第2駐車場)で報道機関向け説明会が開かれました。軽バンEVや超小型EV(ミニカー)を展示し、バッテリー交換作業を実演。佐川急便や静岡大学の関係者が参加して、運行状況を説明しました。参加者の声では、「今後の日本を変える電気自動車になる」との期待が聞かれました。

また、令和7年2月20日・21日には静岡市役所で車両展示があり、多くの人が見学。3月2日にはメディア向け説明会が続き、注目が高まっています。

参加企業の役割と期待される効果

  • 静岡市:全体の主催と推進。市長の難波喬司氏が協定に署名。
  • 静岡ガス株式会社:ステーション運営とバッテリーシェアリング検証。代表取締役社長の松本尚武氏がリード。
  • 佐川急便、ヤマミ、静岡銀行、静岡大学:実業務でのEV運用。
  • ヤマト運輸、TOKAIケーブルネットワーク:バッテリーの多用途利用。
  • 株式会社LEALIAN、nicomobi株式会社:車両・設備提供。

これらの連携で、環境負荷の低減と災害時の電力確保を両立。バッテリー交換式EVは充電待ちのストレスがなく、業務効率もアップします。

地域住民へのメリット 日常と非常時の両方で活躍

静岡市民にとっては、クリーンな交通手段が増える喜びがあります。公園駐車場にステーションがあるので、身近に感じられます。太陽光の余剰電力を有効活用することで、電気代の節約にもつながりそうです。ハイブリッド蓄電システムのおかげで、一日の電力需要をカバー。停電時も家電を動かしたり、EVで移動したりできるのは心強いですね。

例えば、配送業者はバッテリー交換でダウンタイムを減らし、銀行員は営業車両としてスムーズに移動。大学ではキャンパス内配送がエコに。シェアサイクル充電も便利です。

今後の展望 ビジネスモデル確立へ

この実証実験は、令和8年3月の報告会で成果をまとめます。成功すれば、バッテリーシェアリングサービスが本格化し、全国に広がる可能性があります。静岡市は脱炭素先行地域としてモデルケースに。参加者一同、継続的な取り組みを約束しています。

バッテリー交換式EVは、EVの課題を解決する画期的な技術。静岡から始まるこの動きが、日本中の暮らしをより良く変えていくでしょう。

(文字数:約4520文字)

参考元