龍谷大学が3キャンパスの名称を変更へ 「コレクティブ・インパクト・プラットフォーム」を新たなコンセプトに掲げ社会課題解決を推進

龍谷大学は、2027年4月に京都と滋賀に構える3つのキャンパスの名称を変更することを発表しました。これまでの「深草キャンパス」「大宮キャンパス」「瀬田キャンパス」から、それぞれ「京都深草キャンパス」「京都大宮キャンパス」「びわ湖大津キャンパス」へと改称されます。この変更は、大学が新たに掲げる「コレクティブ・インパクト・プラットフォーム」というキャンパスコンセプトに合わせたものです。

地名を冠した名称に変更 多様な人が集う場を目指す

キャンパス名の変更では、国内外で認知されている地名やランドマークを冠することで、より多くの人が集まる場になることを目指しています。具体的には、これまで使用されてきた学園独自の名称から、地域を象徴する地名を前につけることで、京都と滋賀の地域社会との結びつきをより強化し、各キャンパスのアイデンティティを明確化する戦略となっています。

龍谷大学の安藤徹学長のリーダーシップの下、同大学は2021年度から「キャンパスブランド構想」を掲げ、キャンパスの機能や学びを充実させるための取り組みを進めてきました。学部のキャンパス移転や新設、施設整備が行われてきたなかで、今回のキャンパス名称変更は、こうした構造的な改革を象徴するものとなっています。

「コレクティブ・インパクト・プラットフォーム」とは何か

龍谷大学が新たに掲げた「コレクティブ・インパクト・プラットフォーム」とは、多様な人が集い、共創と挑戦が続く場となることを目指すというコンセプトです。これは単なるキャンパスの物理的な施設整備だけでなく、大学が社会課題の解決に向けて、企業や地域、行政などのあらゆるステークホルダーと連携し、協働する姿勢を表しています。

同大学はこれまで、3つのキャンパスを有し、様々な人・企業・地域等と連携することで社会課題の解決を図ってきました。その取り組みの一例として、「京都市脱炭素先行地域推進コンソーシアム」では「グリーン人材ワーキング」のリーダー会員として、また滋賀県の「しがネイチャーポジティブネットワーク」には立ち上げ団体として参画するなど、環境やサステナビリティの分野でコレクティブ・インパクトを牽引する立場で活動しています。

2027年4月 びわ湖大津キャンパスで新学部を設置

2027年4月のキャンパス名称変更と同時に、びわ湖大津キャンパス(旧瀬田キャンパス)では新たに2つの学部が設置される予定です。具体的には「環境サステナビリティ学部」と「情報学部」が新設されます。これらの新学部の設置により、びわ湖大津キャンパスが「コレクティブ・インパクト・プラットフォーム」というキャンパスコンセプトの実現を先導する役割を果たすことになります。

環境サステナビリティ学部は、気候変動や生物多様性の喪失といった地球規模の課題に取り組む人材を育成し、情報学部は、デジタル技術を活用した社会課題の解決を推進する人材を育成することが期待されています。これらの新学部は、龍谷大学の社会貢献の理念を具現化するための重要な教育拠点となるでしょう。

2028年には京都駅前に新拠点「共創HUB京都」が開設

さらに龍谷大学は、2028年4月から京都駅前に新たなイノベーションハブ拠点「共創HUB京都(仮称)」の運用を開始する予定です。この新拠点は、龍谷大学の学生だけでなく、あらゆる教育や研究、社会連携活動で活用される予定であり、「コレクティブ・インパクト・プラットフォーム」を推進するドライバーとなります。

京都駅前という交通の便が良く、国内外から多くの人が訪れる立地に拠点を構えることで、龍谷大学は地域社会との連携をより一層深化させ、社会課題の解決に向けた共創の活動を加速させることができるようになります。

歴史あるキャンパスが地域と共に成長

龍谷大学のキャンパスは、単なる教育機関としての施設ではなく、地域の歴史的・文化的資産でもあります。京都大宮キャンパスは2029年に150周年を、京都深草キャンパスは2030年に70周年を迎えます。これらの節目の時期に、キャンパス名を地域の地名に変更することで、同大学は歴史ある京都に長く根差したキャンパスとしての存在感を一層高め、地域や企業、自治体などあらゆるステークホルダーとの関係性を深化させ、コレクティブ・インパクトを生み出すことで社会に貢献していく方針を示しています。

背景にある大学の戦略的転換

今回の名称変更やキャンパスコンセプトの設定は、龍谷大学が大学教育の役割を単なる学位取得の場から、社会課題の解決に貢献する実践的な拠点へと転換させようとする戦略的な意思表示です。多様なステークホルダーが集まり、知識と経験を共有し、共創のプロセスを通じて社会的インパクトを生み出す場として、キャンパスを再定義するこうした取り組みは、日本の高等教育機関が直面する新たな役割期待に応える一つの事例となるでしょう。

龍谷大学が掲げる「コレクティブ・インパクト・プラットフォーム」というコンセプトは、環境問題からデジタル化、地域創生まで、様々な社会課題が複雑に絡み合う時代において、大学が果たすべき役割が何かを考え直す機会を与えてくれるものです。

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