JX金属が東邦チタニウムを完全子会社化へ、6月1日付で経営統合
JX金属株式会社は2月25日、東邦チタニウム株式会社を株式交換により完全子会社化すると発表しました。効力発生日は2026年6月1日を予定しており、東邦チタニウムは上場廃止となります。
経営統合の背景と狙い
JX金属は既に東邦チタニウムの筆頭株主で、2018年6月に株式の50.38%を取得し連結子会社としていました。今回の完全子会社化により、両社の経営資源をより効果的に活用できる体制を構築することを目指しています。
両社が合意した主な経営統合の狙いは以下の通りです:
- 情報・人的資源の共有強化:これまで以上に両社間での情報交換と人材活用が可能になります
- 経営資源の相互活用:柔軟で迅速な経営判断と長期的視点に基づく経営体制の構築
- 人的資本とネットワークの補完:東邦チタニウムが不足している人的資本や半導体・電子材料市場におけるネットワークをJX金属が補うことで、双方の事業を強化
半導体材料分野での連携強化
今回の経営統合では、半導体材料の共同開発強化が重要な位置付けになっています。JX金属と東邦チタニウムの経営資源を結集させることで、半導体・電子材料市場での競争力を大幅に高める狙いがあります。
金属チタン事業の分社化計画
特に注目される点として、経営統合後の事業運営に関して、金属チタン事業を分社化する予定が明かされています。この際、東邦チタニウムの既存株主であり重要な取引先である日本製鉄株式会社が資本参画することが予定されており、より戦略的な事業運営体制が構築される見通しです。
金属チタン市場の成長見通し
今回の経営統合の判断には、市場環境の変化も影響しています。金属チタンは航空・宇宙分野において中長期的な需要拡大が見込まれているため、この成長機会をしっかり捉える必要があるという認識が両社に共有されています。
株式交換の内容
完全子会社化の手段として、JX金属とJX金属が東邦チタニウムの普通株式を交換対価として提供する簡易株式交換が選択されました。これにより、東邦チタニウムの株主は新たなJX金属株式を保有することになります。株式交換比率は東邦チタニウム1株に対し、JX金属の新株で0.70倍の比率での取得が予定されています。
経営統合による企業価値の向上
両社の取締役会は、この株式交換による経営統合が両社の企業価値向上に資するものであると判断し、2025年10月9日の提案後、具体的な検討を重ねた結果、合意に至りました。完全子会社化により、より迅速で効果的な経営判断が可能になるとともに、重複する機能の統廃合によるコスト削減や、事業シナジーの最大化が期待されています。
今後のスケジュール
株式交換契約および経営統合契約は本日付で締結されており、所定の手続きを経たうえで、2026年6月1日を効力発生日として完全子会社化が実施される予定です。これに伴い、東邦チタニウムは証券取引所での上場廃止となります。
この経営統合により、JX金属グループは素材産業におけるさらなる統合と競争力強化を実現し、航空・宇宙をはじめとした成長分野での事業展開が加速することが期待されています。


