サグラダ・ファミリア、172.5メートルの頂上に十字架設置 ガウディ没後100年の歴史的瞬間

スペイン・バルセロナの世界遺産「サグラダ・ファミリア聖堂」で、メインタワー「イエス・キリストの塔」の頂上に最後の部品となる十字架が設置されました。高さ172.5メートルに到達したこのタワーは、建築家アントニ・ガウディの没後100年にあたる2026年に完成する予定です

140年以上の歴史を刻んだ、ついに頂点へ

サグラダ・ファミリア聖堂は、着工からおよそ150年の歳月をかけて、現在最終段階を迎えています。これまで「未完の聖堂」として知られていましたが、今回のメインタワーの完成により、建築史上における大きな節目を迎えることになります

2025年には聖母被昇天の礼拝堂が完成し、その翌年の2026年にはこのメインタワーが完成すると発表されていました。当初、ガウディが構想していた完成時期よりも半分の工期での完成が見込まれており、世界中から注目が集まっていたのです

天に向かって立つ、石の傑作

イエス・キリストの塔は、単なる建造物ではなく、ガウディの建築哲学が集約された芸術作品です。この塔は曲線、カテナリー(懸垂線)、双曲面で構成されており、重厚な外部支柱なしで光を取り入れることができます。その構造は、文字通り「石の森」であり、柱は天井を支えるために木のように枝分かれしているのが特徴です

塔の頂点に設置された十字架は、ガウディ特有の「四本腕の十字架」です。この十字架は施釉陶器とガラスで覆われており、昼は太陽に輝き、夜は自ら光を放つよう設計されています。暗夜にも輝くこの十字架は、ガウディが未来の世代に残したメッセージそのものなのです。

ガウディ没後100年、記念行事で新たな段階へ

2026年6月は、アントニ・ガウディの没後100周年を迎える記念すべき月です。この時期に、塔の完成を祝う記念ミサと開通式が予定されており、ローマ教皇の訪問が期待されています。ガウディの偉大な遺志を受け継ぐ、この上ない栄誉です。

特に注目すべきは、イエスの塔が一般公開される予定という点です。エレベーターと階段が備わっており、訪問者は十字架の近くまで登ることで、これまでに誰も見たことのないバルセロナの絶景を楽しむことができるようになります。

全体完成までの道のり、まだ先に課題あり

メインタワーの完成は、サグラダ・ファミリア聖堂の完成までの大きな節目ですが、プロジェクト全体はまだ続きます。次の段階では、メインエントランスである「栄光のファサード」の建設に焦点が移ります。この最後の建設段階は2027年から最も激しい局面を迎え、全体の完成予定は2034年から2035年頃とされています

建設が続く中で、いくつかの課題も存在します。サグラダ・ファミリア聖堂は「贖罪聖堂」であり、政府や公式な教会からの援助を受けていません。つまり、個人からの寄付と訪問者のチケット代によって100%自立して運営されています。訪れる一人ひとりが、この偉大な建設に協力しているのです。

2020年には新型コロナウイルスのパンデミックにより観光がストップし、収入が途絶えたため建設が一時中断を余儀なくされました。このため、当初の計画に遅れが生じていました。さらに、ガウディが夢見た栄光のファサードの大階段を建設するには、現在のマヨルカ通りの都市レイアウトを再編する必要があり、周辺の住宅やオフィスビルの移転を伴うため、100%完成できるかどうかは大きな課題となっています

世界遺産、次の100年へ

イエス・キリストの塔への十字架設置は、単なる技術的な達成ではなく、人類の文化遺産における象徴的な瞬間です。ガウディが没してから100年、その構想が現実となる過程で、数多くの建築家や職人たちが情熱を注ぎ、困難を乗り越えてきました。

完成予想図の動画は世界中から二度どよめきの声を上げさせ、その壮大さと美しさは私たちの想像をはるかに上回るものとされています。172.5メートルの頂上に輝く十字架は、これからもバルセロナの空を見つめ、訪れる者すべてを魅了し続けることでしょう。

サグラダ・ファミリア聖堂は、2034年から2035年の全体完成に向けて、これからもその建設を続けていきます。ガウディの遺志を受け継ぎ、未来世代へと繋がる、永遠の芸術作品として。

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