三井住友銀行がAIオペレーター「SMBC AIオペレーター」を導入 Oliveで24時間365日対応を実現
三井住友銀行は2月25日より、生成AIを活用した顧客対応サービス「SMBC AIオペレーター」の提供を開始します。このサービスは、個人向け総合金融サービス「Olive」の問い合わせ窓口に導入され、土日祝日を含む24時間365日体制で顧客からの問い合わせに対応することができます。
人間らしい自然な対話が実現
「SMBC AIオペレーター」の最大の特徴は、従来の自動音声応答装置(IVR)とは異なり、顧客が話す自然な言葉を聞き取り、文脈を理解して適切な回答を行うことができる点です。生成AIと音声認識・合成技術を組み合わせることで、実際のオペレーターと話しているかのようなスムーズなコミュニケーションが実現されます。
このシステムは、顧客の口調や言葉遣いに合わせて応答のトーンを調整する機能を備えています。また、周囲の雑音を抑える機能も搭載されており、より快適な通話環境を提供します。さらに注目すべき機能として、AIが話している最中に顧客が割り込んで発言しても、即座に反応して聞き取る「バージイン機能」が備わっており、人間同士の会話に近い自然なやり取りが可能になっています。
対応範囲と有人オペレーターとの連携
AIオペレーターの対応範囲は、本人確認を必要としない一般的な照会業務に限定されています。具体的には、サービス内容や年会費の確認、各種キャンペーンや特典の概要、申し込みや切り替え手続きの案内などが対象となります。
一方で、本人確認が必要な手続きや、AIでは解決できない複雑な相談については、これまで通り有人のオペレーターが対応します。AIの対応だけでは問題が解決できなかった場合や、通話の途中で本人確認が必要になった場合には、コールセンターの営業時間内であれば、有人のオペレーターへ引き継ぐシステムが構築されています。このように、AIと人間のオペレーターが役割を分担することで、顧客サービスの質を維持しながら効率化を実現しています。
開発体制と背景
このシステムの開発は、日本総合研究所がシステム構築を主導し、日本IBMが技術支援を行いました。金融業界では人手不足や問い合わせ対応の負荷軽減が課題となっており、三井住友銀行はこの課題に対して先制的に取り組んでいます。
定型業務をAIに委ねることで、行員がより付加価値の高い相談業務に注力できる体制を整えることが目的です。これにより、顧客サービスの向上と業務効率化の両立が期待されています。
今後の展開
三井住友銀行は、今後の展開について明確な方針を示しています。蓄積した対話データを分析して回答精度を高めるとともに、対応可能な業務範囲を順次拡大していく予定です。Oliveの一般照会以外の業務への拡大も想定されており、金融機関の顧客対応の在り方が大きく変わる可能性があります。
顧客にもたらすメリット
このサービスにより、顧客は電話がつながるまでの待ち時間を気にすることなく、いつでも必要な情報を得ることができるようになります。24時間365日対応という点は、特に夜間や休日に問い合わせが必要となった際に大きなメリットとなるでしょう。
また、AIオペレーターが人間らしい対話能力を備えているため、従来の自動応答システムよりも格段にストレスが軽減されます。顧客が抱えるストレスを最小限に抑え、スムーズな課題解決をサポートするという設計思想が、このサービスの大きな特徴となっています。
業界への影響
三井住友銀行のこうした取り組みは、金融業界全体に大きな影響を与える可能性があります。AIを活用した顧客対応の実例が示されることで、他の金融機関もAI導入の検討を加速させることが予想されます。同時に、顧客対応業務の自動化が進む中で、金融機関の人員配置や職務内容も変わっていくことが考えられます。
三井住友銀行は、このシステムの提供開始を通じて、金融サービスのデジタル化・自動化の新しい段階へ進むとともに、顧客体験の向上を目指しています。今後の対応業務の拡大や精度向上に注目が集まります。



