三井金属、3万円大台を初突破——業績好調で株価が上場来高値を更新

電子部品大手の三井金属(5706)の株価が2月17日、上場来高値を更新する動きを見せています。同社の好調な業績見通しと、3度目の上方修正が投資家の期待を集める背景にあります。

好調な業績が株価上昇を牽引

三井金属の2026年3月期第3四半期決算は、売上高5,422億円(前年同期比3.1%増)、営業利益717億円(同27.6%増)と増収増益となりました。機能材料セグメントの好調が業績を牽引し、通期予想も大幅に上方修正されています。

同社が上方修正を行うのは今期3度目となり、市場での信頼度が高まっていることがうかがえます。年初来の株価動向を見ると、1月20日の22,040円から2月16日には30,000円にまで上昇し、わずか数週間で約36%の上昇を記録しています。

AI関連需要の拡大がビジネスチャンス

株価上昇の主要因の一つは、AIサーバー向け電解銅箔の好調です。データセンターやAIインフラの急速な拡大に伴い、これらの部品への需要が急増しており、三井金属はそのニーズを満たす重要なサプライヤーとなっています。

電解銅箔はAIサーバーなどの高性能コンピュータに使用される重要な部品であり、AI産業の成長とともに需要が拡大する見通しです。三井金属がこの成長市場でしっかりとした位置を占めていることが、投資家からの評価につながっています。

株価指標からみる評価の高さ

2月17日時点での三井金属の株価は27,460円で、PER(株価収益率)は20.4、PBR(株価純資産倍率)は4.33となっています。また、時価総額は約1,652億円で、発行済株式数は57,415,430株です。

自己資本比率は50.4%と一般的に望ましいとされる30%を大きく上回っており、企業の安定性が高いことを示しています。過去12四半期で業績が改善傾向にあり、純利益率と売上高が前年同期比で持ち直し、自己資本比率も上向きで安定性が増しています。

上方修正の背景と今後の見通し

三井金属が3度目の上方修正を行った背景には、機能材料セグメントの予想以上の好調があります。同セグメントは全体業績の牽引役となっており、AI関連需要の堅調さが継続していることが示唆されています。

有利子負債は減少に向かい、EPSは前年同期比で増加局面が多く振れは小さくなっています。このような財務面での改善も、投資家の買い材料となっており、株価上昇を支えています。

配当についても、会社予想の配当利回りは0.83%で、1株配当は240.00円(2026年3月期)となっています。安定した業績拡大に伴い、配当の増加も期待できる状況です。

市場での投資家の見方

直近のアンケート結果によると、強く買いたいが52.38%、買いたいが20.63%と、買い意欲が圧倒的に強くなっています。一方、売りたいという意見は1.59%、強く売りたいは7.94%に留まっており、市場全体で買い優勢となっています。

出来高も2月17日は2,134,000株と活発な取引が行われており、機関投資家や個人投資家の関心が高まっていることがうかがえます。

今後のポイント

三井金属の株価が3万円大台を初めて突破したことは、同社への期待の大きさを象徴しています。AI需要の継続や機能材料セグメントのさらなる成長が見込まれる中、4度目の上方修正の可能性も指摘する市場関係者も少なくありません。

年初来安値が3,255円(2025年4月7日)だったことを考えると、この数ヶ月間での株価上昇は極めて急速です。ただし、こうした急速な上昇の後には調整が入る可能性も考慮する必要があります。今後の決算情報やAI関連市場の動向が、株価のさらなる上昇を左右するでしょう。

三井金属は、日本の製造業がAI時代にどう適応していくかを示す重要な事例となりつつあります。同社の業績拡大と株価上昇は、グローバルなAI産業との結びつきが強い日本企業の成長可能性を象徴しているのです。

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