香川照之が”厄災の象徴”を怪演!『災 劇場版』が2月20日に全国公開、日常に潜む恐怖を描くサイコサスペンス

WOWOWで放送された『連続ドラマW 災』を大胆に再構築した映画『災 劇場版』が、2026年2月20日に全国の劇場で公開される。香川照之が主演を務め、中村アンをはじめとする主役級のキャストが脇を固める本作は、観る者の信じる恐怖を覆すサイコサスペンスとして、まったく新しい恐怖の形を描く作品だ。

香川照之が6役を演じ分ける”ある男”

本作の最大の特徴は、香川照之が演じる”ある男”の存在である。この男は姿や口調、顔つきに性格や所作まで変えて、別人となって現れ、葛藤を抱えながら現代を生きる罪なき6人の登場人物のもとに近づいていく。香川は本作で6役を演じ分けており、その多面的な演技が作品全体の不気味さを際立たせている。

解禁された本編映像には、女子高生や運送業者、ショッピングモールの清掃員など、さまざまな場所でささやかな日常を送る人々の姿が映し出される。しかし、さまざまな服装や髪型、雰囲気を漂わせた香川演じる男が次々と登場し、「いつどこで誰が災難に合うかなんて誰も分からないんだよ」「人は理由もなく死なないので」といった意味深な台詞とともに、不安を煽るカットが続く。車の下敷きになった足元や海に浮かぶ髪の毛といった不穏なイメージが、観客の恐怖心をかき立てるように構成されている。

刑事3人の個性が光る捜査劇

本作では、神奈川県警捜査本部の刑事・堂本翠を演じる中村アン、飯田剛を演じる竹原ピストル、菊池大貴を演じる宮近海斗の3人の刑事が登場する。この3人の刑事が、ある女子高生の死亡事件を巡り議論を繰り広げる場面が本編映像として公開された。

監督を務める関友太郎と平瀬謙太朗は、この3人のキャスティングについて明かしている。関監督は中村アンについて、「普段のパッと明るく華やかなイメージとは違う、理論派で仕事に没頭する中村アンを見せたいと思っていました。実際にトーンが低い中村さんはすごくかっこよかった」と語った。

一方、平瀬監督は竹原ピストルが演じた飯田について、「作品全体として暗いトーンなので、くしゃくしゃっと笑って、誰にでも好かれやすいキャラクターにしたいと思っていました。結果として竹原さんの持つ雰囲気も相まって、理論派の堂本に対して情に深い飯田という対照的な存在に仕上がって良かった」と述べている。

このように、3人の刑事は異なる温度感を持つキャラクターとして設定されており、その掛け合いが作品全体にグラデーションを与え、効果的に作用しているのだ。

監督集団「5月」の哲学が詰まった作品

本作の監督・脚本・編集を務める関友太郎と平瀬謙太朗からなる監督集団「5月」は、斬新な映像表現で知られている。両監督の長編デビュー作『宮松と山下』(2022年)は、スペインのサン・セバスティアン国際映画祭に正式招待され、その後、本作『災 劇場版』も2025年度のサン・セバスティアン国際映画祭へコンペティション部門での正式招待を成し遂げた。

本作は、ただのサスペンス映画ではなく、日常に潜む不条理と恐怖を描く群像劇として構成されている。香川照之演じる”ある男”が無慈悲に降りかかる”災い”の存在を通じて、誰もが予測不可能な危機にさらされている現代社会の本質を問い直す作品なのである。

豪華キャスト陣が集結

本作には、香川照之と中村アン以外にも、竹原ピストル、宮近海斗、中島セナ、松田龍平、内田慈、藤原季節、じろう(シソンヌ)、坂井真紀、安達祐実、井之脇海といった実力派の俳優たちが出演している。このように豪華なキャスト陣が結集することで、本作は複数の視点から”災い”の本質に迫る多層的な群像劇となっている。

作品情報

『災 劇場版』は、2026年2月20日(金)に新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷をはじめとする全国の劇場で公開される。上映時間は128分で、レイティングはPG12となっている。配給はビターズ・エンドが担当し、制作プロダクションはAOI Pro.、劇場版製作幹事は電通である。

香川照之は、本作について「この世界に触れていない人はまず映画から観てもらいたい」とコメントしており、ドラマ版を見ていない観客にもこの世界観を届けたいという思いを表現している。一方、中村アンは「堂本と同じ目線で不可解な事件を追いかけていただける」と述べており、観客が主人公の刑事とともに事件の真実を追求する体験ができることを示唆している。

本作『災 劇場版』は、WOWOWのドラマ版とは異なる恐怖の形を描く大胆な再構築により、新たなサイコサスペンスの傑作として映画ファンから期待を集めている。日常に潜む不条理な恐怖を、香川照之の怪演と優れた映像表現で描き出す本作は、2月20日の公開をもって、観客たちに「誰もが、自分には関係ないと思っていた」という常識を覆す体験をもたらすだろう。

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