倒産危機から驚異の復活!京都発「よーじや」が描く新しい未来

120年以上の歴史を持つ老舗ブランドの大変身

創業120年を超える京都の老舗ブランド「よーじや」が、テレビ東京の経営者向けドキュメンタリー番組『カンブリア宮殿』で特集されました。あぶらとり紙の代名詞として知られてきた同社が、倒産寸前の経営危機から復活を遂げつつあるその舞台裏が明かされています。

観光客に依存したビジネスモデルの限界

かつてのよーじやは、修学旅行生や外国人観光客を中心とした「京都土産の定番ブランド」として成長してきました。あぶらとり紙は同社を代表する商品となり、多くの観光客に愛されていたのです。

しかし、その成功の陰には深刻な経営課題が潜んでいました。「お土産ブランド」というイメージが固定化され、観光客に依存したビジネスモデル、そして単一商品に頼る商品構成という3つの大きな問題を抱えていたのです。

追い打ちをかけたのが新型コロナウイルスの感染拡大です。観光客が激減し、売上は大幅に落ち込み、経営は倒産寸前にまで追い込まれました

29歳の若き代表による大胆な改革

危機的状況の中で、2019年に大きな転機が訪れます。当時29歳の國枝昂が5代目代表に就任したのです。

國枝は大阪大学経済学部を卒業後、大手監査法人でのキャリアを経てよーじやに入社しました。老舗の看板を背負いながら、彼が打ち出したのは「脱・あぶらとり紙」「脱・観光依存」という大胆な改革戦略でした。

「伝統を守るために、あえて変化する」——このコンセプトのもと、よーじやは根本的な事業転換に踏み切ったのです。

新しい成長戦略:「京都から顧客の近くへ」

國枝が選んだ発想の転換は、シンプルながら革新的でした。かつてのよーじやは「京都に来た人」に向けた商売が中心だったのに対し、新しい戦略は「京都から顧客の近くへ行く」というアプローチを採ったのです。

これは、オーバーツーリズムや国内観光客の減少という社会的な背景を背景に、同社が生き残るために必要不可欠な選択でした。

ブランドの象徴的な変化:60年続いたロゴマークの刷新

改革を象徴する出来事として、60年間続いたロゴマークの変更が昨年3月に断行されました。よーじやの象徴的存在だった手鏡の女性イラストから、シンプルな文字のロゴマークへと変更されたのです。

このロゴマーク変更は、単なるデザイン面での更新ではなく、「京都発のライフスタイルブランド」への生まれ変わりを宣言する重要な施策となっています。

多角化戦略:カフェと飲食事業への進出

商品ポートフォリオの多角化も急速に進められています。昨年2月には、京都市内によーじやの看板を掲げたカフェをオープンさせました。

店内はほぼ満席の繁況となっており、顧客に愛されるスポットになっています。ここでは、新しいロゴマークを入れたスイーツなど、同社の新しい商品開発の成果が提供されています。

さらに、昨年は京都市内にそば店もオープンさせており、昼時には行列ができるほどの人気を集めています。このそば店では、手頃な価格で質の高い食事が提供されており、地元の顧客から高い評価を受けています。

地元の日常に寄り添う新業態「26ダイニング」

そして昨年11月には、さらに新しい業態「26ダイニング」をオープンさせました。

この施設では、京都産の食材を使った創作料理を提供しており、「観光客のための店」ではなく「地元の日常に寄り添う店」を目指しているのが特徴です。この取り組みは、観光依存からの脱却を実現させるための重要な施策となっています。

「京都発のライフスタイルブランド」への進化

よーじやが目指す今後の方向性は明確です。コーポレートとブランドの整理を行い、「京都発のライフスタイルブランド」として生まれ変わることが宣言されています。

これまでのあぶらとり紙一本足の経営から、化粧品や飲食事業を含めた複合的なライフスタイル提案へのシフトは、同社が単なる一時的な対応ではなく、構造的な事業転換を進めていることを示しています。

番組放送を機に改めて注目される老舗企業の挑戦

2月5日にテレビ東京『カンブリア宮殿』で放送されたこの特集は、倒産危機から復活を遂げつつある老舗企業の知られざる再生戦略を世に知らしめました。

番組では、國枝代表がゲストとして出演し、経営危機の実態から新しい経営ビジョンまで、詳細な説明が行われています。

視聴者はTVerでのリアルタイム配信、あるいはテレ東BIZでの見逃し配信で、この感動的な企業再生のストーリーを視聴することができます。

今後への期待

120年以上の歴史を持つよーじやが、創業以来最大の危機を乗り越え、新しい時代に向けて力強く前に進んでいます。伝統を守りながら革新する——この難題に挑むよーじやの今後の展開は、日本の老舗企業がどのようにして時代の変化に適応していくのかを示す重要な事例となるでしょう。

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