三菱商事、4~12月期純利益26%減も業績回復は順調――株価は最高値を更新

三菱商事【8058】は2月5日、2025年度第3四半期(4~12月期)の連結純利益が前年同期比26.5%減の6079億円となったことを発表しました。一見すると減益となっていますが、実は同社の業績回復は順調に進んでいることが決算内容から読み取れます。

純利益減の主な要因

純利益が26%減となった背景には、前年同期に計上された特殊要因の反動があります。具体的には、前年度に計上した炭鉱の売却益やローソンの再評価益などの一時的な利益が、今期にはなくなったことが大きく影響しています。さらに、欧州送電事業における英国事業の売却益の反動も業績に影響を与えています。

つまり、前年同期は不動産や事業の売却による特別な利益が積み重なった時期であり、今期はそうした一時的な利益がない中での比較となっているわけです。これは、基本的な事業運営による利益を示す「巡航利益」の観点では、決してマイナスの展開ではありません。

3Q(10~12月期)は20%の増益で業績回復を実証

注目すべき点は、最新3ヶ月の実績である10~12月期(3Q)の連結最終利益が前年同期比20.4%増の2521億円に伸びたことです。これは累計ベースでの減益とは異なり、直近の業績が力強く回復していることを示しています。

米州電力事業でのトレーディング事業利益の増加や、各セグメントでの営業収益キャッシュフロー創出が順調に進んでいるなど、基礎体力のある事業からの貢献が拡大しています。

通期計画に対する進捗率が5年平均を上回る

さらに重要なのが、通期計画の達成見通しです。第3四半期累計の連結純利益6079億円は、同社が掲げる通期計画7000億円に対する進捗率が86.8%に達しています。過去5年平均の進捗率81.4%を上回っており、通期目標の達成が十分可能な水準であることがうかがえます。

実際、同社が発表した第3四半期累計の実績と据え置いた通期計画に基づいて試算すると、残る1~3月期(4Q)の連結純利益は前年同期比25.3%減の920億円と予想されています。これを加えると通期では計画を達成できる見込みとなっています。

株価は最高値を更新――市場の評価は好意的

決算発表を受けた株式市場での反応は極めて前向きです。純利益が前年同期比で減少しているにもかかわらず、株価は最高値を更新しています。これは市場参加者が、減益の主要因が一時的な反動であり、基礎体力のある事業の回復が進んでいることを正しく評価していることの表れといえます。

営業収益キャッシュフロー創出も堅調

営業面でも、2025年度の営業収益キャッシュフロー創出が通期見通し0.92兆円に上方修正されており、資金創出能力の高さが確認されています。各事業セグメントで営業収益キャッシュフロー創出が順調に進んでおり、同社の事業ポートフォリオが着実に成果を上げていることが伺えます。

今後の展開――上振れ期待が高まる

市場では、同社が複数の資産・事業リサイクル案件を検討中であることに注目しており、これらの案件が顕在化すれば通期業績が上振れする可能性があると期待されています。また、一時的に減益となった主力事業からの回復を今後織り込むことで、さらなる利益の拡大が見込めるという見方もあります。

総合評価

三菱商事の最新決算は、一見すると減益という数字が目立つものの、実質的な業績回復が進み、通期計画達成が視野に入っていることが確認できる内容となっています。直近3ヶ月の増益、進捗率の高さ、営業キャッシュフロー創出の堅調さなど、複数の指標が同社の健全な事業運営と利益創出能力を示しており、株価最高値更新という市場評価に値するものといえるでしょう。

今後、資産・事業リサイクルの進捗や主力事業の回復がどの程度織り込まれるかが、さらなる株価上昇の鍵となる可能性があります。

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