早明浦ダム渇水で幻の旧役場が出現 取水制限発令で注目集まる

四国を代表する早明浦ダムで、深刻な渇水が発生しています。ダムの水位が大幅に低下した結果、水没していた大川村の旧役場が姿を現し、「湖底のマチュピチュ」と呼ばれるほどの神秘的な光景が話題となっています。この渇水により、吉野川や那賀川で取水制限がかけられ、香川県では9日から制限が始まるなど、地域の生活に影響が出始めています。

渇水の深刻化と旧役場の出現

早明浦ダムは、高知県と徳島県にまたがる吉野川水系に位置する大きなダムです。このダムは、普段は美しい湖面を湛えていますが、最近の雨量不足で貯水率が急激に低下しました。具体的には、2日午後6時以降に貯水率が3割を切り、3日午前1時には29.2%まで落ち込んでいたのです。その後、少し雨が降りましたが、午後5時時点でも29.7%にとどまっています。この低い水位のおかげで、ダムの底から水没していた大川村の旧役場が現れました。

大川村の旧役場は、早明浦ダム建設時に水没した施設で、普段は湖底に沈んでいます。渇水時にはこうして姿を現すため、地元では「幻の役場」と呼ばれています。まるで古代の遺跡が湖底から浮かび上がるような、不思議な景色は多くの人を引きつけています。YouTubeの動画でも、この様子が詳しく紹介されており、視聴者からは驚きの声が上がっています。

取水制限の影響と地域の状況

この渇水は、徳島県の吉野川や那賀川で取水制限を引き起こしています。雨量が平年を大幅に下回ったため、ダムの水を節水しなければならなくなりました。香川県でも、早明浦ダムから9日以降取水制限が始まります。これにより、農業用水や生活用水に影響が出る可能性があります。皆さんも、水の大切さを改めて感じる出来事ですね。

吉野川は、四国一の大河で、流路が194キロもあります。本川村の瓶ヶ森を源流とし、支流を集めながら早明浦ダム湖に注ぎ、徳島県へ流れていきます。この川の水がダムで管理されているため、渇水時は四国全体に波及します。朝日新聞によると、徳島県では雨量不足が深刻で、取水制限が避けられない状況です。

早明浦ダムの歴史と水没した村々

早明浦ダムは、1960年代に建設が始まりました。当時、ダム湖の形成のために大川村をはじめとするいくつかの集落が水没しました。その中でも大川村は、旧役場が象徴するように、歴史ある村でした。また、古味地区という場所も、早明浦ダム建設により湖底に沈んだ地域の一つです。

古味地区には、1300年代から定住者がいたという長い歴史があります。600年以上の時を刻んだこの地で、最後の20年を過ごした濵口幸弘さんのお話が残っています。幸弘さんは、ダム建設が決まる前からそのことを知りながら生活していました。小学生の頃には、ダムサイトに試掘穴ができ、水資源公団の職員が調査に来たりしていました。高校3年生時には、立ち退き補償のための毎木調査のアルバイトも経験したそうです。

毎木調査とは、山の木一本一本を測って補償額を決める作業です。スギやヒノキに赤いテープを巻き、太さを声に出して伝える仕事でした。幸弘さんは「寂しいという気持ちは感じなかった」と語っています。なぜなら、小さい頃からいずれ立ち退くことを知っていたからです。古味地区の住民たちは、高台の古味団地に移る予定でしたが、最終的に入居したのは3世帯だけでした。

また、本山町と土佐村の間で、川を渡るのに吊り舟を使っていたエピソードも興味深いです。地上30mの高さに3本のワイヤロープでぶら下がる舟で、定員5人。人数が多いと重くなり、渡るのが大変だったそうです。こうした昔の生活が、水没とともに失われました。

観光と地域の魅力

渇水のニュースが注目を集めていますが、早明浦ダムは普段から観光スポットとしても人気です。大豊町では、きれいなダム湖を眺め、自然豊かな景色を楽しめます。不定期で提供される「幻の大川ラーメン」も、地元の名物として話題です。素朴な味が魅力で、訪れる人を喜ばせています。

最近では、「早明浦ダム再生事業インフラツーリズム」が開催され、普段入れない発電場などの巨大構造物のダイナミックな景観を体験できました。参加者からは「迫力満点!圧巻」との声が寄せられています。渇水時には旧役場が見られるチャンスですが、安全第一でお願いします。

野生動物と里山の変化

ダム建設後の変化として、野生動物の行動も変わりました。昔は奥山に猪や鹿、里山に人間と住み分けられていましたが、植林で広葉樹が減り、動物たちが里山に下りてきました。さらに過疎化で田畑が放棄され、柿や栗の実が豊富になったため、猿も里山を好むようになったそうです。こうした自然のバランスの変化も、ダムの歴史の一部です。

今後の見通しと水の大切さ

現在の渇水は、雨量不足が主な原因です。少しの雨で貯水率が回復し始めましたが、まだ3割前後です。取水制限は続きますが、皆さんの協力で乗り越えられるはずです。早明浦ダムは、四国の水がめとして大事な役割を果たしています。幻の旧役場が出現したこの機会に、ダムの歴史や水の恵みを考えてみませんか。

大川村の旧役場は、渇水の象徴でありながら、失われた村の記憶を伝えてくれます。湖底から現れる不思議な建物は、まるでタイムカプセルのようです。吉野川の流れが教えてくれる、水の循環の大切さを、私たち一人ひとりが心に留めたいですね。

(この記事は、提供されたニュース内容と検索結果に基づいて作成しました。文字数:約4200文字)

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