諏訪湖の「御神渡り」8年連続で出現せず 戦国時代以来の最長記録に並ぶ
長野県諏訪湖で、冬の風物詩として知られる神秘的な自然現象「御神渡り(おみわたり)」が、今年も姿を見せませんでした。2026年2月3日時点で、8年連続の不出現となり、戦国時代以来の最長記録に並ぶことになりました。このニュースは、地元の人々や多くのファンの間で大きな話題となっています。
御神渡りとはどんな現象? わかりやすい仕組みを解説
まず、「御神渡り」とは一体何なのか、優しくお伝えしますね。諏訪湖は冬になると全面的に凍ります。その氷の上を横断するように、大きな氷の山脈のような筋が現れるんです。この筋は高さ1メートル以上にもなり、長く伸びて湖面を神聖に飾ります。まるで神様が湖を渡るような壮大な景色で、古くから信仰の対象となっています。
どうしてこんな不思議な現象が起きるのでしょうか? 科学的に言うと、諏訪湖が完全に凍ったあと、日中は太陽の暖かさで表面が少し溶け、夜になると急激に冷えて氷が盛り上がるんです。この**寒暖差**が繰り返されると、湖底から氷が押し上げられて美しい筋状の**御神渡り**ができます。条件は厳しく、**零下10度以下が3日以上続く**ような強い寒波が必要です。
御神渡りが出現しない年は、地元では「**明けの海**」と呼びます。湖面が開いたまま春を迎える様子を、優しく表現した言葉です。今年はまさにその「明けの海」で、八剱神社(諏訪市小和田)が最終的に宣言する見込みです。
583年もの長い歴史と記録のすごさ
諏訪湖の御神渡りは、世界的に見ても珍しいほど長い観察記録があります。1443年(嘉吉3年)から八剱神社の氏子たちが記録を続けていて、今年で**583年目**。総出現回数は503回以上で、出現率は約86%です。江戸時代などは、出現しない年の方が珍しかったんですよ。
記録を振り返ってみましょう。
- 過去の最長不出現記録:1507年の記録に「8年間神渡りなきにより」とあり、室町時代末期(戦国時代)以来の長さでした。
- 明治維新時:4年連続不出現がありました。
- 2000年以降:24年間でわずか7回(2003、2004、2006、2008、2012、2013、2018年)しか出現していません。
直近では、2018年2月が最後の出現。以降、2019年から2025年まで7年連続で「明けの海」。そして2026年も、2月3日の立春に氷面が十分に広がらず、不出現が濃厚となりました。これで**8年連続**となり、512年ぶりに戦国時代の記録に並びます。
今年の状況:氷が広がらず、期待が高まったのに…
2026年の冬、諏訪湖は例年通り1月5日から観察が始まりました。ライブカメラで多くの人がリアルタイムで見守り、**八剱神社**の宮坂さんが中心となって湖面をチェック。最初は冷え込みが弱く、薄氷が日中溶けてしまう日が続きました。
しかし、立春の2月3日近くになると、少し期待が高まりました。小さな氷の筋が見えたという声も。でも、最終判定は2月4日頃で、残念ながら御神渡りは形成されませんでした。零下10度に達したのはわずか1度だけ。日差しが強くなり、氷がなかなか張りません。
宮坂さんは「氷に覆われた諏訪湖は美しいですが、日差しが長くなっています」と語っています。観察会終了後も、訪れた人々が湖面を見つめ、談笑する姿が見られました。100人以上が集まる日もあり、みんなの思いが湖に向けられていました。
地球温暖化の影響? 伝統文化への懸念
なぜ近年、御神渡りがこんなに現れなくなったのでしょうか? 多くの専門家や地元の方が指摘するのは、**地球温暖化**です。冬の冷え込みが弱く、寒暖差が起きにくくなっています。諏訪湖の水深が浅い(平均5.8メートル)のも、気温変化に敏感な理由です。
宮坂さんは「基本的に冷えが少ない。7年連続不出現は、中学生でも御神渡りを見た人が少ないということ。文化の伝承が大変です」と心配しています。583年間で不出現は81回目ですが、連続8年は異例。室町時代は戦乱の影響かも知れませんが、今は気候変動が大きな要因です。
温暖化の影響は御神渡りだけじゃありません。諏訪湖の花火大会が秋に変更されたり、祭りの木材が枯れたり、伝統行事に影を落としています。でも、こんな中でも人々が集まり、湖を眺める姿は心温まりますね。
諏訪大社と信仰の深い結びつき
御神渡りはただの自然現象じゃありません。**諏訪大社**の信仰と深くつながっています。神様が湖を渡る「神渡り」として、上社・下社が神を迎える儀式なんです。八剱神社は御神渡りの守り神で、毎年観察を続けています。
古くから「御神渡りが出現すると、その年は豊作や平和」と信じられてきました。出現しない「明けの海」でも、みんなで祈りを捧げます。諏訪の人々にとって、冬の大切な風物詩です。
見に行けなかった人も! ライブカメラや次への期待
今年も諏訪湖周辺のライブカメラが活躍しました。自治体やメディアが配信し、全国から注目。実際に見に行けなくても、家でチェックできたのは嬉しいですね。
中学生以上が御神渡りを見ていない状況ですが、次はいつ現れるでしょうか? 冷夏の年や強い寒波が来れば、きっとまた美しい山脈が湖を横断します。諏訪を訪れる際は、諏訪大社にも立ち寄ってみてください。神秘的な空気に触れられますよ。
この8年連続の記録は、気候の変化を教えてくれます。一方で、583年の歴史が続く諏訪湖の魅力は変わりません。みんなで湖面を見守り、伝統を大切にしていきましょう。



