デンソーが主導するパワー半導体市場の急変、EV失速でも長期生産体制を強化へ
みなさん、こんにちは。最近、電気自動車(EV)の勢いが少し落ち着いてきた中で、パワー半導体と呼ばれる大事な部品の市場が大きく変わりつつあります。このニュースの中心にいるのが、デンソーです。EVの普及が思ったより遅れているのに、世界のメーカーが生産計画を見直す中、デンソーは富士電機などと手を組み、長期的な視点で生産体制をしっかり整えようとしています。今日は、この話題をわかりやすくお伝えしますね。
パワー半導体とは? EVに欠かせない「電力の司令塔」
まず、パワー半導体について簡単に説明しましょう。パワー半導体は、電気を効率よくコントロールする部品です。例えば、EVのモーターを動かすために、バッテリーの電力を上手に変えたり、送ったりする役割を果たします。普通の半導体が小さな信号を扱うのに対し、パワー半導体は大きな電力を扱うので、とても重要なんです。
特に注目されているのが、SiC(炭化ケイ素)という素材を使ったパワー半導体です。従来のSi(シリコン)製に比べて、電力損失が少なく、熱に強いので、EVの航続距離を伸ばしたり、充電時間を短くしたりできます。中国ではSiのパワー半導体の内製化率が60%近くに達しようとしていて、世界の最前線で競争が激しくなっています。
でも、EVの販売が世界的に失速気味で、市場環境が急変しています。メーカーは短期的に計画を見直さざるを得ない状況ですが、デンソーはそんな中でも、長期的視点で生産体制を整備しようと動いています。これが今回のニュースのポイントです。
デンソーと富士電機の協業、経産省が認定! 総額2116億円の計画
2024年11月29日、デンソーと富士電機は、共同で申請したSiCパワー半導体の供給確保計画が経済産業省に認定されたと発表しました。この計画の事業総額は2116億円で、最大705億円の助成金を受け取る予定です。
この協業の狙いは、日本国内でのSiCパワー半導体の安定供給体制を築くこと。デンソーはウエハー(半導体の基板)から素子、モジュール、インバーターまで幅広いSiC技術を持っています。一方、富士電機はパワー半導体の開発から量産まで一貫した体制を備えています。両社の強みを活かして、車載分野の生産能力を大幅に強化します。
具体的な生産拠点は、デンソーの大安製作所と幸田製作所、富士電機の松本製作所です。大安製作所では2026年9月から供給開始で、8インチ換算で年産6万枚。幸田製作所は同じく2026年9月から年産10万枚を予定しています。富士電機の松本製作所は2027年5月からで、SiCエピタキシャルウエハー年産24万枚、SiCパワー半導体年産31万枚を目指します。
経産省は「経済安全保障推進法」に基づき、この計画を含む8件を認定。助成総額は最大約1000億円です。武藤容治経済産業相は「生産拠点を集約し、欧米のトップ企業並みの供給能力を確保する」と述べています。
デンソーの半導体戦略、5,000億円投資でモビリティ分野をリード
デンソーは半導体に本気です。2023年度から2030年度までに、半導体領域へ累計5,000億円の投資を計画し、すでに実行に移しています。パワー半導体やSoC(システム・オン・チップ)で、モビリティ分野の技術優位性を築くのが目標です。
特に、次世代パワー半導体デバイスでは、SiCで損失を50%低減し、Si同等のコストを実現する計画。8インチウエハーの生産を3年前倒しで進め、欧米競合に匹敵する技術力を目指します。自社工場を活用し、日系他社との協業も進めています。
デンソーのKPI(重要業績評価指標)では、規格化オン抵抗の低減、製造工程の負荷低減、Φ8新規プロセスの構築(2026年)、次世代SiCインバーター損失を50%以上削減(現行Si比70%減、現行SiC比50%減)などが掲げられています。これで、車載SiCパワー素子を世界で牽引します。
組織再編で半導体事業を加速、2026年1月1日新設「セミコンダクタ事業グループ」
デンソーの本気度を示すのが、組織変更です。2026年1月1日付で、セミコンダクタ事業グループを新設します。これまで「先進デバイス事業グループ」内の「セミコンダクタ事業部」と関連部門を統合し、半導体に特化した体制を構築。車載領域の中長期戦略を一元的に推進します。
同時に、「パワートレインシステム事業グループ」を新設し、電動化と内燃機関を横断した事業を強化。「システムコントロールコンポーネント事業グループ」も作り、モータやセンシングなどの基盤技術をまとめます。変化に素早く対応できる組織を目指しています。
業界全体の課題:規模の経済と主導権争い
パワー半導体で生き残る鍵は「規模」です。ローム、東芝、デンソーなどの大手が協業を模索していますが、主導権争いが壁となっています。EV失速で市場が厳しくなっても、長期視点で生産体制を整えることが大事です。中国のSi内製化率60%という動きを見ても、日本勢の連携が急務ですね。[ニュース内容2][ニュース内容3]
デンソーの取り組みは、富士電機との協業だけでなく、全体のサプライチェーン強化につながります。富士電機は津軽セミコンダクタでSiCの試作・量産を進めています。
今後の供給スケジュールと期待される効果
まとめると、供給開始は2026年9月からデンソーの工場で、2027年5月から富士電機で本格化。生産能力は8インチ換算で大規模です。これにより、日本はSiCパワー半導体の供給不足を解消し、EVや各種機器の安定供給が可能になります。
みなさんも、EVに乗る機会が増える中、こうした裏方の技術が支えているんです。デンソーのような企業が頑張ることで、私たちの生活がより快適になりますね。市場の急変に負けず、前進する姿に注目です。
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