ファナック、2026年3月期通期業績を上方修正 中国需要好調で純利益1580億円へ

産業用ロボット大手のファナックが、2026年3月期(2025年4月~2026年3月)の通期業績予想を上方修正しました。経常利益を従来予想の1963億円から2143億円に引き上げ、9.2%の上方修正となります。これに伴い、親会社株主に帰属する当期純利益も1430億円から1573億円へ上方修正されました。

上期(4~9月)は好調な滑り出し

2026年3月期第2四半期(4~9月)の中間決算が先月発表され、同社の業績好調ぶりが明らかになっています。売上高は前年同期比5.1%増の4,075億68百万円に達し、経常利益は前年同期比13.8%増の1079億円となりました。

注目すべき点として、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比14.0%増の79億820万円を記録し、2期連続の増益を達成しています。営業利益も前年同期比13.6%増の859億64百万円となるなど、全般的に堅調な業績となっています。

中国向けの需要が業績を牽引

業績好調の背景には、中国向けの需要が好調だったことが挙げられます。グローバル経済の不確実性が続く中でも、中国市場からの受注が堅調に推移し、売上・利益を押し上げた要因となっています。同社の主力製品であるロボットや工作機械などの需要が、中国の製造業などで引き続き旺盛であることが窺えます。

通期予想も8.9%増益へ上方修正

通期業績の改善は上期の好調さを反映したものです。売上高については、従来予想の807,000百万円から818,800百万円へ上方修正(1.5%増)され、これは2022年度以来の8,000億円超えとなる過去最高水準を目指すものとなっています。

営業利益についても、従来予想の1595億円から1759億円へ上方修正(10.3%増)となりました。これにより、純利益については1430億円から1573億円へ上方修正(10.0%増)となっています。同社全体として一転して8.9%の増益見通しに転じたことになります。

為替レート想定も織り込み

同社の業績予想では、今後の為替変動についても想定されています。2025年10月から2026年3月までの期間における平均為替レートを、1ドル140円、1ユーロ165円と想定しており、これらを踏まえた上での業績見通しとなっています。

市場との評価のズレ

ただし、市場の評価は若干異なります。新たに発表された純利益1573億円という数字に対して、一部の市場予想ではより高い数字が期待されていたとの報道もあり、今回の上方修正が市場予想を若干下回るという評価もなされています。ただし、営業利益の上方修正幅が10.3%と大きいことから、同社の営業効率の改善が順調に進んでいることが窺えます。

キャッシュフローの改善

財務面での改善も見られます。営業活動によるキャッシュフローは増加し、一方で財務活動における自己株式取得による支出が減少するなど、より健全な財務運営へとシフトしているようです。これは将来の事業拡大や株主への配当などへ向けた体力の温存を意味しており、中期的な経営基盤の強化策と考えられます。

今後の展望

ファナックは、製造業向けのロボット・工作機械メーカーとして、グローバル経済の回復局面において重要な企業です。今回の業績上方修正は、中国を含むアジア地域での需要が想定以上に堅調であることを示すシグナルとなっています。

同社は売上高で過去最高の8,000億円超えを目指す計画であり、これが実現すれば企業にとって大きなマイルストーンとなるでしょう。今後も中国向け需要の動向や為替変動に注視しながら、通期目標の達成状況が注目されます。

なお、配当については、今期の年間配当は現在のところ未定とされており、上期の好調な業績をどのように株主還元に反映させるかについては、今後の経営判断が待たれるところです。

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