映画「国宝」が米アカデミー賞メイク・ヘアスタイリング賞にノミネート 邦画初の快挙達成
2026年1月22日、第98回米アカデミー賞のノミネーション発表が行われ、日本映画「国宝」がメイクアップ&ヘアスタイリング賞に選出される歴史的な快挙を達成しました。邦画がこの部門でノミネートされるのは史上初となります。
大ヒット映画「国宝」とは
李相日監督がメガホンを取った映画「国宝」は、吉田修一氏の同名小説を映画化した作品です。2010年から構想を温めてきた李監督が、日本の歌舞伎の世界を圧倒的な映像美で描き出しています。
物語は、任侠の家に生まれながらも歌舞伎役者の家に引き取られた喜久雄の50年にわたる人生を追うものです。稀代の女形として才能を開花させながらも、歌舞伎の血筋を持たぬ出自に苦悩する主人公・喜久雄を、吉沢亮が熱演しており、横浜流星や渡辺謙、田中泯といった実力派キャストが脇を固めています。
特に注目されたのは、吹き替えなしの歌舞伎シーンです。歌舞伎俳優役を務めたキャストが、本物の歌舞伎の技を披露しており、その迫力のある映像が話題を呼びました。
邦画実写映画の歴代最高記録を更新
2025年6月6日に公開された「国宝」は、公開以来息の長い興行成績を記録しています。日本国内では22年ぶりの記録更新となる邦画実写ナンバーワンの興行収入を記録し、社会現象を巻き起こしました。
その実績とは、2003年に公開された「踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」の173.5億円の興行収入を超えるというもの。公開から約7ヶ月後の2025年11月には、この大台を突破しました。さらに2026年1月19日時点では、累計興収が193億円を突破しており、引き続き映画館での上映が続いています。
1月16日からはIMAX版での上映がスタートし、公開33週目を迎えながら映画週末ランキングで第2位にランクインするなど、根強い人気を保ち続けています。
国際映画祭での高い評価
「国宝」の評価は国内にとどまりません。海外でも数々の映画祭で注目されており、第78回カンヌ国際映画祭の監督週間部門をはじめ、上海国際映画祭、トロント国際映画祭、釜山国際映画祭など、世界的な映画祭に出品されています。
また、映画配給会社GKIDSによる2026年の北米公開も決定しており、国際的な展開が進行中です。2025年12月には、ロサンゼルスで俳優トム・クルーズ主催の上映会が行われるなど、ハリウッドの関係者からも高い関心が寄せられています。
メイク・ヘアスタイリング賞での邦画初ノミネートの意味
今回のアカデミー賞ノミネートは、日本映画界にとって特別な意味を持っています。これまで邦画がこの部門でノミネートされたことはなく、今回が史上初となるからです。
メイクアップ&ヘアスタイリング賞の候補となるには、映像表現における卓越した技術と創造性が求められます。歌舞伎の白塗りメイクや髪結いの技術といった、日本の伝統芸能に基づくメイク・ヘアスタイリングが、アカデミー賞という世界最高峰の映画賞で認められたことは、日本の映画製作技術と文化的価値が国際的に高く評価されていることを示しています。
ノミネートに伴い、李相日監督、豊川京子(ヘアメイク)、日比野直美(歌舞伎メイク)、西松忠(歌舞伎床山)が連名でコメントを発表。メイクアップ&ヘアスタイリング賞での受賞となれば、邦画初の快挙となります。
国際長編映画賞のショートリストは逃す
一方で、「国宝」は国際長編映画賞でも注目されていました。同部門の最終候補15本(ショートリスト)に残っていたものの、最終ノミネート(5作品)を逃してしまいました。この部門でのノミネート獲得は実現しませんでしたが、メイク・ヘアスタイリング賞での選出によって、映画としての評価は十分に認められたと言えるでしょう。
受賞式は3月16日に開催予定
第98回アカデミー賞の授賞式は、3月16日(日本時間)にアメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催される予定です。メイクアップ&ヘアスタイリング賞での受賞の有無について、多くの日本映画ファンが注視しています。
「国宝」は、邦画実写映画として歴代最高の興行収入を記録し、アカデミー賞でも初のノミネートを獲得するなど、2025年から2026年にかけて日本映画界における最大級のヒット作となりました。今後の受賞式での結果が注目されます。




