ソフトバンクG、英アーム急騰で11%高 AI半導体企業への変貌が評価
2026年1月、ソフトバンクグループ(9984)の株価が大きく上昇しました。傘下の英アームの株価が急騰したことが追い風となり、ソフトバンクGの株価も11%の上昇を記録しています。昨年11月の安値以降、底堅い値動きを見せていたソフトバンクGですが、今月に入ってアームの好調な動きを受けて、さらなる上昇ペースを加速させています。
アームのビジネス転換が市場を魅了
アームの株価が力強い上昇を見せている背景には、同社の事業構造の大きな変化があります。従来、アームは「チップ設計のライセンス企業」として知られていました。しかし、昨今のAI市場の急速な拡大に伴い、アームは「AI半導体の直接供給者」へとビジネスモデルをシフトさせています。このような事業の転換が、市場からの高い評価につながっているのです。
AI技術の急速な発展により、高性能な半導体の需要が急増しています。特に生成AI技術の普及に伴い、ChatGPTなどのAIサービスを支えるデータセンター用の半導体需要は爆発的に増加しています。アームがこの成長市場に直接参入することで、市場は同社の将来成長性に大きな期待を寄せているのです。
ソフトバンクGの回復基調が鮮明に
ソフトバンクグループは、昨年4月の年初来安値5,835円(終値)から、わずか半年あまりで株価が4倍弱に上昇するという劇的な上昇を経験しました。その後、11月25日には一時1万5,180円まで下がるなど、調整局面を経験しましたが、その後の値動きは比較的堅調です。
2026年1月21日時点では、ソフトバンクGの株価は3,875円で前日比+0.62%の上昇となっています。日経平均株価が▲0.41%の下落、TOPIXが▲0.99%の下落という相場環境の中でも、ソフトバンクGが反発したことは注目に値します。この強さの源泉は、傘下企業であるアームの好調さにあると言えるでしょう。
AI投資の多角化がソフトバンクGの強みに
ソフトバンクグループの強みは、単一の企業への投資に依存していない点にあります。同社は米国のOpenAIに11%出資(投資予約分含む)しており、ChatGPTなどの生成AI技術の発展による恩恵を受けています。一方、傘下企業のアームを通じてAI半導体市場に直接参入することで、AI産業全体のバリューチェーンに幅広くポジションを構築しています。
2025年9月末時点での連結純利益は前年同期比2.9倍の2兆9,240億円と過去最高を更新し、その中でもOpenAIへの投資評価益が2兆1,567億円計上されるなど、AI関連投資が利益の大きな源泉となっています。
市場環境の改善も追い風に
ソフトバンクGの株価上昇には、市場環境の改善も寄与しています。半導体やAI関連株全体が、2026年の重要なテーマとして市場で注目を集めるようになったのです。自民党の高市総裁が首相に選ばれる公算が大きくなり、「高市トレード」が再燃する中、半導体・AI関連銘柄が次々と買われています。
アームと並ぶ半導体メモリ大手のキオクシアホールディングスも上場来高値を更新するなど、半導体セクター全体が強気相場を形成しています。このセクターの強さが、ソフトバンクGの上昇を加速させているのです。
投資家が注視すべきポイント
ソフトバンクGの時価総額は2026年1月21日時点で22兆1,334億円となっています。配当利回りは0.28%と低い水準ですが、PBR(実績ベース)は1.55倍となっており、投資家の間では割高感もあるとの評価が分かれています。
注目すべきは、ソフトバンクGが2026年1月1日に1対4の株式分割を実施したことです。2026年以降、同社の株価は約4分の1となりますが、これは多くの投資家にとって株式の取得をより容易にするための措置です。
今後の展望
市場は2026年を「AIエージェントとフィジカルAIが重要テーマになる年」と位置付けており、ソフトバンクグループはこの分野での中核銘柄として買い推奨を受けています。アームのビジネス転換とOpenAIへの投資という2つの柱により、同社は今後のAI市場の成長から確実に利益を得られる構図が形成されています。
11月25日の安値から堅調な値動きを見せているソフトバンクGですが、アームという優良な傘下企業を持つことで、市場からの信頼が回復しつつあると言えるでしょう。AI産業全体の急速な拡大と、アームの事業転換という2つの好材料が重なることで、ソフトバンクGは今後も注目を集め続けることになりそうです。


