柏崎刈羽原発6号機が再稼働へ 福島事故後、東電の原発で初めて
東京電力ホールディングスが運営する新潟県の柏崎刈羽原子力発電所6号機が、2011年の福島第一原発事故後、東電グループとしては初めて再稼働することになりました。計画では1月20日に原子炉を起動する予定でしたが、制御棒の設定ミスが発見されたため、日程が変更されています。この再稼働は、日本の電力供給体制に大きな影響を与えるとともに、原発を巡る議論を再び注目させることになっています。
再稼働の経緯と計画の変更
東京電力は2025年12月24日、柏崎刈羽原発6号機(電気出力1.35GW)を2026年1月20日に原子炉起動し、2月26日に営業運転を開始する計画を発表していました。しかし、1月17日に実施された原子炉起動前の制御棒引き抜き試験で予期しない事態が発生しました。
試験中の午後0時36分、2本目の制御棒引き抜き防止機能の設定に誤りがあることが判明し、保安規定第67条の「運転上の制限(LCO)」を逸脱する事象が起きました。この設定ミスは、1996年の運転開始当初から30年間にわたって続いていたものです。東電は設定を正しく修正した上で警報が正常に機能することを確認し、翌18日の午後8時16分にLCO逸脱から復帰しました。
このトラブルにより、当初予定されていた1月20日の原子炉起動は見送られることになり、新たな日程について原子力規制庁と協議した上で決定されることになっています。ただし、営業運転開始予定の2月26日については、大きくずれ込むことはないとされています。
東電原発の再稼働が意味するもの
柏崎刈羽原発6号機の再稼働実現は、日本の原発政策において重要な節目となります。福島第一原発事故後、東北電力、関西電力、中国電力、四国電力、九州電力が相次いで原発を再稼働させてきましたが、東電グループとしては初めてのケースです。東電は福島事故を起こした企業として、社会的な信頼回復の観点からも大きな意味を持っています。
経済産業省の見通しによると、この6号機の再稼働により、関東エリアの供給予備率が約2%向上すると見込まれています。これは関東地方の電力供給安定性の向上につながるとともに、冬場のピーク電力需要対応にも貢献することが期待されています。
東電HDは、2025年6月に6号機の燃料装荷作業を完了し、その約2ヶ月後には7号機についても同様の作業を終えています。当初は7号機を先に再稼働させる計画でしたが、「特定重大事故等対処施設」が2025年10月13日の設置期限に間に合わなかったため、6号機を優先する方針に転換されました。
柏崎刈羽原発のその他の号機の今後
東電は、同発電所の1・2号機(各電気出力1.10GW)について、廃炉を視野に入れた検討を具体化する方針を示しています。一方、3~5号機(各電気出力1.10GW)の扱いについては、現時点では未定とされています。今後の経営方針によっては、これらの号機についても決定が下される予定です。
地域の安全態勢と県民の不安
柏崎刈羽原発の再稼働に際しては、新潟県も監視体制を強化しています。発電所周辺の環境放射線モニタリングを実施し、その結果を毎日公開する予定です。また、モニタリングポストの増設により、測定態勢が強化されることになっています。
しかし、県民の間には懸念も存在します。新潟県が2025年11月6日に発表した「柏崎刈羽原子力発電所の再稼働問題に関する県民意識調査」では、「再稼働の条件は現状で整っている」という設問に対して、6割の住民が「どちらかと言えばそう思わない」または「そうは思わない」と答えています。これは、県民の側からすると、安全面などの懸念がまだ十分に解消されていないことを示しています。
過去の制御棒トラブルとの関連
今回の設定ミスの発見は、柏崎刈羽原発で相次ぐ制御棒関連の問題の一環と見られています。2025年7月には制御棒駆動機構の不具合が発生しており、その原因がいまだ徹底究明されていないという指摘もあります。この状況下での再稼働について、原発反対派の市民団体からは「制御棒の不具合問題が未解決のままでの再稼働は許されない」という声が上がっています。
日本全体の原発再稼働の流れ
柏崎刈羽原発6号機の再稼働は、日本全体の原発再稼働の流れの一部です。東電がこれまでに再稼働させた6社目の事業者となる見通しの中で、さらに北海道電力も泊原発3号機の再稼働に必要な地元同意を今月取り付けており、2027年に再稼働する計画としています。
これらの再稼働は、日本のエネルギー戦略において重要な役割を果たすと同時に、安全性と信頼性に関する社会的な議論も引き起こしています。柏崎刈羽原発6号機の再稼働が無事に進行するかどうかは、今後の日本の原発政策と地域の信頼関係の構築にも大きな影響を与えることになるでしょう。
今後の注視点
今後の注目点は、修正された制御棒設定が確実に機能するかどうか、そして新たな原子炉起動の日程がいつに決定されるかという点です。また、営業運転開始予定日の2月26日までのスケジュール遵守が実現できるかも重要です。安全性を最優先にしながら、計画的な再稼働が進められるかどうかが、柏崎刈羽原発と東電に対する社会的信頼の回復にとって重要となります。



