ルイ・ヴィトンの110万円エビ型バッグが話題に 個性的なデザインで賛否両論
高級ブランド「ルイ・ヴィトン」が2025年秋冬メンズコレクションで発表したエビ型バッグ「ロブスター・ウェアラブル ウォレット」が、SNSで大きな注目を集めています。約110万円という高額な価格設定にもかかわらず、即座に完売となるなど、ユニークなデザインの商品に対する需要の高さが明らかになりました。
このバッグは、モノグラム・キャンバスとヌメ革を使用し、本物さながらにパッド入りのハサミが表現された個性的な逸品です。不規則な形状と遊び心あふれるデザインは、従来のハイブランド製品のイメージを大きく覆すものとなっており、ファッション業界でも異例の反応が生まれています。
購入者の本音 「可愛い」と思う理由
実際にこのバッグを購入した24歳の男性購入者は、その購入動機について「ビジュアルに惹かれて買いました」とコメント。さらに詳しく説明すると、生産数が少なく、人と被らないのが魅力だったと述べています。
購入までの過程では、ルイ・ヴィトン展に足を運び、普段見られないアイテムを自分の目で確認したうえで購入を決断したとのこと。このエビ型バッグを「エヴィトンちゃん」と名付けて、愛用しているといいます。
気になる実用性についても触れられており、財布、カードケース、ミンティア、香水、ハンカチが収納できるとのこと。購入者は付属のショルダーストラップを使用してショルダーバッグとして日常的に持ち歩いているそうです。
SNSでの批判と購入者の葛藤
一方で、このバッグに対しては「良さが分からない」といった批判の声も多く上がっていることが明らかになっています。購入者自身も、購入後にSNS上に写真を投稿したところ、批判的なコメントを受けることになりました。
購入者は当時の心情を、「自分では可愛いと思っていましたが、いざ批判的な意見を叩きつけられると、高額なこともあり無駄な買い物だったかな…と心が折れそうになりました」と振り返っており、高額商品だからこその葛藤が伝わります。
特に気になるのは、購入者がSNSに投稿した「あんまり、うちのエヴィトンちゃんを舐めないでほしい。物は入らないし目立つし盗撮されるし、おまけにバカにされる」というコメントです。このコメントからは、高額な買い物であることの心理的重圧、目立つデザインであることへの不安、そして周囲からの評価を気にしながらも、自分が好きなものを使いたいという矛盾した感情が読み取れます。
「好きなものを人目を気にして纏えないのは寂しい」
しかし、購入者はこの批判を乗り越え、ある重要な気付きに達しました。それは「好きなものを人目を気にして纏えないのは寂しい」という考え方です。この考えに至った購入者は、批判を受けても使い始めることを決断しました。
そして実際に使い始めてみると、思いがけない交流が生まれたといいます。沖縄への旅行では通りすがりの人に声を掛けられ、居酒屋では若い世代から話しかけられるなど、このユニークなバッグを通じて新しい人間関係が築かれたのです。
購入者は「愛でれば愛でるほどエヴィトンちゃんも愛で返してくれます」とポジティブにコメントしており、当初の葛藤から乗り越えた先に見える充実感が伝わります。
広がる「エビ需要」と個性への目覚め
このルイ・ヴィトンのエビ型バッグが注目を集めるきっかけになったのは、あるアパレル店員がエビ型のポシェットを売った体験談をX(旧Twitter)に綴ったことでした。これにより、アパレル界の「エビ需要」が話題となり、ファッション業界全体で個性的でユニークなデザインへの関心が高まっているのです。
また、同じく注目を集めているのがFENDIのおにぎりバッグで、こちらは有名タレントの目黒蓮が着用していることでも知られています。このように、従来のハイブランドの枠を超えた遊び心あふれるデザインが次々と登場し、消費者の購買意欲を刺激しています。
賛否両論の中で見える新しいファッションの価値観
このエビ型バッグをめぐる反応は、現代のファッション市場における大きな転換点を示唆しています。かつての「高級ブランド=上品で洗練されている」という固定観念が変わりつつあることを物語っています。
高額な商品だからこそ、完璧で万人ウケするデザインを期待していた消費者も多かったでしょう。しかし、このバッグの売上実績は、むしろ個性的で目立つデザインを求める層が存在すること、そして「人と違うもの」に価値を感じる消費者が増えていることを明確に示しています。
「物は入らない」「目立つ」といった実用面での欠点さえも、このバッグの魅力を損なわない。それは、ファッションが単なる機能性の問題ではなく、自分らしさの表現、アイデンティティの象徴として捉える価値観が、より多くの人の中で芽生えているからこそなのです。
購入者が経験した初期の批判と、その後の充足感のギャップは、社会全体がまだ新しいファッション価値観の過渡期にあることを示しています。今後、このような個性的で遊び心あるデザインがハイブランドからどんどん登場することで、消費者のファッションに対する考え方もさらに変わっていくかもしれません。
ルイ・ヴィトンのエビ型バッグは、単なる話題の商品ではなく、現代のファッションシーンにおける新しい価値観の象徴として、これからもSNSでの議論を呼び起こし続けることになるでしょう。



