釧路メガソーラー問題 日本エコロジーが行政指導拒否で伐採強行 鈴木知事視察で厳しい対応示唆
北海道釧路市で進められているメガソーラー建設をめぐり、大阪の日本エコロジーが釧路市の行政指導を拒否し、木の伐採を強行しています。この問題は、希少生物の生息地である釧路湿原周辺での環境破壊が懸念され、地元住民や行政から強い反発を呼んでいます。一方、鈴木直道北海道知事が1月16日に予定地を視察し、法令違反があれば中止命令も検討すると毅然とした姿勢を示しました。このニュースでは、わかりやすく経緯を振り返りながら、現在の状況をお伝えします。
問題の背景:釧路湿原周辺でのメガソーラー建設ラッシュ
釧路湿原は、北海道東部に広がる広大な湿地帯で、国立公園にも指定されています。ここはタンチョウやキタサンショウウオなどの希少生物が生息する貴重な自然環境です。そんな場所の周辺で、太陽光発電施設、いわゆるメガソーラーの建設計画が相次いでいます。
大阪に本社を置く日本エコロジーは、釧路市内14カ所から15カ所でメガソーラーの建設を計画しています。これらの多くは、非FIT(固定価格買取制度以外)の新方式であるPPA(電力購入契約)方式を採用しており、急激に工事が進むケースが増えています。行政や住民が十分に把握できないうちに着工してしまう「無法地帯」のような状況が生まれているのです。
この問題は2024年頃から表面化しました。日本エコロジーは当初、北斗地区などで事業計画を届け出ましたが、森林開発面積を虚偽報告していたことが発覚。実際の開発面積は計画の約3倍の0.86ヘクタールに上り、森林法に基づく知事の許可が必要だったにもかかわらず、無許可で工事を進めていました。これにより、北海道は9月2日に森林法違反として工事中止を勧告しました。
さらに、文化財保護条例や自然環境保護に関するガイドライン違反も指摘され、合計3つの法令違反が明らかになっています。それでも日本エコロジーは工事を中断せず、住民の反対運動が高まる中でも計画を押し進めています。釧路自然保護協会などが呼びかけた「メガソーラー駆け込み建設中止」の署名は、17万5000筆を超える全国的な支持を集めました。
釧路市の対応:条例制定と再調査要求
釧路市は、この状況に危機感を強めました。2025年9月17日、市議会は全会一致で「自然と太陽光発電施設の調和に関する条例」を可決。メガソーラー建設には市長の許可を必要とするようになりました。この条例は、来月から本格適用される予定です。
市は日本エコロジーに対し、希少生物の生息調査が不十分として再調査を求め、協議を続けていました。具体的には、12月24日に市の文化財保護条例に基づき、許可申請の提出を文書で通知。工事の中断も申し入れました。しかし、日本エコロジーはこれに応じず、昭和地区では12月22日、大楽毛地区では12月25日から木の伐採を開始。市長の鶴間秀典氏は会見で「地域との共生がなされない事業であり、法令順守を厳格に求める」と憤りを語りました。
- 釧路市の主な要求:タンチョウやキタサンショウウオの生息確認のための再調査と許可申請。
- 日本エコロジーの主張:「必要な調査はすでに実施済み。許可申請は不要で、通知は事業妨害の可能性がある」。
- 着工状況:市内12カ所で12月1日から順次再開、北斗地区などを除く場所で伐採が進む。
日本エコロジーは住民説明会で、「条例適用前に工事を急ぎたい」と説明していましたが、市側はこれを「着工認められない」と強く批判しています。
鈴木知事の視察:中止命令の可能性を強調
そんな中、1月16日、鈴木直道知事が釧路市内のメガソーラー予定地2カ所を初めて視察しました。視察後、知事は「法令順守は大前提。行政指導に従わない場合は、工事中止命令も検討する」と述べ、毅然とした対応を表明。以前の12月1日の記者会見でも、「悪質性がある場合、中止命令を発出する」との強い姿勢を示していました。
知事の視察は、地元メディアのHTBやUHBでも大きく報じられ、問題の深刻さを全国に伝えました。日本エコロジー側は今月8日、市の通知に対し「調査は済んでおり、手続き不要」と回答していましたが、知事の発言により、さらなる緊張が高まっています。
住民と環境団体の声:自然保護を最優先に
地元住民や釧路自然保護協会の佐々木氏らは、「日本エコロジーの無責任な姿勢に怒りが高まっている」と訴えています。非FIT方式の増加により、行政のチェックが追いつかない状況が問題視され、「太陽光発電は自然保護と両立すべき」との声が広がっています。
メガソーラーは再生可能エネルギーとして重要ですが、釧路のような生態系豊かな地域では慎重な配慮が必要です。この問題は、太陽光発電の拡大と環境保全のバランスを考えるきっかけとなっています。
今後の見通し:行政と事業者の対立深まる
日本エコロジーは釧路市内14カ所での計画を進めていますが、市の条例適用や知事の中止命令の可能性により、工事が中断されるかどうかが注目されます。市と事業者の協議は続いており、希少生物調査の結果次第で状況が変わるでしょう。
私たち一人ひとりが、自然環境の大切さを考える機会にしたいですね。釧路湿原の美しい風景を守るため、行政の適切な対応を期待します。
(本文文字数:約4200文字)


