厚生労働省が全国がん登録の5年生存率を初公表 前立腺92.1%、膵臓11.8%で部位差が明らかに
厚生労働省は、2016年にがんと診断された患者さんのデータを基に、全国のがん患者さんの5年生存率を初めて公表しました。このデータは「全国がん登録」から集められたもので、がんの種類によって生存率に大きな差があることがわかりました。みなさんががんについて知っておきたい情報を、わかりやすくお伝えしますね。
全国がん登録とは? 5年生存率って何?
まず、基本からお話ししましょう。「全国がん登録」とは、2016年から始まった制度で、日本全国のがん患者さんの情報をすべて集めて分析するものです。これまで一部の地域だけで行われていましたが、今は全国で一元管理されています。このデータを使って、国ががん対策を進めるのに役立てています。
5年生存率とは、がんと診断された人が5年後に生きている人の割合を示す数字です。例えば、100人が診断されて、5年後に92人が生きていれば92%となります。この数字は、がんの治療効果や早期発見の重要性を知るのに、とても大切です。厚生労働省と国立がん研究センターがデータを集計し、今回初めて全国の結果を公表したのです。
対象は主に15歳以上のAYA世代(15~39歳)と成人です。小児(15歳未満)のデータも一部あります。2023年には全国で約99万人が新たにがんと診断されたそうです。このような背景で、生存率のデータが注目されています。
15歳以上の患者さんのがん別5年生存率 一覧で見てみましょう
データを見ると、がんの部位によって生存率に大きな差があります。最高は前立腺がんの92.1%で、最低は膵臓がんの11.8%です。以下に主なものをリストアップしますね。
- 前立腺がん:92.1%(男性に多いがんですが、生存率がとても高いです)
- 甲状腺がん:91.9%(早期発見しやすいがんの一つ)
- 皮膚がん:91.1%
- 乳房がん:88.0%(女性に多いですが、検診で早期発見が進んでいます)
- 子宮頸部がん:71.8%
- 大腸がん(直腸・結腸):67.8%
- 胃がん:64.0%
- 肺がん:37.7%
- 肝臓および肝内胆管がん:33.4%
- 胆嚢・胆管がん:23.0%
- 膵臓がん:11.8%(発見が難しく、進行が早いのが課題)
このように、前立腺がんや甲状腺がん、乳房がんなどは90%近くが5年生存しています。一方、膵臓がんや胆嚢・胆管がん、肝臓がんは低い数字です。なぜこんなに差が出るのでしょうか? それは、がんの進行の速さや発見のしやすさ、治療法の進歩などが関係しています。
なぜ部位ごとに差が出るの? わかりやすい理由を解説
例えば、前立腺がんはPSA検査という血液検査で早期に発見しやすく、手術や放射線治療が効果的です。だから生存率が92.1%と非常に高いのです。乳房がんもマンモグラフィなどの検診で早期発見が進み、88.0%を達成しています。
一方、膵臓がんは症状が出にくく、発見された頃には進行していることが多く、11.8%と低いです。肝臓がんも慢性肝炎などが背景にあり、33.4%にとどまっています。肺がんは喫煙が主な原因で、37.7%です。これらのデータは、どのがんに予防や検診を集中させるかを考えるヒントになります。
厚生労働省の報告書では、都道府県ごとのデータも詳しく載っています。例えば、胃がんや大腸がんでは地域差が少し見られますが、全国平均は上記の通りです。この詳細な表は、がん対策の参考にされています。
小児がんの5年生存率も優秀です
15歳未満の小児がんについてもデータがあります。小児がんは治療法が進化していて、生存率が高いのが特徴です。
- リンパ腫・リンパ網内系腫瘍:95.7%
- 胚細胞性腫瘍・絨毛性腫瘍・性腺腫瘍:90.2%
- 白血病・リンパ増殖性疾患・骨髄異形成疾患:82.2%
- 神経芽腫・その他類縁疾患:78.5%
- 中枢神経系・その他頭蓋内・脊髄腫瘍:60.8%
リンパ腫などは95%を超えていて、成人のがんに比べてずっと高いですね。小児がん専門の治療施設や研究の成果が表れています。
このデータの意義と今後の期待
今回初めて公表された全国データは、日本のがん事情を正確に把握するのに欠かせません。これまで推定値しかなかったのが、全国登録のおかげで実測値が得られました。厚生労働省は、このデータを基にがん対策を強化するそうです。例えば、生存率の低い膵臓がんや肝臓がんの研究を進めたり、検診を増やしたりするでしょう。
みなさんにとっても大事なのは、早期発見です。生存率が高いがんは、検診で早期にわかるものが多いんです。定期健診を受けたり、生活習慣を見直したりして、がんを防ぎましょう。喫煙を控えたり、バランスのいい食事を心がけたりするだけでも効果がありますよ。
データは「純生存率」という方法で計算されています。これは、がん以外の死亡を除いて、がん自体の影響を純粋に評価したものです。年齢調整もして、公平に比較しています。詳細は厚生労働省の報告書で確認できます。
がん患者数と社会的な背景
日本では高齢化が進み、がん患者数は増えています。2023年だけで99万人以上が新たに診断されたそうです。このデータを活かして、医療現場や行政がより良い対策を打てるようになります。患者さんご本人やご家族も、この数字を知ることで治療の目安がわかりますね。
例えば、前立腺がんの92.1%を知れば、診断された方も希望を持てるはずです。一方、低い膵臓がんの11.8%は、研究の必要性を訴える材料になります。NHKの報道でも、この初公表のインパクトが伝えられています。
データを詳しく見るために
厚生労働省のPDF報告書には、表がたくさんあります。部位別、性別、都道府県別で5年生存率が載っていて、胃がんは表10、大腸がんは表11などです。年齢階級別や診断後の予後も分析されています。これらを活用して、各地域のがん対策が進むでしょう。
生存率の計算方法はKaplan-Meier法という統計的手法を使い、期待死亡率を考慮しています。専門的ですが、信頼性の高いデータです。
この公表は、がん患者さんが5年後も元気に暮らせる社会を作る第一歩です。厚生労働省の取り組みを応援しつつ、みなさんも健康管理を忘れずに。データは希望の光でもありますよ。




