TSMC決算発表、2026年のAI相場を占う重要な転機

台湾の半導体受託製造大手・台湾積体電路製造(TSMC)が1月15日に2025年10-12月期の決算を発表します。2026年の成長見通しが市場の最大の焦点となっており、AI関連株全体の動向を左右する重要な発表となりそうです。

好調な四半期決算の背景

TSMCの2025年10-12月期決算は、既に市場予想を上回る売上を記録しています。発表済みの四半期売上高は前年同期比20.45%増の約1兆460億台湾ドル(約331億ドル)となり、ブルームバーグの市場予想を上回る前年同期比25.49%増となる見込みです。

この好調さの背景にあるのは、人工知能(AI)ブームによる半導体需要の急速な拡大です。TSMCは2025年通期でドル建てで35.9%増の約1223億ドルの売上成長を達成し、2024年のドル建て30%増という高い成長率をさらに上回る実績を記録しています。

利益率と技術力が試される決算発表

本日の決算発表では、単なる売上成長だけでなく、利益率の維持が重要な焦点となります。TSMCは第4四半期の粗利益率を59~61%、営業利益率を49~51%と予想しており、アナリストコンセンサスでは四半期純利益が前年同期比約27~28%増の4,752億~4,791億台湾ドルと見込まれています。

AI需要の拡大に伴い、最先端プロセスの需要が急増しています。TSMCは3ナノメートル製造能力の稼働を拡大しており、この技術的優位性をいかに利益に結びつけるかが市場の評価を大きく左右します。

2026年の成長率が市場の懸念事項

今回の決算発表で最も注目されるのは、2026年の業績ガイダンスです。ブルームバーグがまとめた金融市場の事前予想では、2026年のTSMCの総収入は1494億ドルと見込まれており、2025年よりも約22%高くなるとみられています。

市場では2026年の売上成長が25~30%の成長率を示すかどうかに注目が集まっています。経営陣が強気な業績見通しを示すことができれば、TSMCの株価上昇の勢いが増す可能性があります。一方、AI需要の一部が減速するシナリオも懸念されており、ガイダンスの内容が市場全体の期待値を大きく左右することが予想されます。

AI関連収入の長期成長戦略

注目すべき点は、TSMCがAI関連の収入について2029年までの5年間、年率換算40%台半ばで伸びると見ているということです。この見通しは、AI需要が一時的なブームではなく、中長期的な成長トレンドであるというTSMCの確信を示しています。

このような強気な見通しが維持されるかどうかは、アジア半導体関連株全体の投資心理に大きな影響を与えるでしょう。

アジア半導体株への波及効果

TSMCは世界最大の半導体受託製造会社であり、その決算発表はアジア全体の半導体産業に大きな影響を与えます。過去1週間でTSMCの台湾株は過去最高値を記録した後、若干の調整局面を迎えていますが、本日の決算内容によっては新たな上昇局面への転機となる可能性があります。

市場では、利益率が市場予想を上回り、2026年の業績ガイダンスが堅調であれば、半導体関連株全体を牽引する可能性があると見ています。特に、経営陣が2nmプロセスなどの技術的優位性を堅持できることを確認できれば、TSMC株は引き続き優位性を発揮する可能性が高いとの指摘もあります。

中国関連リスクも視野に

一方、市場では米政府による中国ラインへの半導体製造への規制リスクも懸念されています。このような地政学的リスク要因が、TSMCの中期見通しにどの程度影響するかも、今後の投資判断における重要な要素となっていきます。

投資家が注視すべきポイント

本日の決算発表で投資家が注視すべきポイントは以下の通りです:

  • Q4利益率が予想上限に近い水準を達成できるか
  • 2026年の成長ガイダンスが市場予想の25~30%を上回るか
  • AI関連収入の長期成長見通しが変わるか
  • 中国関連の規制リスクについての経営陣のコメント
  • Q1(2026年1-3月期)のガイダンスが需要の前倒しを示すか

TSMCの決算発表は、AI時代における半導体産業の成長性と収益性を評価する上での重要な指標となります。市場の期待は高く、本日の発表内容がアジア株式市場全体の方向性を決める要因となることは確実です。

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