電通グループ、海外事業売却報道で株価急落 新ツール開発も構造改革進む
みなさん、こんにちは。広告業界の大きなニュースとして、電通グループの株価が急落した話題が今、注目を集めています。1月13日の後場に、海外部門の売却に関する報道がきっかけで、電通グループの株価が大きく下がりました。一方で、同社は生活者の価値観を可視化する新しいツールも開発しており、事業の多角化を図っています。この記事では、これらの出来事をわかりやすくお伝えしますね。
株価急落の背景:海外事業売却の報道
電通グループの株価は、1月13日(火曜日)の後場に急落しました。きっかけとなったのは、海外部門の売却が失敗に近づいているという報道です。トレーダーズ・ウェブなどのメディアが報じたところによると、電通グループが日本国外の事業を売却しようとしている中で、交渉が難航している可能性が指摘されています。
電通グループは、長年グローバルに事業を展開してきましたが、最近の海外事業は苦戦が続いています。グローバルCEOの五十嵐博氏は、第2四半期の決算発表で「国際事業は全地域でマイナス成長が続いており、全体として厳しい状況だ」と述べ、日本国内事業を除くグループ資産の売却先を探す意向を明らかにしました。売却対象には、マークルやメディア事業などが含まれ、これらは技術やプラットフォームに高い価値があるとされています。
買い手候補として、ハバスやアクセンチュアなどの名前が挙がっていますが、売却がスムーズに進まないとの見方が広がり、株価に売り圧力がかかりました。グループ各社にも売りが波及し、市場全体に影響が出ています。この動きは、エージェンシー業界の勢力図を大きく変える可能性があり、業界関係者の注目を集めています。
電通はこれまで、WPP、ピュブリシス、ハバス、オムニコム、IPGと並ぶ「ビッグ6」の一角として、グローバル競争をリードしてきました。しかし、海外事業の不振が続き、2024年度は海外事業でののれん等の減損により2期連続の最終損失となりました。こうした状況を踏まえ、電通グループは2027年度までを見据えた新中期経営計画を策定。不振ビジネスの見直しを急ぎ、2026年度中に赤字マーケットをなくすことを目指しています。
構造改革の一環:電通銀座ビルの売却
株価急落のニュースと並行して、電通グループは資産整理を進めています。昨年12月24日、同社は東京・銀座7丁目の「電通銀座ビル」を売却することを発表しました。このビルは、吉田秀雄氏ゆかりの象徴的な不動産ですが、老朽化が進み、修繕費や固定資産税などの固定コストが負担となっていました。
売却により、2026年度に約300億円の譲渡益を計上する見込みです。これにより、IFRS会計基準での営業損益に約300億円、当期損益(親会社の所有者に帰属)に約220億円のプラス影響が見込まれます。譲渡日は2026年1月30日予定で、譲渡先は非公開です。
この売却は、適切なキャピタルアロケーション(資本配分)を進めるための資金確保が目的です。電通グループは、事業オペレーションと資本効率の両面でシンプルかつ持続可能な事業構造を目指しています。不動産を手放すことで、経営の意思決定の重荷を軽減し、「軽量経営」へとシフトする狙いがあります。
例えば、ワールドや良品計画も本社ビル売却などの動きを見せており、電通のケースは業界全体のトレンドを象徴しています。2025年通期の業績見通しでは、日本事業は約4%成長する一方、海外はマイナス成長が続き、最終損益は赤字の見込みです。こうした中、不動産売却は財務体質の改善に寄与するでしょう。
コスト削減と効率化の取り組み
電通グループの構造改革は、海外事業の売却や不動産処分にとどまりません。新中期経営計画では、東京とロンドンの本部機能統合、各リージョン本部の役割再定義、業務簡素化を進めています。また、AIやアウトソーシングの活用による徹底的な効率化で、2027年度に最大年間500億円規模のコスト削減効果を見込んでいます。
グローバルCEOメッセージでは、「何としても海外事業を立て直す強い覚悟」を強調し、2026年度に海外事業全体が株主価値向上に貢献、2027年度には全4事業地域が貢献する状態を目指すとしています。モルガン・スタンレーと野村證券をアドバイザーに起用し、売却プロセスを加速させる方針です。
ポジティブな動き:新ツール「コネクションプランナー」の開発
一方で、電通は事業の未来を見据えた取り組みも進めています。48の生活者価値観クラスターで、商品・サービス利用意向などを可視化する「コネクションプランナー」を開発しました。このツールは、生活者の細かな価値観を分析し、企業がより効果的なマーケティングを展開できるように支援します。
電通総研が手がけたこのツールは、データ駆動型のプランニングを可能にし、日本市場での競争力を高めるものです。海外事業の課題を抱えつつも、国内でのイノベーションを推進することで、グループ全体の成長を支えていくでしょう。
市場の反応と今後の見通し
1月13日の株価急落は、海外売却の不透明感を反映していますが、電通グループの構造改革は着実に進んでいます。銀座ビルの売却益は財務を強化し、コスト削減策は中長期的な回復を後押しします。日本事業の強みを活かしつつ、グローバルからの撤退を選択した戦略は、株主価値向上への転換点となるかもしれません。
投資家や業界関係者は、売却交渉の進展に注目しています。電通のこれまでの歴史を考えると、危機をチャンスに変えてきた実績があります。みなさんも、この動向を注視してみてくださいね。
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