TVer、2025年12月に月間ユーザー数過去最高 ドラマとバラエティがけん引
民放公式テレビ配信サービスTVer(ティーバー)が、2025年12月の利用実績で大きな節目を迎えました。発表によると、月間ユーザー数(MUB:Monthly Unique Browsers)は4,460万ユニークブラウザに達し、これまでの記録を更新して過去最高となりました。
また、月間動画再生数も6.5億回と過去最高を記録し、3カ月連続で記録を更新しています。 とくにリビングのテレビで視聴するコネクテッドTV(CTV)での再生が好調で、月間動画再生数は2.1億回と、こちらも過去最高・初の2億回突破となりました。
月間ユーザー数4,460万MUB 前年同月比114%の伸び
TVerが発表したデータによれば、2025年12月の月間ユーザー数は4,460万MUBで、前年同月比約114%と二桁の成長率を記録しました。 これは、2024年12月と比較しても大きく利用者が増えていることを示しています。
ここでいうMUB(Monthly Unique Browsers)とは、2025年12月1日〜12月31日の期間にTVerを利用したブラウザのユニーク数を表す指標です。 同じ人が複数回アクセスしても、同一ブラウザであれば1としてカウントされるため、「どれくらいの人がTVerに触れているのか」をみる目安となります。
民放各局の番組をまとめて楽しめるTVerは、すでに「テレビを見る新しいスタンダード」として定着しつつありますが、今回の数字は、その存在感がさらに高まっていることを裏付ける結果と言えます。
動画再生数6.5億回 3カ月連続で過去最高を更新
ユーザー数の増加にともない、動画の再生数も大きく伸びました。2025年12月の月間動画再生数は6.5億回に達し、こちらも過去最高を更新。 さらに、これは3カ月連続での記録更新となります。
この「6.5億回」には、通常の見逃し配信だけでなく、VOD(ビデオ・オン・デマンド)配信、リアルタイム配信、追っかけ再生、特別なSP LIVEなど、TVerで提供される各種視聴形態が含まれています。 つまり、「好きなときに好きな番組を観る」というオンデマンド視聴と、「生放送をそのまま楽しむ」リアルタイム視聴のどちらも活発に利用されていることがうかがえます。
このように、単に「アクセスする人が増えた」だけでなく、一人ひとりの視聴時間や視聴本数も増えていることが、再生数の数字から見てとれます。
コネクテッドTVでの視聴が急伸 初の2億回突破
今回の発表でとくに目立ったのが、コネクテッドTV(Connected TV/CTV)での視聴拡大です。CTVとは、インターネットに接続されたテレビ本体や、テレビに接続したストリーミングデバイス、ゲーム機などを通じて動画配信サービスを視聴するスタイルのことです。
TVerによると、2025年12月のCTVでの月間動画再生数は2.1億回で、過去最高を記録、さらに初めて2億回の大台を突破しました。 スマートフォンやPCの画面から、リビングの大画面テレビへと視聴スタイルが広がっていることが、数字からはっきりと確認できます。
TVerでは、専用のテレビアプリなどを通じて、リモコン操作だけで各局の番組を探して見ることができます。これにより
- 見逃したドラマを家族でテレビ画面で楽しむ
- バラエティ番組をリビングで一緒に笑いながら見る
- スポーツ中継を大画面で観戦する
といった視聴スタイルが広く浸透してきたと考えられます。
『じゃあ、あんたが作ってみろよ』『良いこと悪いこと』『水曜日のダウンタウン』などが人気
TVerの成長を支えたのは、やはり人気ドラマとバラエティ番組です。2025年10月期ドラマや、各局の人気バラエティ番組、さらに年末の大型特番が、再生数の増加を大きく後押ししました。
ドラマジャンルでは、たとえば
- ドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』
- ドラマ『良いこと悪いこと』
といった作品が好調を維持し、TVerで多く視聴されたタイトルとして紹介されています。 こうした作品は、ネットニュースやSNSでも話題となり、「見逃したからTVerで観る」「もう一度観たいから配信で」という視聴行動を生んでいると考えられます。
バラエティでは、『水曜日のダウンタウン』をはじめとする人気レギュラー番組に加え、『アメトーーク!』『月曜から夜ふかし』など、多くの番組がTVerで支持を集めました。 また、年末にはお笑いコンテストや大型音楽特番なども配信され、
- 『M-1グランプリ 2025』
- 『2025 FNS歌謡祭』
などが多くのユーザーに視聴されたと報じられています。 こうした「年末ならでは」の特番が、一気に再生数を押し上げた形です。
スポーツ番組の視聴増も記録更新の追い風に
2025年12月の記録更新には、スポーツ番組の視聴増加も大きく影響したと分析されています。TVerの発表では、ドラマやバラエティに加えて、スポーツ番組を視聴するユーザーが増加したことが、月間ユーザー数の伸長につながった要因であると説明されています。
試合の生中継だけでなく、ハイライトやダイジェスト番組、特集番組なども配信されることで、「リアルタイム視聴+配信での振り返り」という新しい楽しみ方が広がっていると考えられます。 スポーツはネタバレを避けたいジャンルでもありますが、仕事や学校の都合でリアルタイムでは観られない人にとって、TVerのような配信サービスは非常に便利な選択肢になっています。
テレビを「場所」と「時間」から解放するTVerの役割
TVerは、自社のサービスについて「テレビをアップデートし、『場所』や『時間』から開放することで、コンテンツを身近に、自由に楽しむ機会を提供する」と掲げています。 今回の数字は、まさにそのコンセプトがユーザーに受け入れられていることを象徴する結果と言えるでしょう。
従来、テレビ番組は
- 決められた放送時間に
- テレビがある場所で
視聴するのが当たり前でした。しかしTVerを使えば、スマートフォンやタブレットで移動中に観ることもできますし、家に帰ってからテレビアプリでゆっくり見逃し配信を楽しむこともできます。
さらに、各局の番組をひとつのアプリから横断的に探せるため、「この時間、このチャンネル」といった意識から、「この番組を、このタイミングで観たい」という視聴スタイルへと変化しているとも言えます。
今後の展望──ドラマ・バラエティに加え、スポーツやアニメ、ニュースも拡充へ
TVerは、今後の方針として、
- ドラマ
- バラエティ
- スポーツコンテンツ
- アニメ
- ニュース
- ローカル局による制作番組
- 過去に話題となったアーカイブ作品
など、配信するコンテンツのさらなる拡充に取り組む姿勢を示しています。 これにより、幅広い世代・多様な趣味を持つユーザーが、それぞれの「好き」をTVerで楽しめる環境が、さらに整っていくと見られます。
とくに、ローカル局制作の番組やアーカイブ作品の配信は、「その地域でしか観られなかった番組」や「放送が終わってしまった名作」を、いつでもどこからでも楽しめるようにする取り組みでもあります。 地上波放送の価値を活かしながら、インターネット配信ならではの利便性を掛け合わせていくことが、今後のTVerの大きなテーマになっていきそうです。
TVerは、「ユーザーの期待に応えるべく、サービスの向上に尽力していく」とコメントしており、技術面・サービス面でのアップデートも今後さらに進んでいくと考えられます。 月間ユーザー数4,460万MUB、動画再生数6.5億回という過去最高の数字は、その一つの通過点とも言えるかもしれません。


