映画『グランメゾン・パリ』が拓く、新しい“料理映画”の世界――アクションのような熱量と、人間ドラマのうま味

木村拓哉さん主演のドラマ『グランメゾン東京』の続編として公開された映画『グランメゾン・パリ』が、いま大きな話題を集めています。舞台はフランス・パリ。主人公の天才シェフ・尾花夏樹が、仲間たちとともにミシュラン三つ星をめざして奮闘する姿を描いた本作は、単なる“料理映画”にとどまらないスケールと熱量で、多くの観客を魅了しています。

一方で、レビューサイトやブログでは、「謎のアクション料理映画」といったユニークなキャッチフレーズや、「ドラマ版から続くキャラクターの成長」「映像と料理描写の圧倒的クオリティ」、そして「王道すぎるがゆえの賛否」など、さまざまな視点から語られています。

この記事では、最近話題になっているニュースやレビューを手がかりに、映画『グランメゾン・パリ』の魅力を、やさしい言葉でじっくり紐解いていきます。

「謎のアクション料理映画」? 疾走感あふれるキッチンの熱量

ある映画レビューでは、『グランメゾン・パリ』を「謎のアクション料理映画」と表現する声が挙がっています。 これはもちろん、銃撃戦やカーチェイスがあるという意味ではなく、

  • テンポの良い展開
  • 次々と起こるトラブルや障壁
  • 厨房でのスピード感あるカメラワーク
  • 料理人たちの真剣勝負の空気

といった要素が、まるでアクション映画のような“勢い”や“スリル”を生み出している、という比喩的な言い方だと考えられます。

レビューの中には、「テンポ良く話が展開し、最後の着地も良かった」「トラブル続きなのに、ずっとワクワクしながら観ていられた」といった声も見られ、物語の運びの良さは多くの観客が共通して感じているポイントです。

特に、フランス・パリでの2週間におよぶロケが活きたシーンの数々は、街の喧噪やレストランの緊迫感をリアルに切り取り、キッチンを戦場さながらの舞台に変えています。 こうした“熱”のある映像演出が、「アクション映画みたい」という印象につながっているのでしょう。

パリの街と皿の上が競演する、五感を刺激する映像美

本作でもっとも多くの観客が絶賛しているのが、料理シーンの美しさと、パリの街並みを生かした映像美です。

レビューや解説記事では、

  • エッフェル塔やセーヌ川など、パリの象徴的な景観を背景にした撮影
  • 食材の質感や湯気、ソースの艶まで捉えたクローズアップ
  • 皿の上の構成や色彩の美しさ
  • 調理音や盛り付けの「音」を重視したサウンド演出

などが、たびたび高く評価されています。

映画のレビューでは、「一級品の食材たちをこれでもかと映えさせる映像美」「思わずお腹が空いてしまう」「映画館で観られてよかった」といった声が並び、まさに“目と耳で味わう料理映画”といえる仕上がりになっています。

さらに、料理監修には、実際にミシュラン三つ星を獲得しているシェフ・小林圭(ケイ・コバヤシ)氏が参加しているとされ、皿の上の表現はプロの世界そのものです。 料理を知る人ほど、「この盛り付けは本気だ」と感じるリアリティが、作品全体の説得力につながっています。

物語の軸――パリで三つ星をめざす、尾花夏樹の再挑戦

ストーリーの出発点は、ドラマ『グランメゾン東京』を経て、尾花夏樹(木村拓哉)がフランス・パリにレストラン「グランメゾン・パリ」を構え、ミシュラン三つ星に挑む、というものです。

三つ星をめざす戦いの中には、

  • 現地の美食家たちの厳しい評価
  • 多国籍スタッフ同士の価値観の違い
  • 過去の因縁や挫折からの再起

といった壁が立ちはだかります。 それでも、

  • 仲間を信じて「チーム」として戦うこと
  • 自分の国の味や文化をどう料理に落とし込むか
  • “料理に国境はない”という信念

を武器に、尾花たちは一歩一歩、三つ星に近づいていきます。

クライマックスでは、とある重要人物が「グランメゾン・パリの料理は三つ星を超えた四つ星に値する」とまで評価する展開が用意されており、映画全体のテーマである「挑戦」と「感謝」、「国境を超えた料理」のメッセージが力強く結実します。

冨永愛が語る“イラッとしたひと言”と、人生のモットーになった言葉

映画公開に合わせたインタビューや番組では、キャストの言葉も話題になっています。その中でも注目を集めているのが、モデルで俳優の冨永愛さんのエピソードです。

冨永さんは、かつてかけられたある言葉について、「言われた直後はイラッとした」と率直に語っています。しかし、その言葉がやがて自分の中で消化され、いまでは人生のモットーのような存在になっている、と明かしています。

具体的なフレーズについては各種報道で紹介されていますが、共通しているのは、「耳が痛いけれど、成長を促してくれる言葉だった」という点です。最初は反発心が湧いても、時間をかけて向き合うことで、自分を支えてくれる言葉に変わっていく――これは、映画の中で尾花や仲間たちが、厳しい評価や挫折を糧に成長していく姿とも重なります。

また、ももいろクローバーZの百田夏菜子さんは、この言葉について「エールのようにも聞こえてきます」と語っています。厳しさの裏にある“応援”の気持ちまで感じ取ったコメントは、作品が伝えようとしている「挑戦する人への励まし」とも響き合っています。

映画のプロモーションを通じて語られたこうしたエピソードは、単なる裏話にとどまらず、「評価」と「言葉」とどう向き合うか、観客に優しく問いかけているようにも感じられます。

鈴木京香演じる早見倫子というキャラクターが支えた成功

ドラマシリーズからのファンの間で、映画の成功要因としてよく挙げられているのが、鈴木京香さんが演じるシェフ・早見倫子の存在感です。

レビューや考察では、早見倫子について、

  • 尾花とは違うタイプの「もう一人のシェフ」としての軸を持っている
  • 料理への情熱と、人を受け止める包容力のバランスが魅力
  • 強さと脆さの両方を抱えた人物像が、物語に深みを与えている

といった評価が多く見られます。

ある感想では、「もっと倫子さんのシーンと料理シーンが多くてもよかった」という声も挙がっており、彼女が観客にとってどれほど印象的なキャラクターであるかがうかがえます。

また、「鈴木京香演じる早見倫子の造形が、『グランメゾン』シリーズの成功要因のひとつだ」とする指摘もあります。尾花が“攻め”の天才シェフだとすれば、倫子は

  • チームをまとめる“受け止め手”
  • 揺らぎながらも前に進む等身大のリーダー
  • 観客が感情移入しやすい“窓”のような存在

として描かれており、この二人の関係性が、作品全体の土台を支えているのです。

「料理に国境はない」――多国籍チームが描く、現代的なフレンチの姿

映画『グランメゾン・パリ』の中心にあるメッセージが、「料理に国境はない」という言葉です。

物語の中で、尾花と仲間たちは、

  • フランス人、美食家たちの偏見や固定観念
  • 各国出身のスタッフ同士の文化的なギャップ
  • 「フレンチとは何か」をめぐる価値観の衝突

に直面します。

初期の尾花は、「フレンチで勝負するなら自分の国の味は捨てろ」と言い切るほどストイックで、周囲と衝突を生んでしまいますが、やがて多国籍チームとともに“新しいフレンチ”のあり方を模索していきます。

ラスト付近では、尾花が壇上で、フランス料理への感謝とともに「料理に国境はない」と語りかけるシーンが描かれます。 この言葉には、

  • 異文化を尊重し合いながら、新しいものを生み出していく姿勢
  • 出自にこだわるのではなく、美味しさそのものを追求する精神
  • 料理を通じて人と人をつなげる、普遍的な力への信頼

が込められており、映画のテーマを象徴する名場面となっています。

評価は「映像・料理シーンは絶賛」「ストーリーは王道派・物足りない派に分かれる」

公開後の評価については、国内外でおおむね好意的な声が多い一方、ドラマ版からのファンを中心に、意見が分かれる部分もあります。

ポジティブな評価としては、

  • 「料理シーンの美しさ」「キャストの演技力」が非常に高く評価されている
  • 中年の料理人たちが挫折から再起するストーリーが胸を打つ
  • 映像も音も、映画館ならではの“ごちそう感”がある

といった感想が多く、観客レビュー数も多いことから、広く受け入れられている作品であることがうかがえます。

一方で、

  • 「ドラマ版と展開が似ていて新鮮味に欠ける」
  • 「ストーリーが王道すぎて、映画ならではのドラマ性が弱い」
  • 「ほぼ『二ツ星の料理人』のような内容に感じた」という指摘

など、物語の面で物足りなさを感じたという声も一定数あります。

海外のレビューサイトでは、Rotten Tomatoesなどで5段階中3程度の“中程度の評価”と紹介されていますが、一般観客の間では、それ以上に料理描写と俳優陣の演技が評価されているという報告もあります。

総じて、

  • 「王道の良さ」を素直に楽しむ人
  • 「もっとひねりが欲しかった」と感じる人

に分かれつつも、「お腹が空く」「何度も観たくなる」「ドラマ版が好きなら観て損はない」といった声が多く、“料理映画”としての魅力は揺るぎないといえるでしょう。

ドラマから映画へ――受け継がれる“チーム”の物語

映画『グランメゾン・パリ』は、テレビドラマシリーズとスペシャルドラマの正統な続編として制作されており、これまでの物語で築かれてきた“チーム”の関係性が、そのまま映画にも生かされています。

レビューでは、「ドラマシリーズからちょうど良い熱量で映画に流れ込んだ」「それぞれのキャラクター性を活かしつつ、絆がさらに深まった」といった意見もあり、ドラマファンにとっては、いわば“ご褒美編”のような位置づけになっています。

一方で、「ドラマを観ていなくても楽しめる作品」とする解説もあります。 物語の軸は分かりやすくまとめられており、

  • パリで三つ星をめざす挑戦
  • 多国籍チームがぶつかり合いながら成長していく姿
  • ラストに向けての“リベンジ”フルコース

など、映画単体でもしっかりと完結する構成になっていると評価されています。

特に、尾花がかつて自己中心的だった自分を省みて、「チーム」をつくるために「詫び飯」を囲むシーンは、シリーズ全体を象徴するエピソードだと語るレビューも見られます。 こうした細かな積み重ねがあるからこそ、クライマックスでの三つ星獲得の瞬間に、観客は大きなカタルシスを感じるのです。

“料理映画”の可能性を広げる一作として

これまで日本では、大ヒットした「料理映画」は多くないと言われる中、『グランメゾン・パリ』は、ドラマからの人気を受けつつも、

  • 本格的な料理描写とリアルな厨房の緊張感
  • パリロケによるスケール感のある映像
  • 多国籍チームと国境を越えたテーマ性

を備えた作品として、「三つ星、いや五つ星の心を満たす上質な作品」と称える声も上がっています。

観る人によって、

  • 純粋に「おいしそう!」を楽しむグルメ映画として
  • 挫折からの再起を描いたヒューマンドラマとして
  • 国境や文化を越えたコラボレーションを描いた群像劇として

さまざまな受け取り方ができるのも、この作品の魅力です。

そして何より、「評価」や「厳しい言葉」に向き合いながら、自分の道を貫いていくキャラクターたちの姿は、冨永愛さんの“イラッとしたけれど、いまはモットーになった言葉”のエピソードとも通じるものがあります。百田夏菜子さんの言うように、その言葉はきっと、映画を通して挑戦するすべての人への“エール”としても響いているはずです。

参考元