日本バス協会が新ウェブサイト開設 全国のバス時刻表を一度に検索できる新サービスとは
公益社団法人日本バス協会が、全国のバス時刻表を簡単に探せる新しいウェブサイトを開設しました。全国約650件のバス時刻表へのリンクを一か所に集めたもので、路線バスから高速バスまで、複数のバス会社や路線の時刻をまとめて調べられるのが大きな特徴です。
これまでも多くのバス会社や自治体が自社サイトで時刻表を公開してきましたが、利用者は会社ごと・地域ごとに別々のサイトを探し、行き先に合わせて何度も検索し直す必要がありました。今回、日本バス協会が一元的にリンクを整理して公開したことで、「どのサイトを見ればいいのか分からない」という不便さを解消し、全国共通で使える入口を提供した形です。
全国約650の時刻表に対応 路線バス・高速バスを幅広くカバー
協会が公開した情報によると、新サイトからアクセスできるのは、全国のバス事業者や自治体が個別に公開している時刻表ページへのリンクです。 サイト上に時刻そのものを掲載しているわけではなく、「どの事業者がどこで時刻表を公開しているか」を分かりやすく整理して案内する仕組みになっています。
カバーしている範囲は、最新の集計(昨年10月時点)で次のようになっています。
- 路線バス:47都道府県で約400件
- 高速バス:沖縄県を除く46都道府県で約250件
- 合計:およそ650件の時刻表サイトへのリンク
路線バスは、通勤・通学や買い物など、日常生活での利用が多い地域の足です。一方、高速バスは、都市間移動や帰省、ビジネス出張、観光などに使われています。これらを合わせて一元的に案内するサイトは国内ではまだ珍しい取り組みだとされており、協会の担当者も新サービスの意義を強調しています。
「旅先で活用してほしい」 担当者が語る狙い
日本バス協会の担当者は、新サイトについて「旅先などで活用してほしい」と話しています。 この一言には、いくつかの狙いが込められていると考えられます。
- 旅行や出張で知らない土地を訪れた人が、地域のバス情報を素早く確認できる
- 複数のバス会社を乗り継ぐ場合でも、事業者ごとのサイトを探し回る手間を省ける
- 鉄道だけでは行きづらいエリアも、バスを組み合わせることで移動の選択肢が広がる
特に地方では、鉄道の本数が少なかったり、鉄道路線そのものが廃止されたりしている地域も少なくありません。その中で、バスは住民や観光客にとって貴重な移動手段です。ただし、事業者ごとに情報が分かれているため、初めて訪れる人には使いづらい面もありました。
今回のサイト開設は、そうした「情報の分かりにくさ」を補い、利用者目線でバスを使いやすくする試みと言えます。
どのように検索するのか 日本バス協会サイトの基本的な使い方
日本バス協会のサイトでは、利用者が地域を選ぶだけで対象エリアのバス事業者一覧が表示され、それぞれの時刻表ページへのリンクがまとまっています。
基本的な流れは次のようになります。
- トップページで路線バスか高速バスの時刻表を選ぶ
- 都道府県などの地域を選択する
- 表示されたリストから利用したいバス会社や路線を選ぶ
- 各事業者の公式サイト上にある時刻表ページへ移動する
例えば、路線バスのページでは、北海道から九州・沖縄までの地域ごとにバス会社名が並び、それぞれに「時刻表ページ」へのリンクが用意されています。 ユーザーは、紙の時刻表をめくるような感覚で、インターネット上から各社の情報へたどり着けるようになっています。
高速バスについても同様に、地域ごと・路線ごとに整理されたリンクが設けられており、都市間バスの時刻を調べる際の入口として利用できます。
複数サイトを行き来する負担を軽減 利用者にとってのメリット
今回の新サイトには、バス利用者にとって分かりやすいメリットがいくつかあります。
- 一度の操作で入口が見つかる:「どの会社がこの地域を走っているか分からない」という場合でも、地域選択からたどることで、候補となる事業者の一覧を確認できます。
- 公式情報に直接アクセス:リンク先は各事業者や自治体が運営する公式の時刻表サイトのため、最新のダイヤや運休情報を確認しやすくなります。
- 乗り継ぎや比較がしやすい:複数のバス会社をまたぐ移動でも、一覧から順に確認できるため、時刻やルートの比較が行いやすくなります。
- 検索の手間を削減:いちいち検索エンジンで会社名や路線名を入力しなくても、協会サイトからまとめてアクセスできます。
インターネット検索に慣れていない人にとっても、「まずは日本バス協会のサイトを開く」という分かりやすい入り口ができたことで、バス利用のハードルは下がると考えられます。
バス事業者にとっての利点 情報発信を後押し
この新サイトは、利用者だけでなく、バス事業者側にとってもメリットがあります。
- 公式時刻表ページへの誘導が増える:協会サイトがハブとなることで、利用者が自社サイトの時刻表ページにたどり着きやすくなります。
- 情報の更新が反映されやすい:リンク先は各事業者のページのため、ダイヤ改正や臨時便などを自社で更新すれば、協会サイト経由の利用者にも最新情報が届きます。
- 新規登録や更新も受付:協会サイトでは、バス事業者からの時刻表URLの新規登録・更新依頼も受け付けています。
特に中小規模のバス会社や、自治体が運行するコミュニティバスなどは、存在そのものを知ってもらうことが大きな課題でした。協会が作る全国共通のポータルに参加することで、利用者の目に触れる機会が増え、地域交通の活性化にもつながる可能性があります。
全国的な取り組みとしての意義 「バス離れ」対策にも期待
日本全体で見ると、自家用車の普及や人口減少、生活スタイルの変化などにより、バスの利用者数は長期的に減少傾向にあると言われてきました。その一方で、高齢者や学生、車を持たない人にとって、バスは依然として重要な生活の足です。
こうした状況の中で、日本バス協会が全国規模で時刻表サイトを集約する取り組みには、次のような意味があると考えられます。
- 「分かりにくさ」が原因のバス離れを防ぐ:時刻や路線が把握しづらいことによる敬遠を和らげる狙いがあります。
- 地域間の情報格差を縮小:大都市のように民間サービスが整っていない地域でも、協会サイトを通じて一定の情報提供が可能になります。
- 旅行や観光との相性向上:鉄道や航空機に比べると情報が散らばりがちなバス交通を、旅の計画に取り入れやすくします。
まだスタートしたばかりの試みですが、今後、参加する事業者や掲載される路線が増えれば、ネット上での「バス情報の地図」としての役割はさらに高まりそうです。
今後期待される展開と、利用者へのメッセージ
現時点で、日本バス協会のサイトは、バス会社や自治体が運営する公式時刻表サイトへのリンク集という形をとっています。 そのため、詳細な検索条件を指定したり、複数の事業者を横断した経路検索を行ったりする機能は、各事業者のサイトや他の経路検索サービスに委ねられています。
一方で、協会が全国レベルで情報を集約し続けることで、
- 新規参画するバス事業者の増加
- 時刻表リンクの拡充や整理の高度化
- 利用者からの知名度向上とフィードバックの蓄積
といった変化が見込まれます。これらは、将来的なサービス改善の土台にもなっていくでしょう。
協会は、今回のサイト開設にあたり、「旅先などで活用してほしい」と呼びかけています。 日常の通勤・通学はもちろん、週末の小さなお出かけや、久しぶりの帰省旅行など、さまざまな場面で、まずは一度日本バス協会の時刻表サイトを入口として使ってみることで、バスの新たな便利さを実感できるかもしれません。
全国約650のバス時刻表を一か所からたどれる今回の取り組みは、デジタル時代における公共交通の案内の在り方を示す一歩でもあります。今後、どこまで情報が充実し、利用者に浸透していくのか、引き続き注目されます。




