オリックスが中嶋聡氏を「シニアディレクター兼フィールドコーディネーター」に起用 岸田体制を後方から強力支援
オリックス・バファローズは、球団OBで前監督でもある中嶋聡氏の役職を変更し、2026年シーズンから「シニアディレクター兼フィールドコーディネーター(SD)」として新たな役割を担ってもらうことを発表しました。
これまでのスペシャルアドバイザー(SA)から一段踏み込んだポジションとなり、チームの運営や育成部門の強化、さらには現場との橋渡し役としても重要な使命を担う形になります。
球団は、この人事を通じて岸田護監督体制を全面的にバックアップし、「V奪回」への体制強化を図る考えです。
役職変更の概要と新ポジションの意味
オリックスは1月9日、中嶋氏の役職を次のように変更したと発表しました。
- 旧役職:スペシャルアドバイザー(SA)
- 新役職:シニアディレクター兼フィールドコーディネーター(SD)
この変更により、中嶋氏は従来の「助言・サポート」にとどまらず、より組織的・実務的な権限と責任を持ってチームに関わることになります。
球団は公式発表の中で、新役職について
「球団運営や育成部門の強化、現場との橋渡し役としての役割を担うことになる」
と説明しています。つまり、フロントと現場の中間に立ち、全体を見渡しながらチーム力の底上げを図る専門職という位置づけです。
球団本部長が語る狙い「運営と育成の強化」
今回の人事の狙いについて、オリックスの小浜裕一球団本部長は、メディアの取材に対して次のように説明しています。
「チームの運営、育成部門の強化。そういうところに尽力していただくというところですね」
さらに、
「幅広く、チーム力アップに貢献していただきたい」
とコメントし、単に一軍の強化だけでなく、二軍や育成選手を含めた組織全体の底上げを期待していることを明かしました。
具体的な関わり方についても、
「育成も大事ですし。(2軍の)舞洲に来ることもあるでしょうし1軍の方も。遠征先でもポイント、ポイントで助言をいただく」
と話しており、中嶋氏が一軍・二軍の垣根を越えて、さまざまな現場に顔を出しながら、細やかにアドバイスを送る姿がイメージされています。
「福良GM × 中嶋SD」で岸田監督をバックアップ
オリックスはフロント体制として、
- 福良淳一GM
- 中嶋聡SD
- 岸田護監督
というトライアングルでチームを運営していく形になります。
小浜球団本部長は、
「福良GMがいて、中嶋SDがいて。このペアで、岸田監督をバックアップして、強くしてもらうという感じですね」
と強調。編成・運営を担うフロントの二人と、現場を率いる監督の三者が連携することで、より一体感のあるチーム作りを目指しています。
同時に、スポーツ紙などは今回の人事を、
「V奪回へ“切り札”投入」
と表現し、岸田体制にとって非常に心強いサポートであると報じています。
中嶋聡氏のこれまでの歩みと実績
今回の役職変更の背景には、中嶋氏がこれまでオリックスにもたらしてきた大きな実績があります。
中嶋氏は、2020年シーズン途中にオリックス二軍監督から一軍監督代行に就任し、その後正式に一軍監督となりました。
監督としては、
- 2021年〜2023年:パ・リーグ3連覇
- 2022年:日本一を達成
という快挙を成し遂げ、「名将」として高い評価を受けています。
2024年シーズン限りで監督を退任した後、2025年からはスペシャルアドバイザー(SA)としてフロント入り。
主に、
- 外国人選手の獲得
- 編成面での助言
といった役割を担い、チームを陰で支えてきました。
日本ハム時代にGM特別補佐として活動していた経験もあり、そのときに培った人脈を活かして、米国・中南米・台湾などでスカウト業務に携わってきたことでも知られています。
SAからSDへ より深くチーム作りに関与
これまでも中嶋氏は、SAとして編成面でのアドバイスや、キャンプ視察、メディア出演などを通じて、チームやファンに向けて様々な発信を行ってきました。
しかし、今回のシニアディレクター兼フィールドコーディネーターというポジションでは、
- 選手育成プログラムの構築・改善
- チーム運営に関する具体的な施策への関与
- 現場(ベンチ・ファーム)とフロントの情報共有・調整役
といった、より実務的で組織全体に関わる役割が期待されています。
ベースボール専門メディアは、中嶋氏について、
「海外野球の最新事情やテクノロジー、データ活用にも精通しており、その知識を球団戦略全体に生かすことが期待されている」
と伝えています。単なる経験則だけでなく、データや最新トレンドも踏まえた現代的なチーム作りに貢献していくと見られています。
チーム運営・育成部門での具体的な期待
今回の役職変更で、球団が特に強化したいと考えているのが、
- 球団運営の質の向上
- 選手育成部門のさらなる充実
の2点です。
チーム運営の面では、
- 一軍と二軍の方針のすり合わせ
- 若手起用のタイミングやローテーションの組み立て方についての助言
- データやスカウティング情報の現場への落とし込み
などが想定されます。
育成部門では、
- 育成選手や若手有望株に対する中長期的な育成プランづくり
- 海外も含めた人材発掘とフォロー体制の強化
- 捕手出身ならではの視点からの守備・バッテリー育成
といった分野での貢献が期待されます。
こうした取り組みを通じて、単年の結果だけでなく、「継続して強いチーム」を作ることが中嶋SDの大きなミッションとなります。
V奪回へ 岸田オリックスの“切り札”
スポーツ紙各紙は、この人事を「V奪回へ“切り札”投入」と報じています。
中嶋氏は監督時代、選手の特徴を見極めた起用法と、若手育成を両立させながら結果を出してきました。その手腕が、今度は裏方の立場からチーム全体に波及していくことになります。
岸田護監督にとっても、
- 自らが現役時代を知る先輩監督
- チームを3連覇へ導いた実績を持つ指導者
- フロントと現場の両方を理解する“つなぎ役”
がそばにいることは、大きな安心材料となるでしょう。
また、福良GMと中嶋SDが二人三脚でチーム戦略を練り、その方針を岸田監督がグラウンドで体現していくという流れが整えば、フロントと現場が同じ方向を向いた組織運営が期待できます。
ファンと球界からの期待
中嶋氏は、監督時代だけでなく、引退後の解説やメディア出演を通じても、野球ファンから高い支持を得てきました。
専門的でありながらわかりやすい解説や、選手を思いやるコメントは、多くのファンの共感を集めています。今回の役職変更によって、表舞台で采配を振るう立場ではなくなっても、チーム作りの“頭脳”として存在感を発揮していくことになりそうです。
また、球界全体としても、「3連覇・日本一」の実績を持つ指導者がどのようにフロントワークを行い、チーム力向上に関わっていくのかは、大きな関心事となっています。
運営や育成に中長期的な視点を取り入れる動きは、近年のプロ野球全体の潮流でもあり、その中でオリックスがどのような成果を示していくかにも注目が集まります。
今後のオリックスにとっての意味
今回の人事は、一言で表すと「短期と長期の両方を見据えたチーム作りへの本格シフト」と言えるでしょう。
- 目先の勝利=岸田監督率いる一軍の戦い
- 中長期の強化=育成・運営を統合した戦略的な体制づくり
この両輪を回すために、監督経験とフロント経験を併せ持つ中嶋氏を、より広い権限を持つポジションに据えたことは、極めて理にかなった動きです。
オリックスは、かつての低迷期から脱し、若手育成と補強をうまく組み合わせながらリーグトップクラスの戦力を築いてきました。その成功の一端を担った人物が、今度は「組織全体の設計者」として新たな挑戦に臨みます。
ファンにとっても、「中嶋オリックス」を知るからこそ、中嶋氏が裏方で支える「岸田オリックス」の戦い方に、これまでとはひと味違う楽しみ方が生まれるかもしれません。
役職は変わっても、目指すところはただ一つ。再び頂点に立つこと、そして強いオリックスを継続していくことです。



