「えべっさん」の総本社・西宮神社に全長3メートルの「招福大まぐろ」奉納 十日えびす目前で商売繁盛祈る
兵庫県西宮市の西宮神社で、商売繁盛の神様「えべっさん」をおまつりする十日えびすを前に、恒例となっている特大マグロの奉納式が行われました。全長3メートル・重さ270キロのクロマグロが拝殿に供えられ、その迫力ある姿が参拝者の注目を集めています。
「えべっさん」総本社・西宮神社とは
西宮神社は、関西一円で親しまれている「えべっさん」の総本社として知られています。 商売繁盛や漁業の発展などを願う人々が全国から訪れ、毎年1月9日から11日にかけて行われる十日えびすには、多くの参拝者で境内が賑わいます。
特に1月10日の早朝には、参道を駆け抜けて本殿に一番乗りした人を「福男」としてたたえる「福男選び」が行われることで有名です。 この行事はテレビや新聞などでも繰り返し紹介され、全国的な注目を集める西宮神社の名物行事となっています。
全長3メートル・270キロの「招福大まぐろ」奉納
今回奉納されたのは、千葉県産のクロマグロで、全長3メートル・重さ270キロという特大サイズです。 2025年に奉納されたマグロは全長2メートルほどだったため、今年はそれを大きく上回る大迫力のマグロとなりました。
このマグロは、刺し身にすると約1400人分になるとされ、その大きさからも豊かな恵みと福を感じさせてくれます。 奉納は地元の漁業関係者によって行われ、大漁と商売繁盛を祈る行事として、1970年から続く西宮神社の恒例行事となっています。
奉納式では、白装束を身にまとった関係者らが息を合わせてマグロを担ぎ、拝殿へと運び込みます。270キロもの重さがあるため、大人8人がかりで奉納したということです。 拝殿に据えられたマグロは神職によるお祓いを受け、「招福大まぐろ」として参拝者の前にお披露目されました。
お金が「身に付く」? 賽銭を貼り付ける独特の風習
西宮神社の「招福大まぐろ」には、少しユニークで縁起の良い風習があります。それが、マグロの頭や背中にお賽銭を貼り付けるというものです。
参拝者はマグロの表面に硬貨や紙幣をそっと押し当てて貼り付け、「お金が身に付く」ようにと金運上昇や商売繁盛を願います。 「身に付く」と「お金が身に付く」をかけた、いかにもえべっさんらしい、遊び心とご利益を兼ね備えた風習です。
中には、特にご利益を願って1万円札を貼り付ける人の姿も見られるなど、その熱心さからもえべっさん信仰の厚さがうかがえます。賽銭が次々と貼り付けられていくうちに、マグロの身体はきらきらと輝き、まるで「お金がまとわりついた福の象徴」のような姿になっていきます。
十日えびす本番へ向けて高まる期待
西宮神社の十日えびすは、毎年1月9日から11日まで行われ、期間中は境内に多くの露店が立ち並び、福笹や縁起物を求める人々でにぎわいます。 「招福大まぐろ」の奉納は、その十日えびすを前に行われる重要な行事であり、本番に向けて境内の雰囲気を一気に盛り上げる役割を担っています。
奉納されたマグロは、十日えびすの期間中、拝殿に供えられ、訪れた人たちが次々とお賽銭を貼り付けていきます。 期間中は、商売人だけでなく、「今年こそ金運を上げたい」「新しい挑戦を成功させたい」と願う多くの参拝者が足を運びます。
「えべっさん」は、どこか親しみやすく、明るい笑顔と福を運んでくれる神様として愛されてきました。魚を抱えた姿で描かれることも多く、今回のマグロ奉納にも、豊漁と豊かな商いが続くようにという願いが込められています。
1970年から続く「福」を招くマグロ奉納
西宮神社でのマグロ奉納は、1970年から続く歴史ある行事です。 元々は、地元の漁業関係者が大漁と商売繁盛を祈って始めた奉納で、今では西宮の新春を彩る風物詩となりました。
時代が変わっても、人々が「新しい一年を良い年にしたい」「商売をもっと発展させたい」と願う気持ちは変わりません。特大のマグロには、そうした人々の願いがぎゅっと込められています。
近年は、観光客や若い世代の参拝者も増え、スマートフォンでマグロの写真を撮ったり、家族連れが子どもと一緒にお賽銭を貼り付けて楽しむ姿も見られます。伝統行事でありながら、誰でも気軽に参加できる開かれた雰囲気も、西宮神社の十日えびすの魅力のひとつです。
西宮神社で体感する「えべっさん」の空気
西宮神社の境内に一歩足を踏み入れると、提灯や福笹、にぎやかな掛け声など、新春らしい華やかな空気に包まれます。そこに加わるのが、拝殿に据えられた「招福大まぐろ」の存在感です。
- マグロにお賽銭を貼り付けて金運アップを願う
- 福笹や縁起物を授かり、商売や仕事の発展を祈る
- 福男選びの話題で盛り上がりながら、えべっさんの明るさに触れる
こうした体験を通して、多くの人が「今年もがんばろう」「新しい一歩を踏み出そう」という前向きな気持ちを持ち帰ります。えべっさんの笑顔と、特大のマグロの迫力が、その背中をそっと押してくれるようです。
西宮神社の「えべっさん」と「招福大まぐろ」は、商売繁盛を願う人々の心の拠りどころであると同時に、地域の文化や伝統を次の世代につなぐ大切な存在となっています。270キロのマグロに貼り付けられた一枚一枚のお金には、それぞれの家庭やお店、仕事場の物語と願いが込められているのかもしれません。




