名古屋市立大学に中高一貫校、2029年度に設置へ 公立大としては全国初の試み

名古屋市が2029年度、市立大に「中等教育学校」を設置することが明らかになりました。この取り組みは、公立大学としては全国初となる中高一貫校の設置です。市立大の滝子キャンパス(名古屋市瑞穂区)が設置候補地となっています。

目指すのは「脱・受験競争」の教育環境

この中高一貫校の設置を公約に掲げた広沢一郎名古屋市長は、取材に対して次のようにコメントしています。「受験勉強に追い立てられることのない教育の場をつくり、市全体の教育改革にもつなげていきたい」と語っており、従来の受験競争中心の教育体制からの転換を目指しています。

新設される中等教育学校は、中学から高校へとスムーズに進学できる6年間の一貫教育を提供します。これにより、受験対策に時間を割かれることなく、より充実した学習環境を生徒に提供することが期待されています。また、名古屋市立大学との連携により、中高大一貫教育の実現を目指しており、大学との相乗効果を生かした教育プログラムの開発が進められる予定です。

設置に向けた今後のスケジュール

名古屋市と市立大は、2026年度から協議を本格化させることが決定しています。2029年度の開校に向けて、約3年間をかけて具体的な教育内容、施設整備、運営体制などについての検討が進められます。

高校からの編入募集は行わない本格的な中高一貫校として計画されており、入学者は中学段階で募集される予定です。これにより、6年間を通じた一貫性のある教育を実現することができます。

愛知県における中高一貫教育の広がり

愛知県では、中高一貫教育の導入が進んでいます。県立高校においても、明和高等学校附属中学校、愛知総合工科高等学校附属中学校、西尾高等学校附属中学校、時習館高等学校附属中学校、日進高等学校附属中学校など、複数の附属中学校が設置されており、県立学校における中高一貫教育が既に展開されています。

こうした背景には、少子化に伴う中学校卒業予定者の減少に対応する必要性があります。県内の教育環境が大きく変わりつつある中での、市立大による中高一貫校の設置は、愛知県全体の教育改革を象徴する取り組みとなりそうです。

公立大学による中高一貫校設置の意義

公立大学が中高一貫校を設置するのは全国初の試みとなります。これまで中高一貫校は私立学校や県立学校を中心に展開されてきました。公立大学が直接、附属中高一貫校を運営することで、より多くの生徒に質の高い一貫教育を提供し、教育の機会均等の実現にも貢献することが期待されています。

名古屋市立大学には医学部も設置されており、優秀な教育環境と研究施設を活用した質の高い教育が実施される見込みです。中高段階から大学の教育資源に触れることで、生徒たちはより高い学習意欲を培うことができるでしょう。

今後の教育現場への影響

この中高一貫校の設置は、名古屋市および愛知県の教育現場に大きな影響を与えることが予想されます。特に、受験競争からの脱却を目指すという基本コンセプトは、他の学校や教育機関の教育方針にも波及効果をもたらす可能性があります。

2026年度からの本格的な協議の中で、具体的な教育内容やカリキュラム、さらには施設整備計画などが詳細に検討されていくことになります。2029年度の開校に向けて、今後の動向が注目されています。

参考元