【有馬記念】エルトンバローズに注目集まる理由とは?母系スタミナと“今が一番いい”仕上がり

年末の大一番・有馬記念に向けて、今年ひそかに注目を集めているのがエルトンバローズです。マイル戦線で活躍してきたイメージが強い一頭ですが、今回はキャリア最長となる芝2500メートルに挑戦します。
「距離は未知数」とされる一方で、陣営は「出来は一番いい」「完全に仕上がっている」と口を揃え、その走りに大きな手応えを感じています。
ここでは、エルトンバローズがなぜ有馬記念で“一発候補”として名前が挙がっているのか、その背景や陣営コメント、他有力馬との関係性も含めて、わかりやすく整理していきます。

エルトンバローズとはどんな馬?マイルCSからの挑戦

エルトンバローズは、杉山晴紀厩舎に所属する5歳牡馬で、これまでマイル前後の距離で結果を出してきた実力馬です。
前走は秋のマイル王決定戦であるマイルチャンピオンシップに出走し、5着と健闘。その後も状態はむしろ上向きだったといい、陣営は「休ませるのがもったいない」と感じるほどの出来だったと振り返っています。

しかし、年明け以降の番組構成などを踏まえると、適切な出走レースが限られている状況もありました。その中で調教師はオーナーと相談し、「一度有馬記念に挑戦させてみたい」と決断。有馬記念への参戦が決まったと説明しています。

キャリア最長2500mへの挑戦 距離不安と“母系スタミナ”の魅力

エルトンバローズにとって、中山芝2500mはこれまでで最長距離の挑戦となります。
調教師も「2500mは正直、やってみないとわからない」と率直に距離への不安を口にしています。一方で、ただ“長いから不利”というだけでは終わらない材料も揃っています。

有馬記念の予想記事などでは、エルトンバローズについて「母系に潜在的なスタミナの魅力がある」と評価する声があり、血統面から距離延長への適性が示唆されています(ニュース内容1の主旨)。
マイルで結果を出している馬でも、母系のスタミナによって中長距離に対応できるケースは少なくありません。エルトンバローズも、マイルまでにとどまらない可能性を秘めたタイプとして見られているのです。

中山2500mという舞台設定 コース相性への期待

エルトンバローズ陣営が前向きにとらえている材料の一つが、中山のコース形態です。
調教師は、「中山の小回り、このコース形態自体は、センスのいいこの馬にとって有利に走れるのではないか」とコメント。立ち回りのうまさを生かせる舞台であると分析しています。

さらに、「どのコースでも特に問題なく走ってくれる」とした上で、もともと左回りでは内へモタれるような面があることから、「右回りでこの距離ならなお良い」と、右回りコースとの相性にも期待を寄せています。
有馬記念が行われる中山は急カーブが多く、器用さ立ち回りが問われるコース。その点で、コース適性はプラス材料といえそうです。

調教から見える“今が一番いい”状態

エルトンバローズは、追い切りでも高い評価を受けています。
最終追い切りは、栗東の坂路で単走で行われ、「リズム良く、ムキになることもなく」走ることができたと調教師は説明。
2500mという長丁場を走るうえでは、精神面での落ち着き折り合いが大きなポイントになりますが、「距離を走る上ではいい精神状態」と現状を評価しています。

また、金曜朝の坂路調教では、山本助手が「しっかりとした脚取りでバランス良く走れていた」「完全に仕上がっている」と手応え十分のコメント。
調教師も「今回、休み明け4走目になるが、馬の状態は一番良い」と断言しており、メンバー中でも調子の良さは上位級とみてよさそうです。

気性面・折り合い面の強み 長距離でもリズムよく運べるか

長距離戦で鍵になるのが、折り合いレース運びのリズムです。
エルトンバローズについて陣営は、「引っ掛かる馬ではない」と気性面の扱いやすさを強調。
1600mを中心に使われてきたものの、「毎日王冠も勝っているし、福島(ラジオNIKKEI賞)でも勝っている」ことから、「マイルまでというよりはマイル以上」のイメージで見ていると語っています。

これは、単にスピード一辺倒ではなく、距離に融通が利くタイプであることを意味します。
調教師は「ロスなく立ち回ることができれば、いい競馬をするかもしれない」と語り、無理に前に行き過ぎず、かといって後ろ過ぎない位置でスムーズに折り合って運ぶことが好走条件になると考えているようです。

枠順と展開のポイント:8枠15番からどう立ち回るか

有馬記念はフルゲートに近い頭数で行われることも多く、枠順が勝敗を左右すると言われるレースです。
エルトンバローズは今回、8枠15番とやや外目の枠を引いています。
中山2500mでは内でロスなく運ぶことが有利とされるため、外枠は決して楽な条件ではありませんが、山本助手は「スタートを決めて、ある程度の位置を取れれば」と前向きなコメントを残しています。

ポイントになるのは、序盤でどのポジションを確保できるかという点です。
極端な後方からの競馬では外を回らされる距離ロスが大きくなりますし、かといって前に行き過ぎると折り合いを欠いてしまうリスクもあります。
その意味で、鞍上の判断と立ち回りのうまさが、今回のエルトンバローズにはより強く求められることになるでしょう。

輸送・環境面の不安は少ない?海外遠征経験で中山入りもスムーズ

レース前日の段階で、エルトンバローズは中山競馬場に関西馬として一番乗りで到着しています。
担当の田中助手は、「海外遠征も経験しているので輸送には慣れている」と話しており、長距離輸送による馬への負担は比較的少ないと見られています。

有馬記念では、長距離輸送や環境の変化によるテンションの乱れがパフォーマンスに影響することもありますが、過去に海外遠征をこなしている経験は、ここで大きなプラス材料と言えるでしょう。

「残り物に福」ラストランの有力馬と、エルトンバローズの立ち位置

今年の有馬記念は、「ラストラン」となる有力馬の存在も大きな話題になっています。ニュース内容2では、「残り物に福があった!ラストランでも引き寄せた勝利への鍵」という切り口で、有馬記念が“集大成の舞台”となる馬に焦点を当てています。
また、ニュース内容3では、「ノーザンファーム生産馬が1番人気なら…一撃を狙うならジャスティンパレスか」と、ジャスティンパレスが一発候補として名前が挙がっています。

興味深いのは、同じ杉山晴紀厩舎からジャスティンパレス(牡6)エルトンバローズ(牡5)2頭出しとなっている点です。
東京スポーツの速報でも、「杉山晴厩舎はジャスティンパレスとエルトンバローズの2頭出し」と伝えており、世間的な注目はジャスティンパレスに集まりやすい構図です。

こうした中で、エルトンバローズは人気の盲点になりやすい存在です。
調教師自身も「人気は無いと思うが、一生懸命走ってくれるように自分も馬にハッパをかける」と述べており、伏兵的な立場からの一発を狙っています。

「一発に期待」の背景:ファンが夢を託せる条件はそろった?

ニュース内容1では、「母系に潜在的なスタミナの魅力 エルトンバローズの一発に期待」という見出しで、有馬記念におけるエルトンバローズの穴馬候補としての魅力が語られています。
ここまで見てきたように、

  • マイルチャンピオンシップ5着からの挑戦で近走内容は安定
  • 休み明け4走目で状態は一番良いという陣営の高い評価
  • 母系のスタミナや、右回り・小回りコースへの適性
  • 海外遠征経験による輸送面の安心感
  • 人気以上の力を秘めた伏兵としての立ち位置

といった要素が揃っています。
もちろん、未知の2500mという距離、不利になりかねない外枠という条件を考えると、すべてが簡単ではありません。それでも、陣営のコメントからは、「やるべき準備はすべて整えた」という自信が伝わってきます。

ファンに向けたメッセージと、有馬記念での楽しみ方

調教師は最後に、「ロスなく立ち回ることができれば、もしかするといい競馬をするかもしれない」「応援よろしくお願いします」とファンにメッセージを送っています。
有馬記念は、ファン投票で出走馬が選ばれる“夢のグランプリ”。
圧倒的な人気馬だけでなく、エルトンバローズのような伏兵の一頭にも、それぞれの陣営の思いやドラマがあります。

レース当日は、スタート後のポジション取り折り合いのつき方4コーナーでの立ち回りなどに注目してエルトンバローズの走りを見てみると、より深くレースを楽しめるはずです。
出来は近走で一番」と自信を持って送り出されるエルトンバローズが、グランプリの舞台でどんな走りを見せてくれるのか、有馬記念の注目ポイントの一つとなりそうです。

参考元