楽天グループ株主優待が変更に――12月26日権利確定、その中身と1年リターンをやさしく解説

楽天グループ(証券コード:4755)の株主優待が、2025年12月権利分から大きく変更されます。今回の変更は、楽天モバイルの「6カ月無料」優待の条件や期間に関わる内容で、個人投資家の間でも「改悪なのか、それともまだお得なのか」が話題になっています。そこで本記事では、ニュースで取り上げられているポイントを整理しながら、優待の具体的な内容過去1年間の株価リターンを、やさしい言葉で解説していきます。

今回のポイントまとめ

  • 2025年12月26日が権利付最終日(この日までに保有している必要)
  • 100株以上の保有で楽天モバイル(音声+データ30GB/月)が6カ月間無料
  • 2026年6月末まで継続保有すると、さらに6カ月分が追加され合計1年間無料
  • 前回は「最初から12カ月無料」だったため、内容は実質的に条件付きへ変更
  • それでも、スマホ代を抑えたい人には依然として大きな節約効果が見込める優待
  • 2024年12月からの1年間の株価リターンは+12.69%とプラス圏

権利確定日は「12月26日」――いつまでに買えば間に合う?

楽天グループの第29期株主優待は、2025年12月末時点の株主名簿に記載された株主が対象です。 名簿に名前を載せるには、株式の受け渡しの関係から、実務上の締切日である「権利付最終日」までに株を保有している必要があります。

今回の権利付最終日は2025年12月26日とされています。 つまり、

  • 12月26日の取引終了時点で、楽天グループ株を100株以上保有していること

これが、今回の株主優待を受けるための最低条件となります。

楽天グループの新しい株主優待の内容

優待の中身:楽天モバイル「30GB/月」が6カ月無料

第29期(2025年12月末基準)の株主優待は、楽天モバイル回線の6カ月無料プランです。 内容は以下の通りです。

  • 対象サービス:楽天モバイルの音声通話+データ通信
  • データ容量:月間30GBまで
  • 無料期間:まず6カ月分が提供

楽天グループ公式の説明では、「第29期株主様ご優待は2025年12月末日時点の株主名簿に記載された100株以上保有の株主を対象」として、同プランの無料提供を行うとしています。

継続保有で+6カ月、合計1年無料も可能

今回の優待には継続特典が用意されており、条件を満たすとさらに6カ月分が追加されます。

  • 2025年12月末時点で100株以上保有
  • 2026年6月末時点でも、同じ株主番号で100株以上を継続保有

この両方の条件を満たした株主には、継続特典として追加で6カ月間無料が付与され、トータルで最大1年間無料となります。

また、前年度の株主優待でもう楽天モバイルを利用している株主であっても、今回の条件を満たして申し込めば、今使っているSIMをそのまま継続利用できる仕組みになっています。 乗り換え手続きなどの手間が少ないのは、既存ユーザーにとってもメリットと言えます。

「改悪?」と言われる理由――前年度との違い

前回は「一括1年分」、今回は「まず6カ月」

今回の優待変更が「改悪では?」と話題になっている背景には、前年度(第28期)の優待内容との違いがあります。

前年度の株主優待では、同じく100株以上の保有を条件に、最初から1年間分の無料期間が付与されていました。 それに対して、今回の第29期分では、

  • 当初付与されるのは6カ月分のみ
  • 残りの6カ月分は、2026年6月末まで継続保有した株主にのみ付与

という形に変わっています。そのため、「単純に比べると、最初にもらえる期間が短くなった」という点から、ネット上などで「改悪」との声が出ているわけです。

それでも条件を満たせば実質1年分は変わらず

一方で、楽天グループ側は、継続保有を前提とすれば、前回と同じ1年分の優待が受け取れる設計を維持しています。 実際に、2025年12月末と2026年6月末の両方で100株以上を持ち続ければ、合計12カ月分の無料期間となります。

つまり、

  • 短期的に優待だけを目的に保有する投資家には不利になった
  • 楽天グループを長期で応援する株主にとっては従来と同等のメリットが維持されている

とも言えます。この点が、「改悪なのか」「むしろ長期保有を促す合理的な変更なのか」という議論のポイントになっています。

本当にお得?「6カ月無料」優待の価値を考える

スマホ代の節約効果

楽天モバイルの株主優待は、スマホ代を大きく抑えられる可能性がある点が特徴です。具体的な料金水準はプランやキャンペーンによって変動しますが、一般的なキャリアの音声+データプランと比較すると、

  • 月々数千円の通信費が6カ月~1年分無料になる

というインパクトがあります。これは、年間の家計にとっても無視できない金額です。

「【改悪?】楽天“株主優待SIM” 6カ月無料でもお得なのか徹底解説」といった記事では、他社との料金比較や、楽天モバイルの通信品質、既存ユーザーが乗り換える場合のメリット・デメリットなどにも触れながら、「まだ十分お得度は高い」といった見方も示されています。(詳細金額は媒体ごとに異なるため、本記事では一般的な水準として紹介しています)

短期派と長期派で評価が分かれる優待設計

今回の優待は、最初の6カ月分は比較的ハードルが低い一方で、1年分フルに受け取るには半年以上の継続保有が必要です。 そのため、

  • 短期で売買を繰り返す投資家にとっては、前回より使い勝手が悪く感じられる可能性
  • スマホ代を抑えたい長期保有の個人投資家にとっては、依然として魅力的な優待

という構図になっています。

権利確定月の変更:年1回から「6月・12月」の年2回へ

また、楽天グループの株主優待制度は、権利確定月の回数にも変更が入っています。株主優待情報サイトなどによると、2025年12月権利分から、権利確定月が「12月の年1回」から「6月・12月の年2回」へと変わりました。

ただし、注意したいのは、

  • 以前は12月の1回だけ権利を取れば、12カ月分の優待がもらえた
  • 変更後は、12月と翌年6月の両方で権利を取らないと、12カ月分の優待にならない

という点です。つまり、形式上は「年2回」になりましたが、実質的には長期継続保有を条件とした1年分優待、という設計に変わったと理解すると分かりやすいでしょう。

過去1年間の株価リターン:+12.69%とプラス圏

2024年12月からの値動き

ニュースでは、「併せて1年間のリターンもチェック」という切り口で、楽天グループ株のパフォーマンスも紹介されています。もし2024年12月24日時点で楽天グループ株を取得していた場合、その後1年間のリターンは+12.69%だったとされています。

この計算では、途中で株式分割が行われた場合、分割前の株価も分割後ベースに調整したうえで、騰落率を算出しています。 1年で約13%のプラスというのは、株価の値動きとしては決して小さくない上昇率です。

直近の株価変動にも注意

同じニュースでは、ある時点での前日比変化率が▲10.66%と、大きく下落した局面も紹介されています。 これは、楽天グループ株がニュースや決算、事業環境の変化などを受けて、短期的には大きく振れることがある銘柄であることを示しています。

株主優待は魅力的ですが、株価変動リスクは常に存在するため、優待だけでなく、事業内容や財務状況、モバイル事業の収益化状況なども合わせて確認したうえで投資判断を行うことが大切です。

申込み方法やスケジュールの概要

具体的な申込み方法については、楽天グループのIR情報によれば、2026年3月中旬ごろにホームページ上で詳細を案内するとされています。 2025年12月26日の権利付最終日までに株を保有し、株主名簿に記載されていれば、その後、案内に従って申込みを行う流れになります。

また、楽天証券では、株主優待情報の更新頻度を「月1回」から「毎営業日」に変更しており、企業IRによる優待内容の変更などが、比較的早いタイミングで確認できるようになっています。 楽天グループ株の優待を狙う場合も、最新のIRと証券会社の優待情報ページをセットでチェックしておくと安心です。

今回の変更をどう受け止めるか

今回の楽天グループの株主優待変更は、

  • 短期優待狙いにはやや不利になった
  • 長期保有前提なら、従来と同じ1年間無料が維持されている
  • スマホ代の節約という観点では依然として高いお得度がある

という特徴があります。

「改悪かどうか」は、投資スタイルによって評価が分かれるところですが、少なくとも楽天グループとしては、株主優待を通じて楽天モバイルの利用拡大株の長期保有を同時に促したいという意図が読み取れる内容になっています。

いずれにせよ、株式投資では、

  • 株主優待
  • 配当
  • 株価の値動き(キャピタルゲイン・ロス)

の3つを総合的に見ながら、自分に合った投資判断を行うことが大切です。楽天グループ株に関心がある方は、今回の優待内容と1年間のリターンの動きを参考にしつつ、事業全体の成長性やリスクもあわせて検討してみてください。

参考元