有原航平、古巣・北海道日本ハムファイターズ復帰決定 新庄監督への“クリスマスプレゼント”に

福岡ソフトバンクホークスからフリーエージェント(FA)となっていた有原航平投手が、古巣である北海道日本ハムファイターズへ復帰することが球団から正式に発表されました。

かつてエースとして君臨し、北海道のファンに数々の勝利を届けてきた右腕が、実に6年ぶりに古巣のユニホームに袖を通します。 新庄剛志監督率いる日本ハムにとっては、“最高のクリスマスプレゼント”とも言える大型補強となりました。

ソフトバンクからFA、メジャー再挑戦を断念して決断

有原は福岡ソフトバンクホークスと結んでいた3年契約が今季で満了となり、シーズン終了後に自由契約となっていました。

今オフ、本人は一時期メジャーリーグ復帰の可能性も視野に入れていましたが、最終的にはその道を断念し、日本でのプレー続行を選択。そのうえで、自身をプロの世界へと導いてくれた日本ハムファイターズへの復帰を決断しました。

有原は、北海道日本ハム在籍時代について「プロ入り後6年間を過ごし、自分を育ててくれた球団」と語っており、今回の決断には「恩返し」の思いが強く込められているとされています。

日本ハムで築いた6年間とメジャー挑戦

有原航平は1992年8月11日生まれ、広島市出身の右投げ右打ち投手です。

  • 高校時代は広島・高麗高校でプレーし、甲子園に2度出場、3年春にはベスト4進出。
  • 早稲田大学へ進学後もエースとして活躍。
  • 2014年ドラフトで北海道日本ハムファイターズから1位指名を受け入団。
  • プロ1年目の2015年には新人王を受賞。

日本ハム在籍の6年間で通算60勝を挙げ、エースとしての地位を確立しました。 その後、ポスティングシステムを利用してアメリカへ渡り、テキサス・レンジャーズでメジャーに挑戦。しかし、右肩の手術の影響もあり、2年間でわずか3勝にとどまるなど、思うような結果は残せませんでした。

ソフトバンクでの復活 2年連続最多勝の快投

メジャーからの帰国後、有原は2023年からソフトバンクに加入。 日本球界復帰1年目から安定した投球を披露し、以降3年連続で2桁勝利をマークしました。

特に直近3シーズンの活躍は圧巻で、

  • 日本ハム時代を含め2019年、2024年、2025年にリーグ最多勝を獲得。
  • NPB通算では98勝71敗、防御率3.32という堂々たる成績。

2025年シーズンも、14勝9敗、防御率3.03というエース級の数字を残し、ソフトバンクの先発陣を牽引しました。 今オフの移籍市場では「最大の目玉」と評され、多くの球団が獲得に動いたと報じられています。

なかでも、在籍3年間で計38勝を挙げた実績から、ソフトバンクは大型契約を提示して慰留を試みたとされています。 さらに、読売ジャイアンツも有力な候補として名前が挙がっていました。

それでも最終的に選んだのは、かつての古巣・日本ハム。複数年契約によって電撃復帰が実現しました。

北海道への特別な思いと「恩返し」の決断

有原は、プロ入りからの6年間を過ごした札幌を拠点に生活していたこともあり、北海道への愛着は今も変わらないといいます。

日本ハムは、メジャー挑戦を志した有原の意思を尊重し、背中を押した球団でもありました。そのため、有原は「メジャー挑戦を後押ししてくれた球団に、いつか結果で報いたい」という思いを周囲に語っていたとされます。

一度は敵として日本ハムと対戦する立場になりましたが、在籍時の首脳陣やスタッフ、チームメイトとの関係は良好なままでした。 実際、ソフトバンク時代には古巣・日本ハムを相手に勝利を挙げ、NPB12球団からの勝利を達成したことも話題となりました。

今回の復帰劇は、そうした関係性と本人の感謝の気持ちが結びついて実現した“恩返しの決断”と言えるでしょう。

新庄日本ハムの投手陣にとっての“大黒柱”候補

新庄剛志監督が率いる現在の日本ハムは、若手を積極的に起用しながらチーム再建を進めている最中です。そのなかで、経験豊富な先発投手の存在は大きなポイントでした。

有原は、

  • NPBとMLBを合わせて通算101勝を挙げたキャリアの持ち主であり、
  • 長いイニングを投げきれる先発完投型の投手としても知られています。

また、日本ハムの若手投手陣には、北山亘基達孝太など将来を嘱望される選手が多く名を連ねています。 有原の豊富な経験と実績は、単に「ローテーションの一角」というだけでなく、

  • 若手投手の手本となる存在
  • 試合前の調整方法や配球の組み立てなど、実戦的なノウハウの伝達役

としても、大きな意味を持つと見られています。

日本ハムファンの間では、ソフトバンク移籍後も有原を応援し続けていたファンが多く、「いつか戻ってきてほしい」という声が根強くありました。その願いが現実となり、球団もファンも大きな期待を寄せています。

ファンと球団が待ち望んだ“エースの帰還”

今回の復帰は、かねてから噂としてファンの間で話題になっていました。 動向が取り沙汰されるなかでの正式発表となり、多くのファンが安堵と喜びの声を上げています。

日本ハム球団としても、

  • メジャー挑戦を後押ししたかつてのエースが、
  • より成長した姿で戻ってくる

というストーリー性のある補強となり、チームの顔となる投手の復帰はマーケティング面でも大きなプラス材料です。

マウンド上での闘志あふれる投球はもちろん、かつて札幌ドーム、そして今の本拠地であるエスコンフィールド北海道で見せたような、落ち着いた表情の中ににじむ勝負強さは、多くのファンの記憶に残っています。

今後への期待と課題

有原はすでに30代半ばに差し掛かっていますが、ここ数年の成績からもわかるように、コンディション面での不安は大きくありません。

一方で、日本ハム復帰後は、

  • 若いチームの精神的支柱となること
  • 勝ち星だけでなく、投手陣全体の底上げに貢献すること

といった役割も期待されます。

かつて、新人王に輝いた頃のようなフレッシュさと、メジャーとソフトバンクで培った経験をあわせ持つ現在の有原が、どのような投球を見せてくれるのか――。

6年ぶりに古巣へ戻ってきた背番号とフォームが、再び北海道の夜空の下で躍動する日を、多くのファンが心待ちにしています。

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