三菱UFJ銀行が公表したドル円仲値156.22円とは?やさしく解説
2025年12月24日、三菱UFJ銀行が公表したドル円の仲値(なかね)は「156.22円」となりました。
外国為替市場では、同日中に156円台前半から一時157円台半ば(157.62円)まで動く場面もあり、ドル円相場は引き続き「歴史的な円安水準」に近い高い水準での推移が続いています。
この記事では、
- 「仲値」とは何か
- 156.22円という水準の意味
- 157円台半ばへの上昇との関係
- 私たちの暮らしや投資への影響
といったポイントを、専門用語をできるだけやさしく説明しながら整理していきます。
「仲値(なかね)」とはどんなレート?
まずはニュースでよく出てくる「仲値」という言葉から説明します。
仲値とは、
- 銀行がその日の基準となる為替レートとして決める値
- 主に午前中(多くは10時前後)に決められることが多い
- 輸入企業・輸出企業との取引、外貨預金や外貨建て保険などの基準レートの目安に使われる
といった役割を持つレートです。
例えば、生命保険会社などの外貨建て商品の説明を見ると、
「当社が指定する金融機関(三菱UFJ銀行)が公示する対顧客電信売買相場仲値(TTM)を基準に、○○銭を加減して当日のレートを決める」
といった説明があり、この基準となる「仲値」が、三菱UFJ銀行の公表値
このように、仲値は単にニュース向けの数字ではなく、保険・投資・海外送金・外貨預金など、多くの金融取引に影響する重要な指標になっています。
2025年12月24日のドル円仲値「156.22円」
みんかぶFX(トレーダーズ・ウェブ)などの市場情報によると、2025年12月24日午前10時06分に、三菱UFJ銀行のドル円公表仲値が「156.22円」と発表
同日午前の為替市場では、
- ドル円相場が156.20円台へ小幅上昇する局面があり
- ドル買い・円売りがやや優勢となっていた
と伝えられています。
三菱UFJ銀行のリアルタイムレートの推移をみても、24日昼過ぎの時点でドル円は156.04~156.05円前後で推移 仲値156.22円はその時間帯の市場レートと大きく離れていない水準でした。
つまり、「156.22円」は、この日の日本の銀行取引における、ひとつの“よりどころ”になるレートだったと言えます。
同じ日に「157.62円」という水準も示されていた理由
ニュース内容には、「ドル円仲値、157.62円 三菱UFJ銀行」という別の数値も出てきます。
ここで大事なのは、
- 仲値は1日に1回だけとは限らないわけではなく、
- 市場状況の変化やニュースの切り取り方によって、時間帯の違う数字が並んで紹介されることがある
という点です。
実際、2025年のドル円相場は、157円台後半から158円台に達する場面もあったほどの円安局面が続いています。
その中で、24日中にも、
- 一時的に157円台半ば(157.62円)付近までドル高・円安が進んだ局面
- 午前の仲値決定時点では156円台前半にとどまっていた局面
があったと考えると、「156.22円」と「157.62円」が同日に並んで報じられていても不自然ではありません。
なお、今回の指示文の中に出てくる数値は、いずれも「三菱UFJ銀行のドル円仲値に関するニュースヘッドライン」であり、
市場のボラティリティ(値動きの大きさ)を象徴するものとして並べられていると理解できます。
156円台・157円台という水準はどれくらい「円安」なのか
それでは、ドル円が156~157円台
三菱UFJ銀行のリポートや各種マーケット資料を振り返ると、2025年は、
- 年初からドル円が157.72円で取引を開始
- 一時は158.88円の高値をつける場面もあった
とされています。
また、ほかの金融機関が公表している過去の仲値推移を見てみると、
- 2025年12月中旬時点で154~155円台
- 1年前と比べても、明らかに円安水準が続いている状況
であることがわかります。
為替の専門家によると、現在のドル円水準は、「日米の金利差」だけでは説明しきれないほど円安側に振れているとの指摘もあります。
それだけ、円売り・ドル買いの流れが強かった時期だということです。
なぜ円安が続いているのか ― 背景にある要因
156~157円台という水準の背景には、主に次のような要因があるとされています。
- 日米の金利差
アメリカは、インフレ対応などを背景に高めの金利を維持してきた一方、日本は長い間、極めて低い金利政策を続けてきました。
この結果、「金利の高いドルで運用したい」という投資マネーが世界中から集まりやすくなり、円が売られやすくなったと指摘されています。 - 日本銀行の金融政策のタイミング
日銀が利上げに慎重とみられる局面では、「まだしばらく円は低金利のまま」との安心感から円売りが積み上がりやすくなるとされています。 - 世界経済や政局の動き
米国の政権運営や関税政策、地政学リスクなどへの警戒が高まる場面では、ドル売りに傾くこともありますが、
一方で、リスクが落ち着いたとみられる局面ではドル買い・円売りが一気に戻ることもあります。
こうした複数の要因が重なり、2025年を通して円安傾向が続き、そのなかの一コマとして「156.22円」という仲値が位置づけられる形になっています。
仲値156.22円で、私たちの生活にどんな影響がある?
では、このドル円仲値156.22円
- 輸入品価格への影響
円安になると、海外から日本にモノを仕入れる際のコストが上がります。
例えば、1ドル100円のときと156円のときでは、同じ1ドルの商品でも円ベースの仕入れ価格が約1.5倍になってしまいます。
このため、エネルギー価格や食料品、日用品など、輸入に頼る品目の値上がり圧力が続きやすくなります。 - 海外旅行や留学費用
海外旅行で1,000ドルを使った場合、
1ドル100円なら10万円、1ドル156円なら15万6,000円必要になる計算です。
留学や長期滞在ではさらに差が大きくなり、円安は「海外に出る日本人」にとって大きな負担増となります。 - 外貨建て保険・外貨預金
前述のように、多くの金融商品では、三菱UFJ銀行が公表する仲値をベースに数十銭を加減したレートで取引レートが決まります。
そのため、仲値156.22円の日には、外貨建て保険の円払込や解約時の受取額などに影響が出てきます。
円高時にドルを買っていた人にとっては、円安が進んだ局面で円に戻すと為替差益が出る一方、
初めて外貨を買う人にとっては「割高な水準」でのスタートになりやすい、という側面もあります。
個人が気をつけたいポイント
為替レートは、個人ではコントロールできない大きな市場の動きですが、情報を知っておくことで備え方を変えることは可能です。
- レートだけでなく「基準となる仲値」を意識する
ニュースの「ドル円○○円」という値と同時に、自分が利用している金融機関や商品がどの銀行の仲値を基準にしているかを確認しておくと安心です。 - 「短期の上下」ではなく「水準の変化」に目を向ける
155円前後から156円台、さらに157円台へ…というように、段階的に円安方向へ進んでいるかどうかを見ることで、生活コストや投資判断の目安になります。 - 外貨建て商品は「為替リスク」を理解してから
外貨建て保険や外貨預金は、金利面の魅力が強調されがちですが、円安・円高どちらにも振れる可能性があります。
仲値水準を含め、「どのくらいのレートで購入したか」を意識しておくことが大切です。
今回のニュースの意味をまとめると
2025年12月24日、三菱UFJ銀行が公表したドル円仲値「156.22円」は、
- 2025年を通して進んだ円安トレンドの中にある一時点の指標であり
- 同日中の157.62円といった値動きと合わせてみると、為替市場のボラティリティの高さを物語る数字
- 外貨建て保険や外貨預金など、多くの金融商品・サービスの基準レートとして利用される重要な水準
という意味を持っています。
為替相場は、日々のニュースの中では小さな数字の変化のように見えますが、
「156.22円」という一つの仲値が、私たちの生活や将来の資産形成にじわじわと影響を与えていることを意識しておくと、
ニュースの見え方も少し変わってくるかもしれません。



